急に肌寒くなって秋を感じると同時に、大気も少しずつ乾燥してくる……。そんな中、美容的に気になるのはやはり「乾燥肌」。深刻なドライスキンになる前に、その原因と正しい対策法を 「まいこホリスティックスキンクリニック」の山崎まいこ先生に聞いた。
目次
- 乾燥肌には三大原因があった!
- 【保湿対策よくある質問1】乾燥肌対策に「化粧水」は大きな間違い!?
- 正しい3ステップスキンケア
- 【保湿対策よくある質問2】化粧水をつけるとき、コットンを使うべき?それとも手?
- 【保湿対策よくある質問3】ローションパックって保湿に効果あるの?
- 【保湿対策よくある質問4】朝 と夜で化粧水を変えるべき?
- 山崎まい子先生がすすめる「1日5回保湿」って?
- 便利な保湿コスメはこれ!
乾燥肌には三大原因があった!
乾燥肌の原因となっているのはこの3つ!
1.外気の影響
「肌は直接外気と触れ合っている部分でもあるので、その影響を大きく受けます。ですので、これからの秋から冬のシーズンは外気が乾燥するので要注意です」
2.肌内部の潤い不足
「その人自身が作り出す保湿因子が足りておらず、‟インナードライ”という、肌の内部から乾燥しているパターンです」
3.日焼けや角質の溜まりなどからくる肌のごわつき
「肌表面にいくら保湿をしようとしても浸透していくための土壌が整っていないと、乾燥肌を引き起こしてしまいます。例えば日焼けをしたり、適切な角質ケアができていないなどでごわついている場合がそれにあたります」
自分はどのタイプの乾燥肌? まずは肌状態を知るところから始めよう。
【保湿対策よくある質問1】
乾燥肌対策に「化粧水」は大きな間違い!?
化粧水の役割とは?
「みなさんよく『肌の乾燥が気になるからとにかく化粧水で保湿しなきゃ!』とか『乾燥しているんだからとにかくお水(化粧水)を上げないと!』と保湿=化粧水、と考えている人も多いように思います。化粧水はあくまでも一旦表面を潤すものであったり、そのあとのスキンケアを肌に呼び込む‟呼び水”的な役割をするものです。ですので、化粧水を塗ったからと言って、一時的には肌が潤ったように感じるかもしれませんが、それだけでは保湿をしたとはいえません。そのあと、蒸散を防ぐ油分が入ったものを塗布しないと潤いはどんどん逃げていってしまうと心得て!」
乾燥肌対策として化粧水だけは不十分。あくまでもファーストステップと捉えて。
・正しい3ステップスキンケア
保湿に必要なスキンケアステップは基本3つ!
- 化粧水「先ほどお話した通り、まずは化粧水で水の通り道を作りつつ、肌表面に潤いを与えましょう」
- 美容液「セカンドステップは、肌悩みに合わせて美容液で肌に栄養を。特に秋のはじめの肌は、夏の外気にさらされたあとで知らず知らずのうちに疲れ肌になっている人も多いですよ」
- 乳液orクリームorオイル「水分だけだとせっかく与えた潤いが蒸散してしまいます。ですので、蓋をする意味でもスキンケアの仕上げに油分のある乳液やクリーム、オイルなどでしっかり膜を作ることが大切です」
【番外編1】オールインワンのコスメはひとつで保湿できる?
「オールインワンもさまざまなものが出ているので一概には言えませんが、基本油分なども入っているのでひとつで完結してもOKです。ただし、さっぱりしすぎているなーと感じたらさらにクリームなどをプラスするのがよいでしょう」
【番外編2】ブースター美容液って必要?
「洗顔後すぐ、化粧水の前に使うブースター美容液も最近多くなっていると思いますが、化粧水を効率よく角層まで届かせるように設計されているものが多いので、乾燥肌に悩む人はプラスオンするのもおすすめです」
基本は化粧水、美容液、乳液&クリーム。乾燥肌対策には化粧水だけじゃダメ!
【保湿対策よくある質問2】
化粧水をつけるとき、コットンを使うべき?それとも手?
ポイントは「摩擦」
「化粧水をコットンで付けるのを推奨しているブランドもありますし、好みもあると思うのですが、私のおすすめは『手』です。というのも、コットンを正しく使えればいいのですが、ゴシゴシこすってしまったり、必要以上に叩き込んだりするのは、肌に刺激がかかる可能性があります。手であれば、自分の心地よい圧でつけることもできますし、手で実際に自分の肌に触ることで癒やし効果があるとも言われています。さらには、毎日自分の肌に触れることで、『今日はちょっとごわついているな』とか『目尻の部分が特に乾燥しているな』など、自分の肌の調子や変化にすぐに気づくことができるので、おすすめです」
摩擦は肌への刺激に。手で触って自分の肌の状態を常にチェックしよう!
【保湿対策よくある質問3】
ローションパックって保湿に効果あるの?
化粧水をたっぷり含ませたコットンマスクで保湿をすると、より潤うイメージだけど本当?
「潤いを届けてキープする、という意味では先ほどお話した通り、水分だけでは不十分ですが、パックをすることによって、角質が柔らかくなってあとに行うスキンケアがより入りやすい状態になるということは言えますね。また、不要な角質もはがれやすくなるので、ときどきローションパックするのもいいですね」
【保湿対策よくある質問4】
朝と夜で化粧水を変えるべき?
朝は保湿をしっかりしたいけど、でもメイクもするし、日中べたつくのも嫌。かといって朝と同じくらいさっぱりだと乾燥肌対策には不十分?
「朝と夜で同じものでダメということはないのですが、よりしっかり保湿対策をしたい人には、テクスチャーだけでなく、機能面で使い分けるのもおすすめです。朝は日中の日差しや排気ガスなどさまざまな外的ストレスが肌にかかるので、抗酸化力の高い成分、例えばビタミンA、C、Eなどを配合したものをチョイスする。もし、朝メイクするのに肌のべたつきが気になるようだったら、軽くティッシュオフしましょう。そして夜は、日中受けたダメージを修復できるようなケア系のものを選ぶとよいでしょう」
山崎まい子先生がすすめる「1日5回保湿」って?
「スキンケアタイムは朝晩の2回だけ」と思ってない? 実は日中に保湿ケアをプラスすることで、いつでも潤い肌に。山崎先生流の5回保湿のタイミングと方法とは?
「まず朝の洗顔後に保湿します。これはみなさん同じですよね? そのあともしメイクするまでに時間がある人は、メイク前にももう一度保湿を。さらに日中はオイルが入った2層式のスプレータイプのものなどをメイクの上からひとふき。こすらないように押し込むようにハンドプレスして。そして夜自宅に戻ったらメイクを落とすタイミングで保湿します。これがみなさんのいう晩の保湿になると思うのですが、さらに夜寝る前にたっぷり保湿します。そうすることで寝ている間も潤いをたっぷり肌に届けることができるのでおすすめです」
こまめに保湿することで‟乾いている暇がない肌”を目指そう
便利な保湿コスメはこれ!
お話を伺ったのは…
山崎まいこ先生
まいこ ホリスティック スキン クリニック 院長。皮膚科医。勤務医として形成外科医、皮膚科医、美容皮膚科医として務め、2017年東京・代官山にクリニックを開業。ホリスティックな視点から、外側の治療だけでなく、身体の内側、腸内の健康、心のあり方までサポートし、真の健康と美しさを追求している。オーダーメイドで患者に寄り添う医療には定評があり、各界著名人やビューティー関係者からの信頼も厚い。