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科学的に証明された方法を試してみた。

体重を減らして、しかもそれをキープするためには、きちんと食べ、運動することを一生続けなくてはいけないと分かっている。でも、言うのは簡単だけど実際にやるのはなかなか大変。オーストラリアでは、肥満は健康関連のもっとも高い関心事項。体重を減らすための研究も盛ん。そこで、最近の研究のうち、定番のものから、少し変わったものまで実際にどれくらい効果があるのか試してみた。

メールで食生活の改善と運動を促す

人間行動学の研究家に聞けば、行動を変えるには自分に合った小さな目標を立て、進捗を追うことだそう。でも、目標を立てることはできても、その小さな目標ですら守るのが大変。アメリカの予防医学の専門誌「American Journal of Preventive Medicine」の2016年6月号によると、そこで役に立つのがメールだそう。

351人の会社勤めの人に週2回、小さな目標をリマインドするメールを送る、という実験を行った。たとえば、昼休みに歩く、週3回おやつにフルーツを食べる、というもの。もう一方のグループの436人はメールを受け取らなかった結果、16週間後にはメールを受け取ったグループの方がたくさん歩き、野菜とフルーツを多く食べる傾向にあったそう。

特に、はじめる段階で推奨された食生活や活動量に満たない人の方が変化が大きかったそう。さらに、運動量は1週間で約1時間増え、非活動的な時間は2時間も減ったという。研究者のバーバラ・スターンフェルド博士はこの方法がうまくいくのは手軽で簡単だからだという。「みんな“これならできるかも”と思い、データによると4ヶ月後も続いていることが分かっている。

やってみた結果:

【良い点】シンプルでおもしろいアイディア。リマインドされたいものを決めると(ジムに行く、水を飲むなど)一定かつ、ランダムなタイミングでメールを送ってくれる。いつメールが来るのか分からないので、注意するようになる。これは、特にパソコンの前でずっと仕事をしている人向け。

【悪い点】ただ、母親からしつこく言われるのは慣れている人も多いので、このリマインドには耐性ができているかも。メールは仕事が忙しいと無視するのも簡単。

結論から言うと、体重は減らずいつもより多くジムに行ったわけではない。でも行けないことに対しての罪悪感は増すから、効果があると言える……?

食べた物の写真を撮る

アメリカ、コーネル大学の研究によると、人間の目は食べているもののカロリーを38パーセントも低く見積もることを発見。だから、食事記録を付けることは体重管理に効果的な方法。ただ、夜に思ったよりもはるかに多い量のポテトフライを食べた、と過去形で書いていては意味がないそう。

そこで、ウィスコンシンマディソン大学の研究者は、健康的な人43人に協力してもらい、口にした食事、間食、飲み物すべてを1週間の間、食べる前に写真を取ってもらった。(これに加えて記録も付けてもらった)。研究者の一人、リディア・ゼピーダ医師の仮説では、写真を撮るという行為はその瞬間になにを食べているかに注意を払わせ、結果、考えを変えさせるのではないか、というもの。

実際、写真日記を見返すと、一品の量が多かったり、間食が高カロリーのものだったり、野菜や果物の量が少なかったりすることに気付いたそう。ある参加者は、「写真を撮らなくてはいけないので、食べる物に気を付けなくてはいけなかった」と話す。だからといって完全に変えることはできなかったようだけれど、チョコレート菓子の大袋の写真を撮るのはさすがに気がひけるもの。

やってみた結果:

良い点】世の中にあるダイエットをすべて試したことがあるというスタッフによると、この写真での食事記録法も試し済みだそう。よいのは、写真を撮るのは一瞬で手間がかからないこと。彼女の場合、毎日朝食はおかゆ、昼ごはんはライスケーキに、ツナ、アボカド、チーズを乗せたものだったので簡単だったそう。板チョコを食べたくなった時も写真に残したくなかったのでいつもの朝食やお昼の同じ写真を見返して、我慢したそう。

【悪い点】友達との夕食時に携帯電話を取り出して写真を撮るのは失礼かなと気にしてしまったり、食事法のひとつと説明するのは恥ずかしかったとか。

これをやった結果1.5キロやせたけれど、一時期腹痛があったので、写真を撮ったことの効果と言えるかは分からない。ただ、目に見える記録としては有効なのと、確かに写真を撮るのが面倒で気軽にお菓子に手を伸ばさなくなる。

一口の大きさと噛む回数に気を付ける

このやり方がいいということは、耳にタコができるくらい聞いているはず。研究でも、やはりこの方法は効果的だそう。American Journal of Clinical Nutritionの健康体の22人を対象にした研究によると、一口を小さくし、長く噛むことは食べる量の減少につながったそう。

オランダの研究者も満腹と感じるまでにどれくらいの量のカスタードを食べられるか、7種の異なる状況下で実験。まずは、一口の量も気にせず、好きなペースで食べたそう。次からは、一口の量(5gと15g)と噛む時間(3秒と9秒)を変えて食べてみた。

その結果、一口が小さく、長い時間噛んだ場合は平均313g食べ、一口が大きく、短い時間しか噛まなかった場合は平均476g食べるという結果に。分かり切っている結果かもしれない上に、そもそもカスタードは噛みづらい、というのもごもっとも。でも、163g少なく食べることによって、約163カロリーも減らすことができた。これは、噛む回数が長くなることで、口の中に食べ物が入っている時間が長くなり、味覚がより長い間刺激され、食べる量が減ることになったから、と研究者は話す。

やってみた結果:

【良い点】これは早食いの人にぴったりの方法。そんなに長く噛むのは退屈かと思っていたけれどそうではないことにびっくり。むしろ9秒間数えるのは瞑想のようだったそう。特にその威力を発揮したのは外食時。一口を他の人と比べてはるかに長く噛むことに。

【悪い点】飲み物の場合にはうまくいかないのが残念なところ。ビールを9秒間も口の中に入れておくのはあほらしく、ダイエット法とは言えない。そもそも、それを忘れずにやるのもむずかしい。

週の終わりには500g減っていたが、これは旅行中でよく歩いていたせいかも。でもカンタンかつ効果的なのでしばらく続ける、と体験者。

http://www.womenshealth.com.au/article/weight-loss/weighing-the-evidence



Text:Women’s HealthAU Translation:Noriko Yanagisawa Photo:Getty Images