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エシカルでもあり、環境にも体にもやさしい「ヴィーガン生活」は魅力的に見えるもの。でも、野菜や豆類だけで体力はつくの? おまけに筋肉をつけるとなると、植物性たんぱく質だけで大丈夫なの? やっぱり筋肉をつけるのにはお肉が必要なの……? そんな疑問に答えつつ、ヴィーガン志向の人にうれしい事実をご紹介。

イギリスは、最近になって動物への愛が増しているよう。2016年には、植物をベースに作られた食品の売り上げが1600%も上昇し、それ以降も変わらず上り調子なのだとか。どうやらアニマルフレンドリーの精神が食卓にも表れるようになったみたい。ヴィーガンであろうと、食事に関して柔軟な「フレキシタリアン」であろうと、お肉抜きの生活で筋肉がつけられるのかは気になるところ。

効率的に筋肉をつけていくために必要な要素といえば、食事からの十分な栄養素と定期的なトレーニング。そして食生活において欠かせないのは、筋肉を作るのにも修復するのにも欠かせないたんぱく質。そこで知りたいのは、動物性か植物性かによって、たんぱく質の効果が果たして変わるのかどうかということ。

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2017年の研究いわく、どうやら身体の筋肉量自体を増やすのには、植物性でも動物性でも効果は同じ。というのも、研究家たちがこの二つを比べてみたところ、たんぱく質の種類と筋肉量には直接的な関連性が見られなかったそう。それよりも重要だったのは、たんぱく質の摂取量。つまりは量さえしっかり摂れていれば、豆腐やレンズ豆、大豆などでも筋肉量は保てる、ということ。

でも、筋肉を大きく見せたい場合は? とある研究では(※現時点での被験者は男性のみ)、ホエイなど動物性のたんぱく質の方がウエイトトレーニングで筋肉をつけるのには効果的だったという結果が出ている。理由としては、動物性たんぱく質の方が筋肉を育てる、たんぱく質の構成単位「ロイシン」を多く含んでいるから。もっと細かく言うと、動物性たんぱく質は8〜11%ほどロイシンを含んでいて、植物性たんぱく質は6〜8%を含んでいる。とは言え、植物性たんぱく質の量を増やすことで(運動後は、2~3グラムがちょうどいいとされている)動物性たんぱく質と同じ効果を得ることも可能性としてはありえる。

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大学生の男子生徒たちを対象とした2013年の研究で、ストレングストレーニング後、米たんぱく質(ロイシン量:3.5グラム)を食べたグループとホエイたんぱく質(ロイシン量:5.5グラム)を摂取したグループの筋肉量を比べたところ、筋肉のつき方にはそこまで違いがなかったそう。現時点では女性を対象とした研究や、長期に及ぶ研究はまだなされていないようだけれど、ロイシンの摂取が鍵を握っているのは、一つ重要な発見。となると、ヴィーガンたちはロイシンをサプリメントで摂取するのもおすすめ。ものによっては、プロテインシェイクやお水に入れて飲めるものもあるのでお手軽。もちろん植物性たんぱく質の量を増やすという手もあるけれど、それでは食べる量が少しかさんでしまうかも。(ロイシンを2.5グラム摂取するためには、レンズ豆が200グラムも必要……!)それよりも、植物性たんぱく質を含むフードを二つ、三つ組み合わせる方が取り組みやすそう。

ちなみに筋肉をつけたい場合のたんぱく質の理想摂取量は、自分の体重x1.2グラム〜2グラムくらい。でも、たんぱく質が必ずしも全てを決めるわけではない、ということも心得ておいて。例えば炭水化物は筋肉の分解を防いでくれ、ハードなワークアウトを乗り越える燃料にもなってくれる。要するにたんぱく質に炭水化物、それからヘルシーな脂も組み合わせられると、より効果が期待できるということ。あとはロイシンがしっかり摂れていれば、きれいな筋肉が実現できるはず。

※この記事は、UK版ウィメンズヘルス2018年4月号から翻訳されました。



Text: Laura Tilt (登録栄養士) Translation: Miku Suzuki Photos: Getty Images