ワークアウト後の水分不足で頭がガンガンしたり、パソコンのブルーライトを長時間眺めすぎてズキズキしたり、なんだかずっと頭が痛い。その原因はちょっとした生活習慣にあるのかも。今回は、アメリカ版ウィメンズヘルスから頭痛の原因と対処法をご紹介。
朝から頭痛で目が覚めるなら、以下の原因に当てはまるものがないか考えてみよう。
寝不足
体が正常に機能するには、7~8時間の睡眠が必要。睡眠時間が足りないと、「何かがおかしいに違いない」と体が勝手に思い込み、パニックモードに入ってしまう。
ニューイングランド神経学センターのサルバトーレ・ナポリ医学博士によれば、こうなると「“戦うか逃げるか” 反応を引き起こすホルモンが分泌されるため、心拍数、血圧、ストレスレベルが上昇する」。この3つは、どれも頭痛の要因。
ナポリ博士いわく、イブプロフェンやナプロキセンといった市販の鎮痛剤は炎症を抑えるので、痛みが和らぐこともある。
それでもフラフラしている場合は20~30分の昼寝をとり、体に必要な休息を与えよう(昼寝が長すぎると意識がもうろうとして、頭痛が悪化してしまう)。翌朝の頭痛を防ぐため、夜はいつも通りの時間に寝ること。
寝すぎた
睡眠不足が頭痛を引き起こすなら、もっと寝ればいいわけでしょう?
それがそうとも限らない。ナポリ博士の話では、9時間以上寝ると、脳内ホルモンのセロトニン濃度が低下する。セロトニン濃度が低下すると、脳への血流量が減り、頭痛が生じることもある。
この手の頭痛は、遅くまで寝ていられる週末に起きやすい。夜更かしすると翌朝がダルいのは、このせいでもある。イブプロフェンとナプロキセンで不快感は和らぐけれど、ナポリ博士いわく頭痛を防ぐ最善策は7~8時間で起きること。週末も目覚ましをかけて寝るといい。
エンドルフィンが不安定
ご機嫌ホルモンのエンドルフィンが最も少ないのは早朝。それが原因で片頭痛がする人もいる。
米片頭痛緩和センターのマーク・コールサンディ整骨医学博士によると、エンドルフィンの減少は、セロトニンのような他の神経伝達物質にも影響を与え、脳の血管を細くする。血管が細くなると脳への血流量が減るため、頭がズキズキしてくる。
これで片頭痛がする人としない人がいる理由は、専門家にも分かっていない。でも、コールサンディ博士が言うように、エクササイズをするとエンドルフィンが放出されるので、朝一のワークアウトは痛みの緩和に効果的かも。
飲んでから寝た
飲みすぎた翌朝は頭がガンガンするけれど、泥酔なんかしなくても二日酔いはやって来る。
コールサンディ博士によれば、たった数杯でも体が脱水状態に陥り、脳への血流量が減ることで、頭痛が生じることもある。お酒を飲むと深く眠りにくくなることも、一般的な頭痛の要因。
コールサンディ博士いわく、二日酔いから回復するには水分補給が一番。普通の水でも、電解質入りの飲み物(ゲータレードなど)でもいい。
ビタミンCのタブレットかパウダーを水に溶かして飲むと、肝臓におけるアルコールの処理効率が高くなり、アルコールをスピーディーに体内から排出できるそう。
いびきをかく
チェーンソーのようないびきは、睡眠時無呼吸症候群のサインかも。睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に息が詰まったり、酸素を求めてあえいだり、一時的に息が止まったりする病気。
コールサンディ博士によれば、息苦しくなるのはほんの数秒だけれど、そのせいで脳への酸素供給量が減ることもある。
睡眠時無呼吸症候群が頭痛を引き起こす理由は明らかにされていない。でも、酸素不足によって脳への血管が広がり、頭に流れ込む血量と圧力が増えるため、頭が痛くなるという説もある。
一人で寝ている(いびきに対する文句を言う人がいない)場合は特に、睡眠時無呼吸症候群に気付きにくい。
パートナーが睡眠時無呼吸症候群を疑う場合は、病院で検査を受けよう。正式に診断が下りても、呼吸器をつけて寝れば症状を管理し、頭痛を防ぐことができる(持続陽圧呼吸療法またはCPAPと呼ばれる治療法)
コーヒーを飲むのが遅れた
カフェインは神経系を刺激する軽いドラッグ。普段からコーヒーを飲む人が、いつもの時間にコーヒーを飲まないと(寝坊した場合やカフェインを断とうとしている場合)、朝起きた時に頭がズキズキすることもある。
ナポリ博士によると、カフェイン離脱は脳の血管を拡張させるため、脳への血流量と圧力が増し、頭痛が生じる。
コーヒーを頻繁に飲む人や、毎朝同じ時間にコーヒーを飲む人には、カフェイン離脱による頭痛が起きやすい。その場合は1杯飲むのがベスト。カフェインを完全に絶ちたいのなら、一気にやめるのではなく、1~2週間かけて少しずつカットして。
血圧が高い
コールサンディ博士いわく、高血圧(上140/下90以上)の人の血液は、頭に普通以上の圧力をかけている。その余分な圧力が頭痛の原因。
高血圧には頭痛以外に表立った症状が少ないので、この事実を知らない人は多い(頭痛の原因は他にあると考えることもあるだろう)
説明できない頭痛が頻繁に起きるなら、医師に相談するべき。血圧が高すぎる場合には、ダイエットやエクササイズによる生活習慣の改善が勧められるか、高血圧の薬が処方される。
結論
多くの場合、朝の頭痛は簡単に治るもの。とはいえ、ごく稀に頭痛が脳腫瘍や動脈瘤などの深刻な疾患を示していることもある。ナポリ博士は、週に2回以上(朝であろうと他の時間帯であろうと)の頭痛が3~6ヶ月続く場合は、医師に相談するよう勧める。
頭痛のせいで心身が疲弊したり、日常生活や仕事に支障が出たりしている場合も病院へ。ナポリ博士によれば、脳の状態を調べるためにMRIか脳波検査が行われるはず。眼精疲労が頭痛を引き起こすこともあるので、目の検査が行われることもあるそう。
※この記事は当初、アメリカ版ウィメンズヘルスに掲載されました。
※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
Text: Marygrace Taylor Translation: Ai Igamoto Photo:Getty Images