近年、健康やウェルネス業界では腸の健康がひたすら注目を浴びている。それもそのはず。何せ、毎日を健康で幸せに過ごすために私たちの腸が重要な役割を果たしてくれているわけだから。そこで今回は、猫オーナーさんに大切なお知らせがある。それは、あなたの猫も人間と同じように、腸の健康なくして全身の健康はないということ。

「ここ数年、腸内細菌叢の役割に関する認識が高まっています。腸内細菌叢とは、ヒトや猫のようなペットたちの腸内に棲む微生物(主に細菌)の集合体のことです」と説明するのは、ペットフード販売会社『ピュリナ』専属の獣医、リビー・シェリダン医師。「これらは、猫の新陳代謝における主要な役割を果たしており、病原体(有害な細菌など)から体を守り、免疫系を強化するのに大きく寄与しています。ちなみに、免疫細胞の全体の80%は腸にあるんです」

次に自分のためにケフィアやキムチを購入するときは、あなたの大切な家族である猫の腸内環境のことも考えて、以下の4つのことに気を留めるようにしてみて!

1.  猫の食事を配慮する

cat eating from bowl on floor indoors
kaorinne//Getty Images

猫は肉食動物なので、ミートベースの食材からしか摂れない必須栄養素がある。ペットたちが必要とする栄養素を確実に摂取して、健康を長く維持していくためには、猫のために作られた「完全食(総合栄養食)」を与えるようにリビー医師は推奨している。「完全食とはFEDIAF(欧州ペットフード工業連合会)のガイドラインに基づいて開発されており、ペットが必要とするすべての栄養素を提供できるものです。完全食はバランスがとれており、さまざまなライフステージにおける猫の健康維持をサポートすることができます」とリビー医師。

完全食を選んであげると、タンパク質の摂取量をカウントしながら与えるというような難しい作業をする手間も省ける。腸の健康を保つために必要な成分や、生命維持に不可欠な機能をサポートする成分がプラスで含まれた完全でバランスのとれたキャットフードはさらによし。

2.  栄養素を重視する

完全食は、猫が毎日必要とする栄養素をバランスよく摂取できるように作られてはいるが、腸の健康をサポートする栄養素が加えられたものを選ぶと、猫の腸内環境を改善させることもできるとか。リビー医師は、プロバイオティクスやプレバイオティクスなどの機能性成分が含まれているペットフードを推奨している。

「プロバイオティクスである乳酸菌(善玉菌とされる細菌)は、健康的なバランスのとれた微生物叢を維持するのに効果的です。また、プレバイオティクスとしてチコリを与えることで、腸内の善玉菌の量を増やし、病気を引き起こす原因となりえる悪玉菌を減らしてくれるんです」

3.  タンパク質を十分に与える

多くのタンパク質を必要とする体に進化した猫は、毎日に必要なエネルギーと窒素のほとんどをタンパク質から得ているとのこと。

「大切なのはタンパク質の量だけでなく、質も重要です」とリビー医師。「鶏肉やサーモンのような良質なタンパク質は、体内でより消化されやすいのでお勧めです。消化がよいということは、タンパク質内に含まれるアミノ酸をエネルギー源として猫たちがしっかり利用できるということです」。これらのアミノ酸には、腸の細胞に栄養を与えるグルタミン、免疫反応に関与する白血球であるリンパ球、そして目や心臓の健康に重要なタウリンなどが含まれている。

4.  体重に気をつける

fat red cat
Maria Fedotova//Getty Images

「猫は、肥満になると病気に罹るリスクが高くなります」とリビー医師。「糖尿病を発症するリスクは4倍にも上がり、同じく膀胱炎など下部尿路疾患のリスクも増加します」。でも大丈夫。猫の健康的な体重を維持するために飼い主にできることはいろいろある。例えば、インタラクティブフィーダー(早食い防止フードボウル)でご飯をあげたり、猫が活発でいられるように木登りタワーを用意してあげるといいかも。

あなたの猫が1日を通してちょっとずつ食べることを好む場合は、1日の始めに適切な量を量っておき、与えすぎることのないように注意しよう(この場合はドライフードを与えるのがオススメ。一日放置しても腐ることはないから)。そうすれば、猫は好きなときに好きな量を食べることができる。体重が増え気味なら、脂肪分やカロリーがカットされているものや肥満用のキャットフードを選ぶようにしてみて。
 
※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: CHLOE LAWRENCE Translation : Yukie Kawabata