階段を駆け上がるのが辛い? 5つのテストでフィットネスレベルを測定しよう。ベテランのジムユーザーでも最近始めた新人でも、自分の現在のフィットネスレベルは知っておきたいもの。ユタ州立大学によると、半年に一度はフィットネスレベルを調べてもらうべきなんだとか。その方法をUK版「ウィメンズヘルス」からご紹介。
5つのテストであなたのレベルと改善策をチェックしてみよう。
テスト #1:体幹の強さ
なぜ重要?:
「体幹には単に腹筋だけでなく、背中、骨盤底、お尻、横隔膜などが含まれる」 と語るのは、イギリスのバレエジムBarrecoreのインストラクター、チアラ・ペレグリノ。「これらの筋肉を鍛えることはとても大切。体幹に焦点を当てれば、ウエストラインが引き締まるだけでなく、姿勢やバランスが良くなり、腰痛やその他の怪我の防止にもなる」
テスト用エクササイズ:
バランスボールプランク
基準:
15秒:改善の余地あり
30~40秒:平均的
60秒:フィット
60秒以上:スーパーフィット
プロとのテスト:
理学療法スポーツクリニックESPHのディレクターで、イギリスの十種競技チャンピオンの経歴を持つアレクセイ・シャープはこう説明する。「体幹の安定性を自分で計るのは難しい。体幹の安定というものを本当に理解する人の助けが必要。筋電計 (筋肉が発する電気的刺激を測定する) またはバイオフィードバック (空気圧によって腹部深部の筋肉の動きを検知する機械) など、安定性を正確に測る器具を使うのがベスト」。実はとても科学的なのだ。
テスト #2:上半身の強さ
なぜ重要?:
腕や肩にしっかり筋肉が付いていると、ショッピングバッグを運んだり、赤ちゃんを抱っこしたりという日々のタスクが楽になる。「#StrongNotSkinny (ストロング・ノット・スキニー) は、体を強くしたい女性を応援するキャンペーン。見た目よりも健康な暮らしを推進すべき」 とシャープは語る。
テスト用エクササイズ:
三頭筋プランクディップ
基準:
10回まで:改善の余地あり
20回まで:平均的
30回まで:フィット
30回以上:スーパーフィット
プロとのテスト:
ウエイトを徐々に増やしながら出来るだけ多くの回数をこなすウエイトプルダウンマシンでの測定が可能。握力計と呼ばれる器具を力の限り握るテストもある。
テスト #3:柔軟性
なぜ重要?:
柔軟性は日々の活動に不可欠。ペレグリノによると、「パソコンの前に長時間座りすぎて胸筋が凝り、肩と頭が前に出て猫背になっている人や、股関節屈筋が硬くなって腰痛を抱えている人が多い」。アクティブな生活と定期的なストレッチで可動性の喪失を防ぎ、姿勢を良くし、老化プロセスを遅らせることができる。
テスト用エクササイズ:
脚のストレッチ。床に座って両脚を前に伸ばす。息を吸いながら両腕を頭上に上げ、息を吐きながら両手で左脚を持ち、出来るだけ真っ直ぐ伸ばしたまま天井に向けて持ち上げる。右脚は床に水平に寝かせたまま。脚を入れ替えて同様に行う。
基準:
持ち上げた脚が半分曲がる:改善の余地あり
持ち上げた脚がほぼ真っ直ぐ:平均的
持ち上げた脚が真っ直ぐ:スーパーフィット
プロとのテスト:
熟練の理学療法士の指示に従い、曲げたり、回ったり、ねじったりすれば、ふくらはぎ、ハムストリングス、背骨、腰といった特定の部位の柔軟性を計ることができる。
テスト #4:身体組成
なぜ重要?:
ダイエットとなれば体重計の数値を指標とするのが一般的。でも、シャープによれば 「体重は、脂肪に対する筋肉の割合ほど重要じゃない」。つまり、指標にすべきは体脂肪率。
テスト用エクササイズ:
皮脂厚計。あなたも栄養士やパーソナルトレーナーが鉗子のようなものを使うのを見たことがあるのでは?皮脂厚計は、様々な部位の皮膚をつまみ、その下に眠る脂肪量を測定するための器具。一番簡単な方法だけど、測定されるのは皮下脂肪のみ。内臓を取り巻く内臓脂肪は測定されないので、精度が最も低いとされる。
基準 (体脂肪率):
15%以下:低体脂肪 (危険)
15~18%:体脂肪が非常に少ない
19~22%:体脂肪が少ない
23~30%:適度な体脂肪
31~40%:体脂肪が多い
40%以上:過剰な体脂肪 (危険)
プロとのテスト:
生体電気インピーダンス法:体に電流を流し、その流れの速度で脂肪に対する筋肉の割合を評価するもの。家庭用は安く買えるし、ジムにも用意があるかもしれない。でも、フィットネステスト用に開発された高価なタイプが最も正確。ESPHのようなプロフェッショナルな理学療法クリニックで利用できる。
テスト #5:循環器系
なぜ重要?:
最大酸素消費量 (VO2マックス) は、有酸素運動能力の目安となる。VO2マックスは、エクササイズ中の心臓、肺、そして筋肉が効果的に酸素を使っていることを示す数値。つまり、VO2マックスが高ければ高いほど良いことになる。
テスト用エクササイズ:
「心拍数モニターを付けて、エルゴメーターと呼ばれる特別なエアロバイクを漕ぐ6分間のテストをパーソナルトレーナーと行う」 のがシャープのおすすめ。 リズムよく漕いでいるうちに、そのペースが保てなくなるまで負荷が増すというもの。
基準 (VO2マックス):
30.6以下:改善の余地あり
30.6:乏しい
33.8:適度
36.7:フィット
41:スーパーフィット
46.8:並みはずれている
プロとのテスト:
ESPHでは、機械に繋がれたダースベーダーのような音がするマスクを付けながらトレッドミルを歩くことで酸素消費量を測定する『Cosmed Fitmate』と呼ばれる技術を採用している (閉所恐怖症の人にはやや不快かもしれない)。トレッドミルの傾斜と速度が10分間上がり続け、VO2マックスを非常に賢く計算する。測定されるのは準最大値であるため、過度な努力で気を失うこともない。
Text:Agilene De VillaTranslation:Ai Igamoto Photo:Getty Images