• 臨床栄養学専門誌『The American Journal of Clinical Nutrition』に掲載されたメタ分析結果によると、ビタミンKを十分摂れば、早死にの防止につながる。
  • ビタミンKは心臓と骨の健康に絶対不可欠。
  • ケール、ホウレン草、チャード、からし菜、ロメインレタスといった緑色の葉物野菜にはビタミンKがたっぷり。成人女性は1日90mcg、成人男性は1日120mcgのビタミンKを摂取するのが望ましい。

若返りの泉ではないけれど、ビタミンKはかなり優秀。新たな研究により、ビタミンKは早死にを防ぎ、気分を明るくすることが分かった。その内容をランナーズワールドからご紹介。

臨床栄養学専門誌『The American Journal of Clinical Nutrition』によると、54~76歳の被験者計4,000名を対象とした大規模な3本の研究結果をメタ分析したところ、ビタミンKの摂取量が最も低い人の死亡リスクは、適量の人に比べて19%高いことが判明した。

米タフツ大学人間栄養研究センター・ビタミンK担当科学者のカイラ・シア博士によると、これは恐らくビタミンKが血管の健康維持に欠かせないから。

「維管束組織の中には、動脈壁にカルシウムが蓄積するのを防ぐ重要なタンパク質があるのですが、このタンパク質が機能するにはビタミンKが必要です。ビタミンKがないと、このタンパク質の機能が低下して、動脈壁にカルシウムが蓄積しやすくなります」

シア博士いわく冠動脈のカルシウム蓄積はアテローム性動脈硬化症や循環器系疾患に、他の動脈のカルシウム蓄積は早死にに関連している。

このメタ分析ではカバーされなかったけれど、ビタミンKは骨の健康とも関連している(やはりランナーはビタミンKが豊富な食材を摂取するべき)。栄養学専門誌『Nutrition』に掲載された論文レビューによると、カルシウムバランスを改善して骨の石灰化を助けるビタミンKは、骨粗しょう症の高齢者の骨折率を低くする一方で骨密度を高くする。望ましい結果を出すために高用量のビタミンKが使用された研究もあるけれど、研究チームいわくビタミンKは(ビタミンDと一緒に摂取されると特に)低用量でも骨を丈夫にしてくれる。

ビタミンKのサプリメントやビタミンK入りのマルチビタミンで摂取量を増やすことはできるけれど、ほとんどの栄養士は、ビタミンを自然食品から摂取するよう促している。シア博士が言うように、ビタミンKの主な供給源は、ケール、チャード、からし菜、ホウレン草、ロメインレタスをはじめとする緑色の葉物野菜。でも、ブロッコリー、カリフラワー、キャベツ、芽キャベツといったアブラナ科の野菜もおすすめ。米国立衛生研究所によると、成人女性は1日90mcg、成人男性は1日120mcgのビタミンKを摂取するのが望ましい。

ビタミンKの保護作用がこれほどまでに強い理由の1つは、上記の野菜に食物繊維、他のビタミン、抗酸化物質などが含まれており、幅広い健康効果があるから。でも、シア博士が言うように、アメリカ人にはビタミンKが足りていない。

「残念ながら米国では、70歳以上の男性の6割と女性の4割がビタミンK不足です。緑色野菜の摂取量が少ないのでしょう。この状態では、ビタミンK不足が要因の疾患にかかりやすくなってしまいます」

つまり? 年齢にかかわらず、野菜(特に濃緑色野菜)の摂取量を増やすことが大切。そうすれば、骨や心臓などの身体機能が元気になるし、寿命が長くなることも考えられる。

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※この記事は、ランナーズワールドから翻訳されました。

Text: Elizabeth Millard Translation: Ai Igamoto