縄跳びは子供だけのものじゃない。ウォームアップにも本格的なワークアウトにも使える縄跳びは、手持ちのツールに加えるべき効果的かつ持ち運び便利なアイテム。縄跳びによる有酸素運動のメリットは実に多い。コーディネーションが改善されて、代謝が良くなり、これでもかと言うくらい汗が流せる。詳しい方法を見ていこう。
「縄跳びは、ランナーのウォームアップにもクロストレーニングにもピッタリです」と話すのは、米サンフランシスコ州立大学運動学准教授のジェイムズ・バグリー博士。「縄跳びをすると、ケイデンス(1分あたりの歩数)によって、代謝率が安静時の10~12倍高くなります。1時間10kmのペースでジョギングをするようなものですよ」
時間がないとき、寒い季節、雨の日や夜間には理想的。「ちょっとしたスペースと縄跳びさえあればいいわけですから、天気が悪い日には便利ですよね」とバグリー博士。
ランニングと同様、強度が自在に操れるのも縄跳びの魅力。プロボクサーで『EverydayFights』専属トレーナーのアーノルド・ゴンザレスは、「高速で跳べばランニングと同じくらいハードですが、ゆっくり跳べばウォームアップになりますよ」と説明する。実際にボクサーの多くは、軽いウォームアップとハードな有酸素フィニッシャー(下の動画参照)の両方に縄跳びを使う。
ゴンザレスによると、続けて跳べば、ふくらはぎ、ハムストリングス、臀筋も鍛えられる。どれも速く走るのに必要な筋肉。
こんなに楽しくてメリットの多い縄跳びを雨の日にしか使わないのはもったいない! ゴンザレス考案の縄跳びワークアウトで、スプリントに負けないくらい心拍数を上げてみよう。
ランニングと同じく、縄跳びでもフォームが重要。「足を後ろに蹴るのではなく真上に跳ぶのがポイントです。足を地面に軽くつくと、リズム良く跳べますよ」とゴンザレス。衝撃が高いので、関節に問題がある人は芝生のように柔らかい地面を探し、縄跳びが自分にとって安全なワークアウトであることを確認してから始めよう。
ワークアウト1:初心者向け縄跳びエクササイズ
「これは、縄跳びを使った初心者向け全身ワークアウトです」とゴンザレス。「フットワークは基本的なものですが、有酸素機能、脚、腕、体幹はしっかりと鍛えられます」
● 縄跳び:3分
● プッシュアップ:30秒
● 縄跳び:3分
● マウンテンクライマー:30秒
● 縄跳び:3分
● スプリンターシットアップ:30秒
セット数:1
プッシュアップ
マウンテンクライマー
スプリンターシットアップ
ワークアウト2:片脚による縄跳びエクササイズ
片脚によるエクササイズでバランスを鍛えながら、ハイニーで心拍数を上げるワークアウト。始める前に5~10分のウォームアップを。
● 縄跳び:3分
● エアスクワット:10回+プッシュアップ:10回+シットアップ:10回
● ハイニー縄跳び:30秒
● プライオスクワット:10回
● ハイニー縄跳び:30秒
● プッシュアップ:10回
● ハイニー縄跳び:30秒
● バーピー:10回
● 縄跳び(左脚だけ):30秒
● 縄跳び(右脚だけ):30秒
● 縄跳び(両脚):1分
セット数:3回
エアースクワット
プライオスクワット
プッシュアップ
バーピー
ワークアウト3:上級者向け縄跳びワークアウト
デザインはシンプルでも、エクササイズはタフ。「二重跳びとバーピーで心拍数が本格的に上がります」とゴンザレス。始める前に3分間の縄跳びでウォームアップを。
● 二重跳び:30秒
● バーピー:30秒
● 休憩:30秒
セット数:10回
バーピー
Text: Keira Carter Translation: Ai Igamoto