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ダイエットを始めるとき、「大好きな食べものを食べない期間」と決めつける人も多いのでは? ストイックな人ならまだしも、これではなかなかやる気にもなれないし、続けたいとも思えないもの。

「感情任せで食べてしまう」そんな悩みを解決へと導く臨床心理学者リサ・オルバーン医師によると、「体重を減らす上で、思考パターンやダイエットに対する態度もとても重要な要素」だそう。まずは専門家を交えてイギリス版ウィメンズヘルスが紹介する「ありがちなダイエットへの考え方」と「続く考え方」を見比べて、ダイエットを取り組みやすいものに変えてみて。

【ありがちな考え方】体重測定は週1でいいや 【続く考え方】体重は毎日チェックする!

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マンチェスター大学の研究によると、体重を頻繁に測定している人の方が1年を通して体重を多く減らせたそう。

4年間にわたりこの研究をけん引してきたマシュー・スペリン医師いわく、定期的に体重を測定することで、どういった食習慣が自分にとっていい効果をもたらすのかが理解できるようになるそう。1週間、あるいは1カ月に一度の測定では、何が原因で体重が変動しているのか当てるのも難しいと言う。

体重は日ごとで変わるため、できるだけ毎日同じ時間に計るようにしよう。「食事内容やトイレに行く回数、月経周期によって体重は変化します」とリサ医師。

【ありがちな考え方】不健康な食べ物は一切ダメ 【続く考え方】不健康なものに、変に嫌悪感を抱かない

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アリゾナ州立大学の研究者によると、不健康なものを食べるなと忠告されればされるほど、ダイエット中の人はアンヘルシーなものを欲しがる傾向にあるとか。この研究では被験者を3つのグループに分けて、甘いものを与える前にポジティブなメッセージ、ネガティブなメッセージ、そして中立的なメッセージをそれぞれに伝えたそう。結果、甘い物に対してネガティブなメッセージを受けたグループの方が、ポジティブなメッセージや中立的な言葉を告げられたグループに比べて、34%ほど砂糖が入った甘いプリンを手に取っていたという。

研究チームのリーダー、グエン・ファムによると、ダイエット中の人は抵抗反応を示す傾向にある。「『食べちゃダメ』と言われるとヘルシーなものを選ぶと思いきや、アンヘルシーなものがより魅力的に見えてしまうのです」

【ありがちな考え方】ガラッと食生活を変えるべきだ! 【続く考え方】できるところから少しずつ変えてみよう

「はやりのダイエットは今までの食習慣を根元から変えてしまうものが多いため、実は元の食生活に戻ったときにリバウンドしやすいのです。少しずつ食習慣を変えていくほうが、いい習慣も身につきやすくなります」とリサ医師。

マンチェスター大学で健康心理学の教授を務めるケーリー・クーパーもこれには同感。
「極端に変えてしまうより、毎日意識しながら少しずつ変えていった方が習慣化しやすいです。大きなゴールを達成するのはハードルも高いでしょう。簡単にできる小さな変化を毎日こなしていくと、自信にもつながります」

ブリストル大学の栄養心理学者、ピーター・ロジャー教授も同意見を述べている。「ダイエットには小さな変化をコツコツこなしていくのが効果的です。例えばいつも紅茶に角砂糖を二つ入れているのなら、まずは一つに減らしてみる。次はなしにしてみる、と段階を踏んで。食生活における自分の弱みを見いだしながら、少しずつ改善していけばいいのです」

ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの研究によると、新しい習慣とは身につくまで大体2カ月かかるそう。長期で習慣づけていきたいことは、忍耐強く続けることが肝みたい。

【ありがちな考え方】誘惑に負けたらいけない。我慢が勝ち 【続く考え方】たまには息抜きもあり!

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摂取するカロリーを極限まで減らしたからといって、ダイエットが成功するとは限らない。反対を言えばたまに食べ過ぎたとしても、ダイエットが失敗に終わるわけではない。

肥満のマウスを対象としたシドニー大学の研究では、同じカロリーの餌をずっと与えられていたマウスよりも、5-6日ほど同じカロリーの餌を与えられた後に3日間ほど思うがままに食べることができたマウスの方が、体重を落としたそう。

「食べ過ぎるとダイエットが台無しになると思い込んでいる人も多いですが、研究結果を見ての通り、たまに息抜きをすることで体重を減らせる可能性があることが分かりました」と研究チームのリーダーであるアマンダ・サリス准教授は説明している。

「たとえ食べ過ぎたと感じても、後々いい結果として表れることもあるので、あまり落ち込まないようにしましょう。食べてしまったものはしょうがないので、今一度気を引き締めて再スタートを切ればいいのです」

リサ医師によると、これは柔軟性を持ってダイエットに挑むべきという点にひもづくそう。
「『妥協は許されない』という考えは長期的に見ると、失敗に終わる恐れがあります。それよりも現実的な目標を立てていくことが大切です。うまくいかないときもあるだろうと見据えて、ダイエットに反する行動をとったときは『こんな日もある』と受けて止めてあげましょう」

※ この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Text: Maria Lally Translation: Yukie Kawabata Photo: Getty Images