魚が好きじゃない人は真剣に導入を考えて。
SNSをにぎわせている鮮やかな青色のスムージーやデザートは、見た目がかわいいだけじゃない。「藻」というスーパーフードを使っているから、健康上のメリットも盛りだくさん。藻は、3万~100万種以上あると言われる水生植物の一種。その中でも特に有名なスピルリナ、クロレラ、ナンノクロロプシス、海藻(コンブやワカメ)は味が良く、ありきたりの飲み物を鮮やかな青色にしてくれるだけでなく、体にも良いことが分かっている。そこで今回は、科学的に実証された藻のメリットとクリエイティブかつ簡単な使い方をご紹介。脂の乗った魚を食べない人はとりわけ、藻を食生活に加えるべき理由もチェックして。藻に隠された健康効果を見ていこう。
まずは、脂の多い魚(サーモンやマグロ)に含まれるオメガ3脂肪酸の驚くべき作用から見ていこう。ちなみに魚は、藻を始めとする水生植物からオメガ3を摂取するのだとか。米国立保健研究所によると、オメガ3は、心臓の健康を促進し、乳がんや大腸がん、認知機能の低下を防ぎ、リウマチ性関節炎の症状を緩和するだけでなく、うつ病のリスクも下げる。魚をめったに食べない人は、クルミやフラックスシードから植物性のオメガ3を補給して。でも公認管理栄養士のイザベル・スミスによると、大半の植物に含まれるオメガ3脂肪酸は、魚に含まれるオメガ3ほどパワフルじゃない。しかも、大半の植物性のオメガ3は15%しか体内に吸収されない。
でも、藻だけは違う。藻のオメガ3は、ナッツやシードのオメガ3と違い、体に吸収されやすい。これまでの研究により、一部の藻(ナンノクロロプシスやスピルリナ)に含まれるオメガ3は、サーモンに含まれるオメガ3と同じバイオアベイラビリティ(生物学的利用能性)を有することも分かっている。だからスミスは藻の大ファン。「ベジタリアンやヴィーガンの人、魚アレルギーの人、オメガ3が不足しがちな人には、藻からオメガ3を摂取するようおすすめしています」
心臓を強くしたいなら、藻を味方につけてみよう。青緑色の藻を1日4.5g口から摂取したところ、6週間で高血圧の人の血圧が下がったという研究結果も存在する。また、ナンノクロロプシスには、コレステロールとトリグリセリド(中性脂肪)を減らし、結果的に心疾患のリスクを下げる抗酸化特性があると言われる。藻は、糖尿病の予防や管理にも効果的。ある実験では、肥満の成人が1日2,000mgのスピルリナを摂取したところ、3カ月でインスリン感受性が改善した。クロレラのサプリメントは、たった4カ月で成人の空腹時血糖値を改善することも分かっている。空腹時血糖値が高いのは、糖尿病予備軍や糖尿病を示すサイン。
スピルリナは、抗炎症性の免疫調節物質として働く成分を含んでいるため、季節性アレルギーの症状を軽減すると言われている。クロレラを8週間摂取したところ、健康な成人の免疫機能が活発化したことを示す研究結果もある。
藻にはミネラルだけでなく、ビタミンB群もたっぷり。ビタミンB群は、食べ物をエネルギーに変え、1日を軽快に乗り切るための燃料を作る上で重要な役割を果たす栄養素。
藻を使うべき理由は他にもある。スピルリナ、クロレラ、ナンノクロロプシスは、食生活で不足しがちな鉄、マグネシウム、亜鉛、カリウムなどのミネラルを豊富に含む。その上、藻にはタンパク質もたっぷり。大さじ1杯のスピルリナには、低脂肪ミルク0.5杯分(4g)のタンパク質が含まれている。
藻に興味はあるけれど、使い方が分からない? クロレラとスピルリナは粉末で売られているので、最初は少し戸惑うかも。でも、藻の粉末をおいしく摂取する方法はたくさんあるから大丈夫。ただし、トライするのはかかりつけ医の承諾をもらってから。他のサプリメント同様、藻にも相性が悪い薬はあるのだとか。スミスは普段から次の方法で藻を使っているそう。
スムージーに加える:藻は色が派手な割に風味がマイルド。だから、大半のフルーツや野菜と相性が良い。大さじ1~2杯の藻を他の材料と一緒に混ぜて。
サラダドレッシングに入れる:どんなビネグレットソースも、大さじ1~2杯の藻を加えるだけで、栄養たっぷりの自家製ドレッシングに。
ポップコーンにふりかける:パルメザンチーズの代わりに小さじ1~2杯の藻をかけて。
粉末タイプが好きじゃないなら、カプセルでもいいかどうか、かかりつけ医に聞いてみよう。
※この記事は、アメリカ版『Prevention』から翻訳されました。
Text: Marygrace Taylor Translation: Ai Igamoto
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