男性だけでなく、女性にも愛される、唯一無二のグラビアモデルのMayuri 。

既存のグラビアの印象は「男性の性的消費」。でも彼女のグラビアは「自己表現の場」、「フォトグラファーとタッグを組んだ作品」のニュアンスが強いのが魅力だ。

女性の“憧れの自己表現”で、新しいグラビアを確立しているMayuri さんにグラビアに対する想いやSNSの付き合い方について話を聞いた。

妄想って自由。みんなに想像力を

a woman holding a baby
Kaname Sato

Mayuriさんがグラビアを始めたのは18歳のとき。最初は水着が好きで、写真を撮るのも撮られるのも好きだからやってみようという好奇心だったのだとか。でも、徐々に「女性の体ってかわいいからもっと表現したい」、「エロは命につながるエネルギーだから、男女ともにドキドキする気持ちは大切だ」と、グラビアには自分の人生で大切にしたいことが詰まっていると気がつき、意識が変わっていったそうだ。

「私がグラビアが好きな理由は、全部見えてない。ギリギリだからこそセクシーだと思う。全部見れてしまうアダルトビデオは、強い刺激のセクシーさでいいと思うけれど、一瞬で終わってしまいますよね。グラビアは一生妄想できると思っているのです。例えば、自分のグラビアを見た男性がMayuriちゃんとデートしたらどうなるんだろうと考えてくれたり、女性だったら、Mayuriちゃんの体勢ってセクシーでかわいいから、彼の前でやってみたらどんな感じになるのだろうと想像してくれたり。とにかく頭の中って自由でいいから、どんな想像をしたっていいんです。頭の中に自由があるって美しいことだから、人間が想像力を掻き立てるようなことはすごく大事にしたいと思う。私自身、小学生のときに少女漫画が大好きで、友達に話すときにはもう勝手に実写化してしまっていて、『あの映画みた?』と言っていたくらい、想像力が豊かな子供でした(笑)」

1つの意見に縛られないと、生きるのが楽になる

a woman with her hair pulled back
Taito Itateyama

グラビアにマイナスなイメージを持つ人もいるはず。そんななかでも、彼女からは「自分はグラビアをやるのだ」という、逞しいエネルギーを感じる。

「『いろんな見方があっていいよね』ということを大切にしているので、自分がやったグラビアでどんな意見がきても傷つきません。『私はこれをみんなに伝えたい!』と強く思うと、叶わなかったら全部失敗みたいになってしまうし、自分で自分のことを縛ることになると思うのです。私は『なんでもいい人』。自分が心地よく過ごせるかを第一優先に考えています。でも、人それぞれの『優しい・楽しい・ワクワク・ドキドキ』の気持ちは大切にしたい!」

誰しもがSNSで情報発信をするようになった現代。自分の考えを押し付けるのではなく、みんなの頭のなかは自由であるということを忘れないことが、メンタルヘルスにとって欠かせないのかもしれない。

現代人の課題は「承認欲求」

a person lying on a couch

「『他者からもっと認められて、自分を価値ある存在として認めたい』という願望をもった、承認欲求が強い人が増えていますよね。現代人が解決していかなければいけない課題だと思っています。みんなかわいいからもったいない! 私はSNSを見る時間よりも、自分の写真や動画を見ている時間のほうが多いです。他者からの承認はコントロールできないので、SNSを見て、他人と比べている人がいたら、その時間を自分の写真や動画を見て『かわいい!』、『セクシー!』と言ってほしいな」

SNSとの付き合い方もMayuriさんらしい。承認欲求を満たすには、「現在の自分を認め、受け入れること」。多くの人は「もっとこうでなくてはならない」「◯◯がなければ自分に価値はない」といったような思い込みをしてるはず。でも、そのような思い込みを持っていると、承認欲求を満たすことが難しくなってしまう。だからこそ、今、この瞬間の自分を無条件に認めて受け入れる訓練をすることで、自己承認欲求を満たすことができるだろう。

ポイントは、お互いが「気持ちいいか」どうか

a person with the hand on the face

「人が羨ましくなるような投稿やネガティブになるような投稿をしたとしても、心地よいのは投稿した本人だけ。それは違うなと思うんです。見ている人も自分も、ワクワクするようなことだけを投稿したい。だから私は、SNSの文章をあまり長く書かないようにしていて、書きたいことがあるときは『#マユリの頭の中』と、ハッシュタグで、かわいく柔らかく伝えるようにしています。セックスと一緒だと思っていて、男の子だけが気持ちよくても、逆に女の子だけが気持ちよくてもダメですよね。日常生活の出来事を、お互い気持ちいいかどうかを基準に考えています。つらい感情をSNSに載せたとしても、自分の気持ちはすっきりするけど、見た人が悲しくなる想像ができる。そしたら、お互い気持ちよくなっていないから駄目だと判断しています」

そんな彼女が続けて話してくれたのが、今のグラビアについて。

「グラビアをやりたくない子が多いから、私の考える『お互いが気持ちいい』が成立してないと思っています。『女優やタレントになるための通過点』として、嫌だけどグラビアをやっている人が多いのが悔しい。私は毎日『自分』と『グラビア』と『エロ』で頭がいっぱい。人間の3大欲求の1つでもあるし、必要不可欠だと思うのです。だからこそ追求して色んなことを知りたいので、私はグラビアをやり続けたいんです」

私はグラビアをやり続けたい

a person sitting on a couch


「『エロ=良くないもの』という風潮が強くなっている気がします。昔は水着を着た女性がビールを持ったポスターとかたくさんあったけど、今は全然見ませんよね。私は『エロ=生命』だと思っています。だって、私たちはそこから産まれていますよね」

 

エロは命につながる

「性については、オープンに伝えられるのも素晴らしいし、隠すのもエロいですよね。どちらにしても、自分自身が性に対して前向きであることはすてきだと思います。私はエロを追求したら生きるうえで大事なことを見つけられる気がしています。一度、自分の周りがエロで埋め尽くされてるかもと思って、1日過ごしてみてほしいです!!」 

a woman wearing a pink and white garment

今後も、エロから生まれる彼女の世界観に注目し続けたい。

Mayuri
2002年生まれ。愛知県出身。2020年に週刊プレイボーイにてグラビアデビューを果たし、その後はグラビア誌を初め、アパレルブランドのルックやキャンペーンなど、幅広いシーンで活躍中。ジャンルの壁を超え、様々な現場で培ってきた経験を活かしたオリジナリティ溢れる世界観が魅力。その唯一無二な存在に、老若男女問わず多くの支持を集めている。

Headshot of Nana Fukasawa
Nana Fukasawa
ウィメンズヘルス・エディター

2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。