空いた時間に友達と公園を一周したり、週末に家族とハイキングをしたり、ウォーキングが体によいのは年々明確になる事実。そして、この度、毎日歩けば心身の健康状態がよくなるばかりか、寿命が数年延びるという研究結果が発表された。詳しく見ていこう。

アクティブな人は若くして死亡する確率が20~30%低いことは、これまでの研究から分かっていた。でも、寿命を延ばす上で効果的な運動の“種類”を特定するために行われた研究は、これが初めて。

医学情報誌『Circulation』に掲載された論文によると、研究チームは2011~2015年の4年間にわたり、平均年齢72歳の女性約17,700名をモニタリングした。この論文の筆頭著者で米ハーバード大学のアイミン・リー教授によると、その目的は高齢者のほとんどが無理なくできる軽い運動の効果を調べることにあった。

モニタリングの結果、中~高強度の運動をすると、低強度の運動をしたときに比べて早期死亡の確率が60~70%も低下することが判明。つまり、ウォーキングをするのであれば、きびきびと速足で歩いたほうがいいということになる。とはいえ、より低強度の運動(家事や運動)にもメリットはあり、強度が低いからといって早期死亡の確率が高くなることはなかった。

「20代や30代の若者は、ランニングやバスケットボールといった高強度の運動に問題なく取り組めます」とリー教授。「高齢者には中強度の運動すら難しいかもしれませんが、運動が体によいということだけは反論の余地のない事実です」

イギリスのパブリックヘルス・ガイドラインは、成人に少なくとも週150分の中強度(あるいは75分の高強度)の運動を推奨しており、リー教授いわく今回の研究結果は、そのガイドラインに即している。この研究結果にはイギリス心臓病支援基金も素早い反応を見せ、運動がもたらす他のメリットをあらためて強調した。「運動は体重管理に加えて、血糖値やコレステロール値、メンタルヘルスの改善にも役立ちます」と同基金のスポークスパーソンは語る。「そして、それが見た目や気分の改善につながります」

英がん研究慈善団体『Cancer Research UK』も、この研究結果を受けて運動の重要性を強調した。同団体によると、よりアクティブな生活を送る人が増えれば、イギリスの乳がん症例が年間3,400件ほど減る可能性がある。

※この記事は、『Netdoctor』から翻訳されました。

Text: Jenny Cook Translation: Ai Igamoto