ストレスの副作用ほど怖いものなんてないかもしれない。
ストレスとは本当に嫌なもの。体力やジムに行く気力だけでなく、性欲さえも吸い上げる。ピンチの状態では、ちょっとしたストレスが後押ししてくれるのは事実だけど、継続的なストレスは心と体に深刻なダメージを与えかねない。ストレスの恐ろしい症状をチェックして、タチの悪い副作用を和らげるアドバイスに従って。
Text: Ashley Oerman Translation: Ai Igamoto Photo:Getty Images
不安で夜も眠れない上に、興奮状態の脳が血中にコルチゾールを放出する。コルチゾールは心拍数を上げ、脳により多くの酸素を供給し、ストレスに対処するためのエネルギーをくれる親切な化学物質。でも、頻繁にストレスを感じていると血中に送られるコルチゾールの量を脳が制限してしまい、毎日しかも一日中疲れを感じることになる。幸いなことに、週3時間程度のワークアウトでこのホルモンレベルを調整できる。迷っている暇はない。動きに行こう!
考え事をしていると、テキパキと物事をこなす気分にはなれないもの。でも、ストレスが与える影響はそれだけではない。慢性的なストレスは生殖器系を正常に働かせるエストロゲンの生成にもインパクトを与えるので、性欲が減退することに。ストレスを抱えている時は、健康的な食生活を送り、加工食品の量を減らすことでこの症状を和らげよう。
お腹の調子を悪くするのは不安な気持ちだけではない。慢性的なストレスは、代謝をはじめとする様々な機能を調節する甲状腺から分泌されるホルモンに影響を与える。このホルモンのバランスが崩れると便秘になる。こんな時はジムに行き、しっかり水分補給して、食物繊維の摂取量を増やし、必要に応じて便秘薬を飲むこと。
異常な精神状態にある時は、アンドロゲンと呼ばれる男性ホルモンのレベルが急上昇し、急にニキビができる。こんな時には、避妊ピルか局所的な治療を試してみて。顔のブツブツ以外にも、ストレスによって体の他の部位に発疹ができることも。不安が免疫システムをめちゃくちゃにしているのが原因で、湿疹や黄色ブドウ球菌感染症などの症状が現れる。ドラッグストアで買える局部的な治療薬に効果がない場合や症状が悪化した場合には病院へ。
心的外傷性ストレスは、自分や愛する人の生命に対する脅威を感じることで起きるもの。激しい恐怖や無力感を伴い、記憶を貯蔵する脳の一部である海馬に深刻なダメージを与える。心的外傷性ストレスは海馬を実際に小さくするので、現実、リスト、出来事の一部始終、長い時間の隔たり (数分から数日間) がうまく記憶できなくなる。ストレスによるダメージによって、新たな記憶を形成するのも困難になる。
爪の甘皮をつまんだり噛んだりする癖が出たら、不安が顕在化している証拠かも。完璧なマニキュアを台無しにするだけでなく、あれこれ触った汚い手で甘皮を引っ張れば厄介な感染症に繋がることもある。この癖で爪を傷付けないよう、指をこまめに保湿し、絆創膏を貼ってダメージを最小限に抑えよう。
米国ケンタッキー大学の研究によって、ストレス管理方法を学ぶとダイエットに成功する確率が高くなることが分かったそう。ストレス減少と体重減少に関連があるのは、ストレスによる大食いが減るからかもしれない。精神神経内分泌学の専門誌に掲載された別の研究では、不安を感じていない女性と常にストレスに悩まされている女性では、脂肪と糖分の代謝のされ方に違いがあることが発覚したとか。
アンドロゲンの急上昇がもたらすのはニキビだけではない。超ストレスフルな状況の通常3~6ヶ月後に普段以上に髪が抜けることがある。この悲しい副作用は一時的なもので、バランスの良い食事で毛嚢が正常な状態に戻るのを助けることができる。
ストレスを抱えると心拍数と血糖値が上昇し、体はホルモンを量産することで“火事場の馬鹿力”を発揮しようとする。この組み合わせが筋肉を硬くし、一日中デスクに座っていることによる腰の痛みを増幅する。一時間ごとに立ち上がってストレッチを行い、ストレス要因の腰痛を退治しよう。
※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
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