ストレスを感じると、ついついジャンクフードに手を伸ばしてしまう──そう気付いたことはないだろうか? 「慰めるために食べる」というのは、多くの人にとってよくあること。その私たちの行動を科学的に説明する研究結果が発表された。

神経科学ジャーナル『ニューロン(Neuron)』に掲載された研究結果によると、ストレスを感じているとときに高カロリー食品を取ることは脳を変化させ、そうした食品をさらに欲するようにさせるという(危険な負の連鎖!)。

コンフォート・フード、ジャンクフード、高カロリーフード……呼び方はどうあれ、これらの食べ物は、脳の報酬中枢を活性化させる。この活性化が「たまに」ではなく「頻繁に」起きると、その因果関係(コルチゾールなどのストレスホルモンが放出されればこうしたものを食べる、という関連性)に不健康な連携が成立し、こうした食品をさらに欲し、多く摂取することになるという。

food products and companies in poland
NurPhoto//Getty Images

普段は脳の「外側手綱核(がいそくたづなかく)」が、食べすぎを抑制している。私たちが慰めるために食べることで得る報酬を中和(無効化)し、ジャンクフードなどの食品の魅力を引き下げているのは、この領域だ。

だが、研究チームによると、ストレスを感じているときには「満腹である」ことに対する脳の反応が無効化され、外側手綱核が適切に機能しなくなるという。つまり、ジャンクフードが「報酬」であることを脳に伝えるボタンが押され続け、その間にはドーパミンなどの“幸せホルモン”が分泌される。

高カロリーで、脂肪や糖分、炭水化物など私たちが取りすぎたくないものを多く含むこれらの食品は、体重の増加だけでなく、睡眠やホルモンの状態など、体にさまざまな変化を引き起こす。

そして、それらがまた新たなストレスの原因になるという矛盾した状況が生み出され、ストレスとジャンクフード、睡眠への影響の間に“抜け出すことが難しい”不健康なサイクルができてしまう。

調子が悪いときに、栄養価の高い食事を用意するのは大変なこと。それでも、ヘルシーな食品の定期購入や冷凍食品、簡単に作れる料理のレシピなどを活用すれば、毎日ピザを食べる生活から抜け出すこともできるだろう。

※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。

Translation: Ryoko Kiuchi From Women’s Health UK