ご褒美がもらえるとしたら、もっとジムに行く? 定期的にワークアウトするよう指示を受けた新しいジム会員を対象に行われた米国ケース・ウェスタン・リザーブ大学の研究が、エクササイズをすることでお金がもらえても会員のコミットメントは続かないことを明らかにした。その内容をオーストラリア版「ウィメンズヘルス」からご紹介。
この実験では、6週間のうちに9回ジムに行くことで、参加者にささやかな報酬が支払われた。一つ目のグループにはアマゾンのギフトカード$30分か同等の物、二つ目のグループには$60分のカードが与えられた。報酬を約束されていないコントロールグループ(統制群) には、目標に達するか達しないかに関わらず、$30分のカードが贈られる仕組みとなっていた。
6週間の実験が終わるまでに、1週間に3回通うつもりでいた会員の実際のジム訪問回数は平均週1回にまで落ち込んだ。約95%もの参加者が週に1回以上行くと言っていたにも関わらず、3週間を過ぎた時点で有言実行だったのはそのたった3分の1程度の人数に終わった。開始か1週間後、二度とジムを訪れなかった人の数は14%にも上った。
報酬がもらえることを知っていた2つのグループにおいては、最終週のジム訪問回数に若干の伸びがあった。おそらく、報酬を得るためにはこれがラストチャンスだと思ったのだろう。でも総合的には、彼らのジム訪問回数は、報酬を約束されなかった統制集団よりも0.14回多いだけだった。また、$60分のカードを約束されたグループのジム訪問回数は、$30分または同等の物を言い渡されたグループと変わらなかった。
「報酬をもってしても、定期的にエクササイズしたいと言っていた参加者の意図は行動を伴わなかった」と言うのは、この文献の共著者であるマリアナ・カレラ。「報酬を得るのは簡単だと思っていた人々も、ジムに通う回数については楽観的すぎたわね」
エクササイズという話になると、モチベーションは複雑なものだとカレラは続ける。「ジム会員になろうという内的なモチベーションと、金銭的な報酬を得ようというモチベーションと間に関係性はないのかもね。明らかなのは、この二つの動機をまとめて補完するものがなかったということ」
ギフトカードが十分でないとしたら、何があなたをベッドから連れ出してくれるのか?『Lift to Get Lean』の著者で筋力強化・調整スペシャリストのホリー・パーキンスによれば、あなたがその目標を達成したい理由を特定する必要があるそう。「見た目を良くしたいという理由だけでは、あなたがソファーから立ち上がり、長期的にジムに通うことはない」。鏡に映る自分のその先にあるものを見つめ、何が本当に欲しいのかを自分に聞いてみること。自信を持ちたい、家族や友人の助けになりたい。その答えが何であれ、それこそが最強のモチベーションだとパーキンスは言う。
すっきりしたいからと入会する人の大多数が、単に見た目を良くしたいからと言って入会する人々よりも積極的にジムに通うのも、これが理由だろう。心の底にある動機なんてない? 自分の目標 ( “5キロ落としたい” など) を口に出して言ってから、自分に聞いてみてー「でも、なんで?」。そして、その答えが何であったとしても、もう一度聞いてみるー「でも、なんで?」。これを5回繰り返せば、ほら! 今まで認識されることのなかった、本当の動機がそこにある。
Text: Women’s Health Australia Translation: Ai IgamotoPhoto:Getty Images