一日を平常心で過ごすためのコツを知っていれば、ストレスの多いメールにだって心を乱されない。そのコツをアメリカ版「ウィメンズヘルス」からご紹介。
通勤中、自分の世界に入り込んでいると、突然誰かにくしゃみを吹きかけられたり、ミニバンが猛スピードで割り込んできたり。自分が教養のある人間であることを思い出す暇もなく発狂しそうになる。
ありきたりな一日は、いちいち動揺していたらストレスに押し潰されてしまうような瞬間で溢れている。ストレスが体に及ぼす悪影響を考慮すれば、心の中で不満を爆発させる以外の解決策が必要。
瞑想アプリ『Meditation Studio』の開発に貢献した3人の瞑想エキスパートが、一日を平常心で過ごすためのアドバイスをくれた。
通勤状況が最悪の時
今日のTo-Doリストのこなし方に思考を巡らせているにせよ、ゾンビのように車を走らせているにせよ、通勤中の行動の一つ一つに集中する努力をするよう勧めているのは、『Yoga Studio by Gaiam』の共同設立者でヨガインストラクターのジュール・ウィリアム=キー。「ウィンカーを出したり、アクセルを踏んだりすることに注意を向けて」。マインドフルネスに取り組めば、心を乱されることもない。
公共交通機関を使って通勤しているなら、臭い人に押し付けられて窮屈に感じることもあるはず。「神経が張り詰めるのを感じたら、目を閉じて青空を見上げる自分や海に出た自分を想像してみて」 と語るのは、『Yoga Works』でヨガインストラクターとして働くクリッシー・カーター。ほぼその瞬間にリラックスできる。
列に並んでいる時
時間がないのに前の男性が時間を食っている。そんな時には、フラストレーションを感じる代わりに姿勢に気を付けてみよう。「両足に重心を平等にかけ、地面に足が付いていることを感じること」 とカーター。「息を吸いながらその息が足元まで下りていくのを想像し、息を吐きながらその息が頭のてっぺんまで上っていくのを想像してみて」
もしくはこんな呪文を唱えてみようー“今ここに”。ウィリアム=キーによると、「この後にすべきことをすべて忘れさせてくれる。かけなきゃいけない電話のことを心配したところで、何の役にも立たないから」
温かな気持ちでスーパーのレジに並びたければ、「慈しみ」 のマインドフルネスを実践してみよう。「親切心と愛で自分の心を満たしたら、それを列に並んでいる誰かに送る」 と語るのは、『Ziva Meditation』の設立者であるエミリー・フレッチャー。良い感情を誰かに送れば、列を去る時の気分もいい。
失礼なメールをもらった時
人生にはストレスフルなメールが付き物。派手な返信をする前に、自分に10秒あげて何かポジティブなことをしてみよう。カーターは 「瞑想で思考は消えない。でも、注意を他のものに向けることはできる」 と言う。散歩に出たり、スマホで笑える動画を見たり、飼い犬や休暇といった心が軽くなることを考えてみれば、冷静な気持ちでメールに戻ることができる。
「返事を書いたら、送信する前にオフィスをぐるっと一周する」 のがフレッチャーのおすすめ。自分と相手にとって、それが本当にベストな解決策かをもう一度考えてみよう。
甘いものが食べたい午後3時
チョコレートは大好きだけど、その奴隷になるのはごめん。甘いものへの欲求は、空腹ではなく退屈さや淋しさからくるもの。カーターいわく、「時に欲求とは、頭が欲しがっているものと体が必要としているものの食い違い」。このエクササイズで両者間のコミュニケーションを再開させよう。息を吸い腕を頭上に伸ばす。息を吐きながら腕を下ろす。息を吸い背中を伸ばす。息を吐き、座ったまま体をひねる。
ウィリアム=キーは、「“体に優しく” することを自分に思い出させる」 そう。この言葉を繰り返せば、美味しいものを完全に否定する自分と、クッキーを箱ごと食べたい自分との間でバランスを取りやすくなる。
パートナーの相手をする気分になれない時
すでにイライラした状態で帰宅したなら、1~2分、前屈のポーズか子供のポーズを取ってみること。「前屈のポーズでは頭を足に近づけて」 とカーター。散々な一日を過ごしたなら、胎児のような子供のポーズがそんな日もあるという気持ちにしてくれる。「気分が落ち着き、自分の時間が必要だとパートナーに伝えられる」
口論の真っ最中なら一旦休戦すること (ストレスフルなメールに用いた戦術)。誰が洗い物をするべきかの議論に無駄なエネルギーを使う代わりに、10分置いてから会話を再開しよう。
寝るのが不可能に思える時
眠ることを考えれば考えるほどストレスを感じ、ますます目が冴えてしまうのが現実。
眠れない時は、両手をお腹に当てて仰向けになる。息を吸うとお腹が膨らみ、吐けば凹むことを実感する。呼吸の間には、体が横になっていることを感じる。動きに合わせて、頭の中で “膨らむ、凹む、横になる” と繰り返す。「明日のことを考えたり、まだ起きていることに焦りを感じはじめたら、繰り返す言葉に “リラックス” を加えてみて」 と言うのはウィリアム=キー。「“リラックス” と言う時は、全身の筋肉から力を抜くこと」
眠りに落ちるまで数を数えるのも瞑想に近い行為。呼吸に合わせて10数えてみよう。吸って、1、吐いて、2、吸って、3。フレッチャーいわく、「明日しなければいけないことを考えている自分に気付いたら、1から数え直せばいい」 そう。「10に到達することはなくても、眠ることはできる」
※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
Text:Lauren Del TurcoTransation:Ai Igamoto Photo:Getty Images