突然、パートナーの気持ちがあなたから離れていった気がしている？
その気持ちはすごくわかるけれど、パニックに陥る前に、男性も女性もパートナーから距離を取りたくなる理由はいくつかあり、必ずしもそれがすべてネガティブなものではないということを知っておこう。イライラやモヤモヤが募るこの状況のなかで、あなたにできることはたくさんあるから。
でもその前に、最低限心得ておきたいことがある。私たち全員が、自分自身のことをケアし、自分らしさを維持して、恋愛以外の人生を楽しむ必要がある。例えばそれは、パートナーを連れずに家族に会いに行くことだったり、女友達だけで土曜日の夜を過ごすことかもしれない。パートナーと健全な絆を育んでいくためには、離れて過ごす時間も必要だから（そうでなければ、不健全な共依存の関係に陥るリスクさえある）。
そうは言っても、あなたではなく、パートナーがあなたから距離をとり始めたときは、まるで人生が終わったかのように感じられ、そこから悪循環に突入する。どうして？ と心配でたまらなくなったあなたが相手に近づこうとすればするほど、パートナーとの距離がどんどん大きくなる。この繰り返し。心当たりはある？ 普段と違う行動をとられると、不安になるのは当然のこと。例えば、あなたとソファーで過ごす代わりに、突然職場で過ごす時間が増えるとか。いつもは他愛のない会話も弾むのに、突然返信に（短文でも）時間がかかるようになったり、毎朝「おはよう」とメッセージを送ってくれていたのに、突然半日経っても連絡がない、あるいはスルーされるようになったとか。
でも、これだけは知っておこう。彼らは、必ずしもあなたとの関係を終わらせようとしていたり、あなたに隠していることがあるわけではないと話すのは、フィラデルフィア在住の臨床心理士、アン・ローゼン・スペクター博士。
少し考えるスペースが必要なだけかもしれない……。アメリカ版ウィメンズヘルスから詳しく見ていこう。
距離を置かれ始めたとき、相手は具体的になにを考えているの？
人生のほとんどのことがそうであるように、単刀直入に答えられるほど単純なことではない。
スペンサー博士が言うには、仕事が忙しくなると距離を置くことがある。優先順位をうまくやりくりするのが苦手なのかもしれないし、仕事のほうがより緊急性の高い要求に感じやすいため（解雇されるかもしれないし…...）、より多くの時間とエネルギーを職場で費やしているのかもしれない。
もしくは、今後の2人の関係について考えるために、少し距離を置いているのかも。
「必ずしも別れたいというわけではないのです」
交際期間が浅い、もしくはリバウンド交際（失恋の傷を紛らわすために次の恋愛に飛びつくこと）の場合はとくに、2人の関係が進行するスピードが早かったのであれば（定期的にお互いの家に泊まったり日中連絡しているなど）、一度一歩引いて、この関係を進めていく価値があるかを見極める時間を持つことは理に適っている。
「必ずしも別れたいというわけではないのです」とスペクター博士は断言する。この関係にコミットする準備が本当にできているかを判断するには、ほんのひと休みが必要なだけ。
あなたのほうがこの関係に多くの感情やエネルギーを注いでいたり、相手のことをまだ深く知る前から2人の未来を考えているようなら、それが相手にとっては不安や負担要素になっていることもある（自分自身に興味がない人なのか、パートナーを持つことが目的で、相手は誰でもいいのか、などと感じさせることもある）。あるいは、最近次のステップに進む転換期に入ったばかりであれば（お互いの両親と顔合わせをしたり、同棲を始めるなど）、そのための心の準備が本当にできているのか確信が持てていない場合もある。
心が痛むかもしれないが、信頼してほしい。このような時間は、関係の早い段階で取ってもらったほうがいい。あなたと一緒にいたいと100%確信できない人に、あなたと付き合う資格なんてないから（これだけはいつも忘れないように）。交際期間が長くても、距離を置きたくなることはある。
一部の人にとっては、「距離を置くことで対立に対処しようとします」とスペクター博士。喧嘩をしたあとは、お互いに冷静になれるまで距離を取ろうとするかもしれない。もちろん、 “嵐が過ぎ去る”のを待つことは、問題に対処する理想的な手段ではないが、ときに私たちは、新しい視点を得るためにスペースを必要とする。相手から距離を取ることで、お互いの意見の相違から立ち直り、新たな理解力や自己認識を得てお互いの元に戻ってこれたなら、それは素晴らしいこと。
問題に真正面から向き合うことを避けるための手段として、あるいはさらに悪いことに、あなたとの関係の不安定な部分を見て見ぬふりをするための手段として距離を取るなら、お互いがぶつかったときの健全な対処法について話し合う必要がある。
スペクター博士いわく、男性も女性も等しくパートナーから距離を置こうとする。親密さは潮の満ち引きのようなもので、パートナーは性別に関係なく、絶えず引き合ったり離れたりするもの。
さらにパートナーが離れていってしまう原因とは？
ずっと側にいてほしいと思う反面、あなたが相手を引き止めたり、もっと距離を縮めようとすればするほど、相手を遠ざけることになりかねない。まずは、ここであなたがすべきでないことについて理解していこう。
圧をかける／罪悪感を抱かせる
「相手にスペースを与えてあげましょう」とスペクター博士。
パートナーが2人の関係をどう感じているか、優先順位のバランスをとるにはどうしたらいいのか、喧嘩した後で冷静になろうとしている最中に、ひっきりなしに質問したり電話やテキストメッセージを送って相手を追い詰めてしまえば、相手のストレスを増大させ、ますますあなたと話をしたくなくなる可能性が高くなる。
覚えておいてほしいのは、あなたがパートナーと一緒にいたいと望む気持ちと同じくらいに、相手もあなたと一緒にいたいと望むなら、離れて過ごしたあとに決断してあなたの元に戻ってくる。
一緒にいることを強いられていると感じるような関係性は決して健全なものではなく、あなたと一緒にいたいという気持ちに確信を持てない人を、あなたも求めるべきではない（自己愛を思い出して）。
ただ待つ
「今の恋愛をする前も、あなたにはあなたの人生があったはずです」とスペクター博士。
友達に連絡して飲みに行ったり、ヨガ教室に行ってみるといい。パートナーが時間と距離を必要としているからといって、あなたの人生が急停止するわけではないし、パートナーが決断を下すまでただ待っている必要もない。あなたはあなたのままでいること。パートナーの気持ちが定まり、その時点であなたもその関係を望む気持ちに変わりなければ、適切なステップを踏んで、再び軌道に乗ることに集中するといい。それが難しい場合は、このことを心に留めておこう。
相手にとって、あなたが困難に直面していようと、自分の人生を楽しく生きている姿を見せられるほど魅力的なことはない。これは、生涯にわたり信頼できるチームメイトとしての真の可能性を証明できるものでもある。
パートナーに距離を置かれたとき、私はなにをすべき？
パートナーのニーズを尊重しつつも、明確にするためにできることがある。
聞く
パートナーに聞く分にはなんの害もなく、突然関係性が変わって不安になるのは当然のことだとスペクター博士は話す。
以前は週に4回以上会っていたのに、突然1回に減ってしまった場合は、素直に聞いてみること。「大丈夫？ なにかあったの？ 最近距離を置こうとしていることに気づいているよ」これは、はっきりとした答えが返ってくると保証できるものではないが、もしあなたが聞けば、少し進展が早すぎて戸惑いがあったり、この関係性を進めていくべきか確信が持てないことをあなたに伝えてくるかもしれない。
その場合は、あなたの気持ちがはっきりしたら、2人で話し合おうと伝えること。そしてそれまでは、相手が必要とする距離と時間を与えてあげること。
大丈夫、変わりないよ、などとはぐらかしてくる場合は、無理にどうにかしようと思わないで。あなたに時間があるときに会おうと伝え、それでも相手からなにもアクションがないとき、もしくはあなたの許容期間内に会いに来てくれなかったら、好きでいるに値する人なのか、コミットするに値する人なのかをあなたも再検討するべき。
相手ではなく、自分自身のことを考えて。
和解するためのコミュニケーションをとる
相手が距離を置く理由を知らされていたとしても、パートナーがいない人生は、気分よく感じられないかもしれない。
お互いに話し合う準備が整ったら、離れていた期間に感じていた自分の気持ちを相手に伝えよう。相手に罪悪感を抱かせるためではなく、1人の時間が必要になったときに、相手を悲しませることなくそれを伝えるもっといい方法をお互いに見つけられるようになる。
そこから、パートナーが距離を取りたくなった原因となる問題についてしっかり話し合うように。話し合いを進めていくなかで、お互いに同じ感情や考えを持っていないことに気づいたり、あなたが望む関係性を得られないこと、この関係に今までと同じくらいの時間やエネルギーを注ぎたくないと感じてくる場合もあるかもしれない（これらを理解することは、早いに越したことがない）。
この時点で、今後どうするかについて決めること。関係を続けていくなら、問題が起きたときはお互いにすぐに話し合う意向があるか、仕事が忙しい平日にも一緒に過ごす時間をとる努力をしていきたいかどうかも話し合っておこう。ただし、あまりにも妥協点が多すぎると、どちらか、もしくはお互いがその関係に不満を抱きやすくなり、破局につながる可能性もある。
これらの妥協が、末長く幸せな関係を築くために自らが進んで努力できるものかをまずは確認すること。そうでないなら、次のヒントはあなたのためのもの。
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2人の関係から、あなたが望むものは得られないかもしれないが、お互いがこの関係を吟味し、自分が抱く期待や望みと一致しない関係である事実を受け入れることができる。
「距離」とは、お互いがお互いにとって相応しい相手であるかどうかを教えてくれるもの。そうでないことに気づいたなら、自分自身のために、永遠に離れるとき。あなたならできる、大丈夫！
※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
Text: ARYELLE SICLAIT Translation : Yukie Kawabata
