コロンビア大学の産婦人科教授、ヒルダ・ハッチャーソン博士によると、セックスはパートナーとの距離を縮めるだけでなく、心身の健康を向上させる。肌を輝かせ、睡眠の質を改善し、ストレスを減らしたいと思うなら、以下のアドバイスに従おう。今回はこの内容をイギリス版ウィメンズヘルスからご紹介!

1.ストレスが和らぐ

明日の重要な会議に緊張しているなら、今夜はセックスをするべき。西スコットランド大学の研究では、人前で話す試験を受ける前のストレスを感じやすい2週間の間に、最低1回セックスをしていた人は、プレッシャーにうまく対処できることがわかった。

この研究著者であり心理学教授のスチュアート・ブロディ博士の話によると、セックスをしている最中に放出される快感や多幸感をもたらす化学物質「エンドルフィン」と「オキシトシン」は、脳の快楽中枢を活性化するため、不安やうつ病の予防にも効果がある。

<ワンポイントアドバイス>

上述した効果を得るために必ずしも絶頂に達する必要はないけれど、絶頂に達したほうがホルモンによる効果が大きくなるのは確か。ここでおいしいアドバイスをひとつ。セックスプレイにアイスクリームを取り入れて楽しんでみて。ロンドンの精神医学研究所の研究によると、スプーン1杯のアイスクリームは、ギャンブルで勝ったときと同じくらい気分を高揚させることがわかっている。

2.ぐっすり眠れる

オーガズムで眠りにもつきやすくなるなんて、夢みたいな話だよね? でもこれは本当。なぜならオーガズムに達すると、大量に放出されるエンドルフィンが、心と筋肉の両方をリラックスさせ、入眠の準備が整うからだと説明するのは、『Why Women Have Sex』の共著者であるシンディ・メストン医師。

オーガズムを得ると、さらにプロラクチンというホルモンが大量に分泌される。このプロラクチンは、もともと睡眠中に分泌が盛んになるホルモン。セックスの最中に眠ってしまうのなら、それはやり方を間違っているのかも......。

<ワンポイントアドバイス>

覚えておきたいこと。貴重な安眠効果をもたらしてくれるのは、激しいセックスよりも、動きが穏やかなまったりセックス。

彼に(ほんの少量だけ)ワインを注いであげると、アルコールは神経系を鈍らせる働きがあるため、射精までの時間が長くなる。就寝前に炭水化物ベースの軽食をちょこっとだけ食べると、さらに眠気を誘うトリプトファンやセロトニンの濃度が上昇するので、セックスをした後によりぐっすり眠れそう。

3.痛みを和らげる

「今日はごめん。頭が痛くて」という言い訳は、もう通用しない。

メストン医師いわく、オーガズムによって分泌されるホルモンの上昇によって、ぎっくり腰であろうと頭がガンガンしていようと、煩わしい痛みが緩和されるそう。

南イリノイ大学の頭痛クリニックが行ったアンケートによると、片頭痛を患う女性患者の半数が、オーガズムに達した後に痛みが和らいだと報告している。

「オーガズムに達した際に放出されるエンドルフィンは、痛みを効果的に緩和するモルヒネと酷似しています」とメストン医師。これからはアスピリン(頭痛薬)を飲むのはやめておこう。

<ワンポイントアドバイス>

彼にオーラルセックスをしてもらうときは、おへその両側あたりをコンスタントにやさしく圧迫してもらおう。オーガズムに達しやすくなるだけでなく、痛みを素早く止めることができるから。

4.インフルエンザにかかりにくくなる

セックスをしていれば、風邪を引かないようにあらかじめ予防できる。

ペンシルバニア州のウィルクス大学の研究によると、週に1、2回セックスをしている人は、まったくしていない人に比べて、免疫グロブリンA (IgA) という抗体のレベルが30%高いことがわかっている。

これらの抗体は、風邪やインフルエンザに対する最初の防衛ライン。細菌が体内に侵入すると、それらに結合し、破壊するよう免疫系に警告する役目を果たしてくれる。なんて素晴らしい!

<ワンポイントアドバイス>

あなたの彼は、メロンばかり食べていない? ある研究によると、スイカは天然のバイアグラであることが判明。スイカには一食分110g(約一切れ)あたり約150mgのシトルリンアミノ酸が含まれているため、メロンよりもスイカを食べていれば、セックスの時間がより長くなりそう。

5.生殖能力が高まる

奇妙に聞こえるかもしれないけれど、科学者によると、子供を産みたいカップルは、妊活を始める前にいっぱいセックスをしておくべきだという。

アデレード大学の研究によると、妊娠前に男性の精子に体が何度も接触していれば、女性は健康な赤ちゃんを産む可能性が高くなるとか。

そして、免疫システムが“異物”である体液(=精子)を受け入れる準備を整え、不妊や流産のリスクが減少する。

<ワンポイントアドバイス>

イギリスの国民保健サービス(NHS)が自然妊娠を試みるカップル100組を対象に調査した統計によると、1カ月以内に妊娠したカップルは20組、2年以内に妊娠しなかったカップルは、わずか5組だった。

早めにアラームをセットして、朝にセックスをするといい。そうすると、妊娠する確率が上がるとか。ある研究によると、朝は男性のテストステロン値と精液中に含まれる精子数がもっとも高いことがわかっている。

6.生理が軽くなる

「女性がオーガズムに達すると子宮が収縮し、その過程でけいれんの原因となる化合物が体内から排出されます」と、メストン医師。

また、この収縮によって血液や組織をより早く体外に排出できるようになるため、生理がそれほど長引かなくなる。さらには、イェール大学の研究によると、生理中にセックスをすると、子宮外で子宮組織が増殖し、セックスの最中に骨盤の痛みや不快感を引き起こす子宮内膜症のリスクを減らすことができる。

<ワンポイントアドバイス>

生理中にセックスをしたいと思ったら、汚れることは気にしなくて大丈夫。『Ms.Typed:Stop Sabotaging Your Relationships and Find Dating Success』の著者であるミシェル・キャラハン博士によると、暗めの色のタオルを敷いた上に横になり、正常位でセックスをすれば、一時的に出血を最小限に抑えることができる。

7.運動になる

寝室でのセッションは、何をしても大体85〜250kcalを消費できるうえ、心拍数を上げられる。実際のところ心臓病専門医は、よいセックスはトレッドミルの上での運動と同等の効果を得られると考えているらしい。「性交渉中の動きにより、腹筋や背中、お尻、太ももの筋肉が鍛えられます」とハッチャーソン博士。

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<ワンポイントアドバイス>

最大限のカロリーを消費したければ、彼の上にまたがり、騎乗位を試してみるといい。もっと激しく消費したいなら? 背面騎乗位は、大腿四頭筋がかなり鍛えられるのでオススメ!

8.肌がきれいになる

セックスをしていれば、若々しいきれいな肌を手に入れられる。スコットランドの調査によると、週に平均4回セックスをしている女性は、実年齢より10歳ほど若くみられることが判明!

その理由は、肌をふっくらさせるエストロゲンやその他のホルモン濃度を上げるからだとか。シワも目立たなくなるかも。

<ワンポイントアドバイス>

汗をかいてセックスをしたあとは、そのままベッドで眠りに就きたいところだけれど、肌の輝きを維持したいなら、汗をかいたあとの最小限のスキンケアを怠らないで。

9.乳がんのリスクが下がる

ギリシャの研究によると、セックスをすればするほど乳がんのリスクが低くなることがわかった。これは、オーガズムに達したときに急増する快感をもたらすホルモンのオキシトシンとDHEAによる保護作用が関係しているみたい。

<ワンポイントアドバイス>

乳がんのセルフチェックは彼と一緒に。

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※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: CARI WIRA DINEEN Translation : Yukie Kawabata