以前から、母親になるまでの道のりが複雑だったことをほのめかす発言をしていた女優のアン・ハサウェイ(41歳)が『Vanity Fair』誌の特集記事の中で流産の経験を打ち明けた。オーストラリア版ウィメンズヘルスから詳しく見ていこう。

新作映画『アイデア・オブ・ユー ~大人の愛が叶うまで~』で主演女優を務めたアンは、2019年にフェイスブックで第2子の妊娠をファンに報告。そのときのキャプションには「これは役作りのためじゃない......冗談はさておき、地獄のような不妊症と闘っている皆さん、私の2度の妊娠は、どちらも一筋縄ではいきませんでした。たくさんの愛を送ります」とあった。

『Vanity Fair』誌に対しては妊娠に至るまでの道のりが「苦痛」だったことも明かし、再び妊娠したからといって「幸せ一色の投稿をするのは不誠実な感じがする。妊娠に対する気持ちは、人によって微妙に異なることを知っているから」と語っている。

2015年、アンはひとり芝居のオフ・ブロードウェイショー『Grounded』の公演中に流産を経験した。「最初の妊娠は上手くいかなかった」。しかも、「そのときの私は、毎晩舞台の上で出産しなければならない役を演じていた」

アンは公演後の楽屋で友人たちに流産したことを告げた。「すべてが順調なフリをしてステージに立ち続けるのは辛すぎたから、正直に打ち明けるしかなかった」と当時を振り返る。「流産のあとは自分の心を広く持ち、人の幸せを喜ばなければならなかった。そんな経験があったから、無事に出産したときは世の女性たちに伝えたかった。『いつも寛大である必要はない。私もそうだったから、あなたの気持ちはよく分かる』と」

流産になったのは自分のせいではないかと疑ったこともある。「欲しくて仕方なかったものを失って、その責任が自分にあるのではないかと思うのは本当に辛い」

その後、アンは自分の友人の多くが流産を経験していることを知って驚いた。「この情報はどこにあるの?と思った。どこにもないから、流産をした女性は不必要に孤独を感じる。それが心の傷になる。だから私は自分の経験を話すことにした」とアンは続ける。「それから3年もの間、とある女性が毎日のように涙を浮かべて私のもとを訪ねてきた。ずっと1人で抱えていた苦しみを分かち合える人が現れたから。私はただ抱き締めるだけだった。この出来事には胸が痛んだし、衝撃を受けたけれど、私に希望も与えてくれた」

この女性のおかげでアンは、自分の経験をオープンにすることに対する抵抗を感じなくなったそう。そもそも「統計的に、ごく普通と思われることを恥じるつもりは一切なかった」

夫のアダム・シュルマンとの間に2人の息子(8歳のジョンくんと4歳のジャックくん)を持つアナは、母親になったことで自分が柔らかくなったと感じている。

「若い頃は、自分に厳しくすることが自分を成長させる方法だと思っていた。でも、その方法には限界がある。成長意欲を持ちつつも自分を大切にするということがどういうことかを学び直さなければならなかった」

※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Korin Miller Translation: Ai Igamoto

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Korin Miller
Korin Miller is a freelance writer specializing in general wellness, sexual health and relationships, and lifestyle trends, with work appearing in Men’s Health, Women’s Health, Self, Glamour, and more. She has a master’s degree from American University, lives by the beach, and hopes to own a teacup pig and taco truck one day.
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伊賀本 藍
翻訳者

ウィメンズヘルス立ち上げ直後から翻訳者として活動。スキューバダイビングインストラクターの資格を持ち、「旅は人生」をモットーに今日も世界を飛び回る。最近は折りたたみ式ヨガマットが手放せない。現在アラビア語を勉強中。