3月8日の国際女性デーを、祝うような気分ではなく、心苦しさや無力感とともに迎えた人も多かったかもしれない。

ロシア軍の侵攻を受けたウクライナでは戦闘が激しさを増し、ヨーロッパでは現在、第2次世界大戦の終結以降最大の「難民危機」が発生している。

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ウクライナでは、国会議員など一部の女性が首都キエフを守るために現地に残っているものの、避難せずに国内にとどまり、ロシア軍と戦っているのは18~60歳の男性たち。

つまり、国境を越えて隣国のルーマニアやポーランド、ハンガリー、スロバキア、モルドバに避難した200万人を超える人の大半は、女性と子どもたちということになる。

女性たちに及ぶ影響は?

外国で惨事が発生したときに効率的に対応するため、イギリスの15の慈善団体が組織する災害緊急委員会(DEC)によると、ウクライナの女性たちを守ることは、まさに急を要する問題となっている。

DECは、住む場所を失った女性や少女たちは、虐待や性的・身体的な暴力を受けるより大きな危険にさらされることになると警告する。

実際に避難してきた女性たちの支援にあたる各国の関係者らによると、有色人種の女性たち(特にアフリカ諸国出身の人たち)が、人種差別的な扱いを受けているとの報告があるという。

国境を越えてきたこれらの女性たちは、凍えるような寒さのなかで何時間も待たされ、避難所に入ることや、トイレを使うことができないことも多いそう。

a woman feeding a baby in warszawa zachodnia station after
SOPA Images//Getty Images

国際協力NGO「ケア・インターナショナル」で人道支援を担当するシニアアドバイザーは、ジェンダーに基づく暴力を防ぐための心理的なサポートと安全なスペースが、「今後さらに重要なものになる」として、次のように述べている。

「生きるために欠かせないものを他人に頼るようになるとき、搾取は現実の脅威になります」

妊娠中の人はどうなる?

国外へ避難した人のなかには、もちろん妊娠中の女性たちもいる。国連の推計によると、今後3カ月の間に出産予定の女性は、およそ8万人。そして、これらの女性たちの多くは、必要な医療が受けられない可能性が高い。

国連人口基金(UNFPA)は、そうした状況下での出産は、命を脅かすものになりかねないと懸念している。

また、戦闘が始まって以降のウクライナではすでに、必要な薬も設備もないなか、防空壕で出産している女性たちがいる。国際NGO「プラン・インターナショナル」の広報担当者によると、妊産婦の死亡の大半は、人道危機のときに起きているという。

女性たちを支援する方法は?

前述のDECが組織する「Ukraine Appeal」のほか、私たちが寄付を通じてサポートできる主な団体は、以下のとおり。

Ukraine Crisis Fund

UN Women(国連女性機関)

Global Empowerment Mission

BStrong

これはxの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

そのほか、被害を受けている子どもたちのために何かしたいという人は、こうした団体に寄付することもできる。

セーブ・ザ・チルドレン

Voices of Children

また、ウクライナ国内の医療機関には、以下のサイトなどを通じて必要な医療機器を送ることができる。

Support Hospitals in Ukraine

From Women’s Health UK