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ダイエットの定番になった糖質制限。痩せたという人がいる一方で、挫折したりリバウンドしてしまった……という人も。失敗しない方法を、気鋭のパーソナル管理栄養士でダイエットコンサルタントの三城 円さんに教えてもらった。年末年始の外食で過食になりがちなシーズン、目からウロコの「一週間コントロール法」で楽しみながら乗り切って。

ダイエットが続かない原因は、「一食へのこだわり」

「ダイエットを始めると、一食や一つの食品・栄養素にこだわりすぎて、これを食べちゃいけない、これだけしか食べてはいけないと自分を追い込む人が多い。こんな苦行が続くはずありません」と言うのは、管理栄養士の三城 円さん。

三城さんによると、一般の人と管理栄養士で決定的に違うのは、この一つの栄養素・食品、一食の考え方だそう。

「管理栄養士は、基本的に2週間から一カ月単位で献立をつくります。もちろん、一食や一日ごとの栄養素やエネルギーも考えますが、一カ月を通してトータルでバランスがとれる工夫をしています」

この献立づくりをシンプルにアレンジしたのが、三城さんの勧める“一週間コントロール法”。

「一食入魂(笑)だった思考をいきなり一カ月にするのは、ハードルが高すぎます。まずは一食へのこだわりから自分を解放して、一週間でバランスを取ることに頭と体を慣らしていきましょう」

一食ごとでではなく、一週間の食事を21食で考える

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一週間で摂る食事は、一日3食×7日で21食。この21食全てを制限するのではなく、「基本食」と「自由食」に分け、21食のトータルでエネルギー量と栄養素のバランスをとるのが一週間コントロール法。

「基本食はご飯かパンなどの主食と、3~4品の具が入った具だくさんの汁物、メインのおかずです。量は一日に摂りたいエネルギー量と栄養素を計算して3で割ったものと考えるとイメージしやすいかもしれません。必要なエネルギー量の目安は体重あたり30~40kcal/kg/日。主食のご飯を握りこぶし1つ分、メインのおかずには手のひら1枚分のタンパク質源、そして具だくさんのみそ汁で構成すると、必要な栄養素のバランスが整いやすいです。さらに旬の食材などを使って、味付けや調理法にも飽きない工夫をしましょう。

自由食は制限を設けない食事ですが、ダイエット中ということを忘れずに、ハメを外しすぎないよう注意してくださいね」

大事なのは基本食と自由食の比率。

「目安は基本食15~16に自由食5~6です。一週間に5~6回好きなものが食べられると思うと、できる気がしませんか? 自由食で摂りすぎたエネルギーや栄養素は、基本食で調整。例えば、ある食事で自由食の焼肉を食べすぎてしまったら、翌日の基本食では消化にやさしいご飯とみそ汁でリカバリーします」

一週間コントロール法とは、「献立イメトレ」!

設定が一週間なのは、週単位であれば予定を把握しやすいため。

「一週間であれば、この日は飲み会、この日はフレンチのディナーなど、食のスケジュールもイメージしやすくなります。あらかじめ自由食を振り分けておけるので、リカバリーも計画的に行えます。これなら食べすぎてしまった罪悪感もなく、適度なヌケ感があって食の楽しさも味わえます」

毎週曜日を決めて、その週の予定と食事をイメージ。あとは食事内容を調整すればいいだけ。この習慣が出来ると、厳しい糖質制限もなくおいしく食事が楽しめて、自然と痩せる体が出来上がる。

「だんだん頭と体が慣れてくるので、負担にならず続けられるはずです」

ダイエット必要なのは厳密さではなく、ある程度の適当さを「許容すること」

飲み会やパーティーの多い年末年始は、一週間の予定も狂いがち。自由食の比率も上がってしまうことも。

「一年のうち、そんな週があってもいいんですよ。食は栄養素を摂るためだけのものではありません。談笑しながら食べて楽しむ、好きなものを食べて幸せな気持ちになることは、心の健康のためにも大切です。自分の計画と違う週があったら、翌週で調整すればいいんです」

三城さんによると、真面目な人ほど一食や一つの栄養素に神経質になりすぎて、挫折やリバウンドにつながりやすいそう。

「一週間コントロール法を続けるコツは、厳密になりすぎないこと。ちょっと多めだったら、その分どこかでコントロールすればいいだけ。ある程度の適当さを許容することも必要です」

ダイエットはついストイックになりすぎて挫折してしまう……という人は、ぜひ試してみて。



Photo:Getty ImagesText:Yuko Tanaka

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三城 円
管理栄養士

一般社団法人日本パーソナル管理栄養士協会代表理事、食の相談窓口 San-CuBic代表、一般社団法人日本ジュニア・アスリートサポート協会顧問。自身のダイエット、摂食障害の経験から食に苦しむ人を救うべく、「パーソナル管理栄養士」として独立。ダイエット指導や摂食障害のケア、アスリートのパーソナル食事コンサルティングを行う。分かりやすく、腑に落ちる解説で女性誌やマスコミから注目を集める。