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心と体のヘルシーと幸福を真剣に見つめ、プロにアドバイスを伺う連載。私たちは毎日、大なり小なりのストレスにさらされているものだけど、うまく対処できずに疲れがたまりっぱなし、という人も。今回のお悩みは、そんなストレスとの付き合い方やケアについて。人生における大きなストレスの他、日々直面する些細なストレスである「デイリーハッスル」のケアも実は大事と、専門家は言う。ストレスフルな現代社会において、ストレスと賢く向き合っていくための方法をドクターがアンサー。

【今回のお悩み】

リラックスが下手でいつも緊張してしまいます。

そのせいか疲労しがち。脱力の仕方を教えてください

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【ANSWER】

ストレスは翌日に持ち越すと、脱力しにくくなります。

その日のストレスは、その日のうちに帳消しにしましょう

今の私たちの生活は常に緊張状態にあるといわれています。例えば、友達や彼に様子を知りたければ、携帯電話やLINEですぐにコンタクトを取ることができます。でも、30年ぐらい前までは携帯電話もメールも今のように普及していなくて、話したいと思ってもすぐにコンタクトを取ることはできませんでした。

そう考えると今の時代はとても便利になりましたが、その分、メッセージを送って連絡がなければ、「なんで返事がないの?」と悩むこともあります。眠る直前まで携帯電話を離せず、起きてすぐにも携帯電話をチェックと、周囲の反応に常にさらされている毎日ともいえます。

私たちが受けるストレス、「ライフイベント」と「デイリーハッスル」とは?

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いつでも気持ちにスイッチが入った状態になっているため、疲れてしまうわけです。

そんな毎日ですから、ストレスもたまりがちです。「ライフイベント」と言われる心理的あるいは社会的ストレスには大きく2つあり、失恋や失業、病気や死といった人生に直面するような衝撃が大きいものが一つ。

もう一つは、日々起こる些細なストレスです。例えば「彼のLINEが既読なのに返事がない」「会議で別の、大したことがないプランが採用された」「髪型が決まらない」「顔のむくみが取れない」……といったような、よくあるストレスやイライラのことを「デイリーハッスル」と呼びます。私たちは、いつもこのデイリーハッスルが蓄積しやすい状態に置かれていて、そのため疲労しやすく、緊張が溶けないのです。

「自分のため」に、少し手を加える工夫を考えましょう

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大事なのは、デイリーハッスルをためないことです。翌日にできるだけ持ち越さないように、その日にたまったデイリーハッスルは、その日に吐き出せるようにするといいでしょう。最初は難しいと思うので、少しずつからのスタートで構いません。

このとき大事なのは、“自分を愛でる”工夫です。

デイリーハッスルがたまってくると、周囲の反応ばかりを気にしがちになります。人と比べて自分は幸せなのかと比較してみたり、周りはどう思うかということばかりに気が向きがちになります。でも、それでは緊張は溶けません。

いったん、周囲に向く気持ちを自分に向けるようにしてみましょう。

そうはいっても、どうしていいか難しいですよね。
あまり難しく考えず、自分のためにできることをなんでもいいから生活にプラスしてみましょう。

例えば、忙しくて夜ご飯はテイクアウトがほとんど、という人もいるでしょう。コンビニで買ってきたご飯でも構わないので、レンジでチンしてそのままの状態で食べるのをやめて、お気に入りの器に盛ってみる。面倒と思うかもしれませんが、自分のためにちょっと手間をかける。器を変えるだけでも気分は大きく変わります。

これに慣れてきたら、簡単なものでいいので1品だけ手作りのものをプラスしてみましょう。コンビニで購入したお豆腐の上にキムチを乗せて、と出来合いのものを組み合わせた手作りでもいいと思います。

毎晩1品自分のために作る、という習慣ができると、仕事で嫌なことがあっても「今夜はお肉を食べて元気出そう!」と、“簡単調理”が気持ちを切り替える材料になってくれるのです。

料理が苦手という人は“自分のために愛でる日”を設けて、ヨガや整体、マッサージなどのメンテナンスをする日を作るなどしてもいいかもしれません。

ただ、いつも他者の力を借りるのではなく、自分自身のために何かできることを増やしていけるのが理想です。少しずつでもいいので、そんな時間を持てるようになると、自然と脱力できるようになりますよ。



Photo:Getty ImagesText:Manabi Ito