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長期的な解決策で、食べ物との関係を修復しよう。

感情的な摂食は、周囲から隠し(文字通り食べ物も隠し)、後々ジムで自分を罰しなければならない恥ずべき行いとして見られることが多い。でも、感情的に食べるのは至って人間的な行い。だって、私たちには食べる必要も感情もあるし、クッキーだけでは機嫌が直らない時もある。それに、プロの栄養士でさえチョコレートのセラピー効果を求める時はあるでしょ。

「栄養士の私ですら、間違いなく感情的に食べたことがある」 と語るのは、公認管理栄養士で『Body Kindness』の著者であるレベッカ・シュリッチフィールド。彼女の感情的な摂食は、常に “ハッピー” でいることを強要され、ネガティブな感情は全て心の奥底に押し込まなければならなかった幼少時代から来るもの。慢性的にダイエットしては、バタースプレーやクッキーにダイエットコーラといったジャンクフードを食べることで、悲しみや怒りといった感情に対処するようになったそう。

でも、感情的に食べるのが正常だからといって、いつもそうするのが良いわけじゃない。しかも、クッキーが役に立つのも数分で、食べ終わっても根本的な問題は解決しない。シュリッチフィールドいわく、食べ物がなければ感情がコントロールできない状態を克服する秘訣は、食に対する欲求を含む体の全てを、優しく受け止めるようになること。

シュリッチフィールドは、「感情的に食べてしまう習慣を断つために、ダイエットを完全に止め、マインドフルネスとヨガを学び、何よりも自分に対する思いやりを持たねばならなかった」 と語る。

本当に空腹だからではなく、感情のせいで食べていると知ることが初めの一歩。でも、感情に対処する方法は、感情に任せて食べてしまう女性の数と同じくらいたくさんある。シュリッチフィールドにとっては、それが “上昇スパイラル” と呼ぶテクニックだった。クッキーやチョコレートを頼る代わりに、感情をビジュアル化して調節するという方法だ。でも、瞑想、セラピー、エクササイズ、さらには儀式的なタッピング(トントンと手で叩く)が必要な女性もいる。みんなは一体どんな方法で、食べ物に対する感情的な反応をコントロールしているんだろう?

マインドフルに食べる

「セラピーに行って、ほぼ毎日ヨガをするようになって、ジェニーン・ロスの文献、数々のエクササイズ、コーチング、日記、瞑想などを取り入れた10週間のマインドフルな食べ方講座に参加した。10代の頃から20年以上にわたって感情に任せて食べてきたけど、2011年にそれがやっと治まり、それ以降は感情的に食べていない。本当に嬉しい」

― エマ・S/カナダのケベック在住

コップ1杯の水を飲んで10分待つ

「かつての私は、悲しい時、怒っている時、退屈な時、さらには幸せな時にも食べていた。マインドレスに食べるのを止めるために、何かを食べようとする自分に必ず“お腹が空いているから食べるの? それとも、ある種の感情があるから食べるの?” と聞くことにした。これで自分が感情で食べていると自覚できたんだけれど、やっぱり欲が治まらなかったので、230ミリリットルの水を飲み、10分待つようにした。それでもお腹が空いているなら、何か小さなものをつまんで食事までの時間をしのぐ。死ぬまで間食してしまわないように、今でも毎日そうしている」

― アマンダ・S/コロラド州デンバー在住

不快な感情に慣れた

「私にとっては、たまには感情的に食べても良い、ということに気付くのが感情的な摂食を断つカギだった。食べたい物を食べるのは、今ある感情と、それが食べたい本当の理由を特定してからに限ると決めた。“疲れているから” とか “ストレスを感じているから” という理由では不十分。根本的な問題が分かるまで、何層も掻き分ける必要があった。例えば、“疲れているのに一日中人のために働いていて、自分には何もしてあげてない。あのクッキーを食べる10分だけが今日の私の楽しみ。あとで気持ち悪くなるだろうけれど” と考えてみる。それでもまだ食べたければ食べる。数カ月の間に不快な感情に慣れ、それと同時にココアクッキーに対する欲求も減った。手を付けなかったお菓子が腐り、捨てなければならなかった時は勝った! と思ったわ」

― マーステ・M/カリフォルニア州マリエータ在住

感情の自由というテクニックを使う

「感情的に食べるのを止めるために、EFTプログラムまたは感情の自由と呼ばれるテクニックを使っている。指を使い、体の特定の部位を特定のパターンで軽く叩く。超自然現象みたいに聞こえるかもしれないけれど、本当に効果的! 自分の体が発するシグナルと波長が合うようになった」

― アリッサ・Z/カリフォルニア州ロサンゼルス在住

認知行動療法に通っている

「当時の私は、認知行動療法を専門とするセラピストと一緒に、不安神経症と鬱病の治療に取り組んでいた。そのプロセスの中で、自分が食べ物とうまく付き合えていないことを発見。継続的な認知行動療法が、感情的に食べてしまうという自分の問題を明らかにし、それを乗り越えるツールになった」

ークリス・K/ミネソタ州メープルウッド在住

自分を教育した

「エリス・レッシュとエブリン・トリボールの『Intuitive Eating』と、リンダ・ベーコンの『Health At Every Size』が、食事に対する私の考え方を変えた。私たちの食生活とダイエット文化が摂食障害の一因となっている背景を説明してくれる。直感的に食べるためのトレーニングにも素晴らしいガイドブック。例えば、身体的にお腹が空いた時の実際の感覚、私の欲だけでなく私全体を満たしてくれる食べ物の選び方を教えてくれた」

― クリス・K/ミネソタ州メープルウッド在住

アプリを使う

「摂食障害からの回復を目的に作られた『Recovery Record』というアプリがある(摂食障害から回復中じゃなくても使える)。身体的な空腹度合いに対して、何を、どれだけの頻度で、どれだけ食べたかを一覧にできる。カロリー計算やダイエット日記の類は一切含まれておらず、空腹を本当に満足させる食べ方を教えてくれる」

― クリス・K/ミネソタ州メープルウッド在住

栄養士の力を借りる

「食べ物と栄養の基礎を復習するためだけに管理栄養士に会った。ダイエットしたり、感情に任せて食べたり、食事制限をしたりという生活を何年も続けたせいで、本当に必要な栄養素が何なのか分からなくなっていたから。食事やスナックに求めるべき栄養素の新しい明確なイメージが掴めて良かった」

― クリス・K/ミネソタ州メープルウッド在住

自分を愛するようになった

「自分のボディイメージも感情的に食べてしまう理由のひとつだったので、自分の体型とサイズを受け入れる努力をした。ヨガを始めたのは特に役に立ったし、トレーナーとのワークアウトも効果的だった。この二つのおかげで動くことの楽しさに出会い、エクササイズに対する見方が変わった。エクササイズは、エネルギッシュな気分を味わい、楽しい時間を過ごすためにやった時のほうが、食べてしまった物に対する罰としてやる時より何倍も楽しめるんだね」

― クリス・K/ミネソタ州メープルウッド在住

聖書学習プログラム

「“Taste for Truth” という聖書学習プログラムに取り組んでいる。食生活を管理するために聖書の教えを用いるというもの。感情的な摂食を100パーセント克服したとは言わないけれど、本当に役立っている」

― ジュリー・S/テキサス州アレン在住

脳の化学物質について学んだ

「ヘンリー・エモンズの『The Chemistry of Joy』を読んで、食べ物に対する見方が完全に変わった。甘い物は快感中枢を刺激するなど、特定の物を食べた時に起こる化学反応について書かれている。食べ物が欲しくなるのは自制心の欠如でも自分が出来損ないだからでもないと知り、自分の食べ方を変える気になった。感情的に食べてしまうのは、その感情に対する自然な反応。それは確かに理にかなっているけど、その感情に対処する方法は他にもある。例えば、この本からは、欲望が芽生える前に阻止するためにセロトニンが豊富な食材を食生活に取り入れるコツをたくさん学んだ」

― ジェニ・S/ミネソタ州ミネアポリス在住

原因となっている健康状態を改善した

「以前は感情的に食べることが非常に多かったんだけれど、その後、自律神経失調症と診断された。これは神経系に関わる数々の健康問題の総称。自律神経失調症の人には普通の人より多くの塩分が必要になるので、今の私は非常に塩分の高い食事をしている。不安神経症とうつ病が関係して感情的に食べていると思っていたけれど、体が実際に塩分を必要としていたなんて。今では、自分が本当に塩分を求めており、美味しそうな響きの食べ物より塩気のある物に手を伸ばすと自覚している。疾患の発見が、かつては単なる感情的な摂食だと思っていたものに大きな変化をもたらした」

― メーガン・H/カリフォルニア州リッジクレスト在住

引き金となる食べ物を寄せ付けない

「私にとっての感情的に食べないコツは、ただ特定の食べ物を家に置かないこと。私には、感情的になっている時に大食いを引き起こす特定の食べ物があるから、簡単には手に入らないようにするのが一番だと思って」

― ジェイナ・J/ニューヨーク州ブルックリン在住

代わりに紅茶を飲む

「普段はお腹が空かない時間に空腹を感じたら、感情が原因の可能性が高いと分かっているので、食べる代わりに紅茶を入れて飲む。それでもお腹が空いているなら、ヘルシーなスナックを食べてみる。楽しみを奪われているような気分にならないように、あえて時々おやつを食べるようにしている。自分で自分の楽しみを取り上げてしまったら、禁じられた食べ物を大食いするだけだから」

― ヘザー・N/カナダのサスカトゥーン在住

ビールと一緒にプレッツェルをやめた

「私が感情的に食べてしまうのにはアルコールが絡んでいると分かったので、実際に食事の時間でない限り、お酒を飲みながらスナックをつまむのは禁止というルールを作った。そうしないといつも食べ過ぎちゃうから」

― ヘザー・N/カナダのサスカトゥーン在住

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Charlotte Hilton Andersen Translation: Ai Igamoto Photo:Getty Images