効果的な体幹エクササイズ(腹筋、プランク、ウエイトリフティングなど)は星の数ほどあるけれど、シンプルな器具1つだけでできるのに見逃されがちなのは腹筋ローラー。その名の通り、腹筋ローラーは左右にハンドルがついた小さなローラー。前に転がしてプランクをしたら手前に引くだけ。簡単そうに思えるかもしれないけれど、実際は非常にハード。
「とても簡単に見えますが、全然そんなことはありません」と話すのは、認定トレーナーのアンジェラ・ガルガノ。「腹筋ローラーは、典型的な腹筋エクササイズよりコントロールとテクニックを要しますから」。お尻と体幹をギュッと締め、肩を本気で安定させておかないと結果は出ない。
ローラーを前に転がして、腕を前に伸ばしたままプランクをキープしなければならないので、鍛えられるのは主に腹横筋(胃を取り囲み、胴体を安定させる体幹筋肉)と下腹部。でも、使い方のバリエーションを増やせば、背中、肩、脚などの全身ワークアウトにもなる。そこで今回はガルガノの力を借りて、腹筋ローラーのメリットと腹筋ローラーを最大限に活用するサーキットトレーニングをアメリカ版ウィメンズヘルスからご紹介。
スタンダード・ロールアウト
1.ヒザをつき、手首を肩の真下に置いてプランクをする。ヒジを伸ばして腹筋ローラーのハンドルを握り、ヒザから頭を一直線に。
2.体幹と臀筋を締め、腕を伸ばして背中をフラットな状態に保ちながら、腹筋ローラーをゆっくりと前に転がす。
3.この動作を慎重に巻き戻し、スタートポジションに戻る。これで1回。
プロのアドバイス:おなかが下がらないように注意して。おへそを背骨のほうへ引き込むことで体幹に力が入れば、その分いい結果が出るはず。
腹筋ローラーはいつから使える?
「プランクが少なくとも30秒できるようになったら腹筋ローラーを使い、体幹の強度を試してみましょう」
10分間の腹筋ローラー・ワークアウト
このワークアウトは、ガルガノが好きな6つのエクササイズで構成される。おすすめは週1~2回。「少なくとも4週間は継続しないと、体の見た目や感覚は変わりません」
所要時間:10分
必要な器具:腹筋ローラー
ターゲット:三頭筋、肩、広背筋、体幹(アプローチしにくい下腹部と腹斜筋を含む)
インストラクション:1つ目のエクササイズを所定の数だけこなしたら、休憩を挟まずに次のエクササイズへ。6つのエクササイズが全て終わったら1分休んで、もう一度最初から。これを計4セット。
①スロー・ロールアウト
HOW-TO:ヒザをついたプランクのポジションをとり、手首を肩の下に置く。腕を伸ばして、腹筋ローラーのハンドルを握る。5秒かけてローラーをできるだけ前に転がし、胴体を床に近づける。この動作を5秒かけて巻き戻し、スタートポジションに戻る。これを5回。
②ファスト・ロールアウト
HOW-TO:ヒザをついたプランクのポジションをとり、手首を肩の下に置く。腕を伸ばして、腹筋ローラーのハンドルを握る。ローラーをできるだけ速く前に転がし、胴体を床に近づける。この動作を同じスピードで巻き戻し、スタートポジションに戻る。これを5回。
③プランクホールド
HOW-TO:ヒザをついたプランクのポジションをとり、手首を肩の下に置く。腕を伸ばして、腹筋ローラーのハンドルを握る。この状態を10秒ホールド。
④サイド・ロールアウト
HOW-TO:ヒザをついたプランクのポジションをとり、手首を肩の下に置く。腕を伸ばして、腹筋ローラーのハンドルを握る。ヒザを動かさずにローラーを左斜め(45度)前に転がす。スタートポジションに戻ったら、ローラーを右斜め前に転がす。これを5回。
⑤腹筋ローラーウォーク
HOW-TO:四つんばいになり、つま先をつく。股関節の下にヒザを置き、ヒザを床から浮かせて、肩と一直線にする。背中はフラットな状態をキープして。手首を肩の下に置き、ローラーのハンドルを握る。左右の足を一歩ずつ前に出しながら、ローラーを前に転がす。手首は常に肩の下。左右交互に10歩あるく。
⑥フル・エクステンデッド・ホールド
HOW-TO:ヒザをついたプランクのポジションをとり、手首を肩の下に置く。腕を伸ばして、腹筋ローラーのハンドルを握る。ローラーをできるだけ前に転がす。この状態を10秒ホールド。
どんな腹筋ローラーを選ぶべき?
腹筋ローラーには、スタンダードなものから、ウエイトの代わりにローラーが付いたダンベルのようなものまで、さまざまな種類がある。ガルガノいわく腹筋ローラーを初めて使う場合は、ベーシックなタイプを選ぶといい。
※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
Text: Angela Gargano And Alexis Jones Translation: Ai Igamoto