走る前は、ボリュームが多い食事をとるのは避けて、200〜300kcal程度の軽めの食事を摂ろう。これは、ランニング歴が長くなるほど、必ずどこかで耳にするアドバイスの一つ。ランニング前の食事の適量を知っておくのはもちろんのこと、食後からランニングまでに空けるべき時間を理解しておくことは、ランナーにとって非常に重要なこと。個人差はあるけれど、食後の適切なランニングのタイミングと、必要な食事内容に関する一般的なガイドラインを参考にしてみて。今回はこの内容を『RUNNER’S WORLD』からご紹介。

“ボリュームが多い食事”とは、タンパク質、炭水化物、脂質がある程度含まれている600kcal以上の食事を指し、典型的な昼食や、多めの朝食をイメージするとわかりやすい。このような食事をした後のランニングはしばらく控えて。食べたものがちゃんと消化されるためには、食事から3〜4時間ほど空けてランニングを始めるのがベストなんだとか。

なぜなら、消化には大量のエネルギーが使われるから。体は、血流を胃や内臓に向かわせて、消化を促している。おなかいっぱいに食べると眠たくなってしまうのはこのためでもあるみたい。要するに、内臓に血流が集中するということは、脚や腕などのランニングで使う主要な筋肉群への血流が減少するということ。一方で運動をするときは、これと逆のことが起こる。内臓から主要な筋肉群に血流が集まり、筋肉の収縮に必要なエネルギーを供給している。

胃の中にたくさんの食べ物が入っている状態では、走るのが困難になるうえ、不快感を伴うこともある。なぜなら、そもそも体は、消化と運動を同時に行えないから。満腹な状態で走ると、胃けいれんや腹痛、胃腸障害を訴える人が多く、胃の不調をもたらす結果に陥りやすい。

早朝や仕事のあとにランニングをするときは、脂質やタンパク質がほぼ含まれていないもので、単純炭水化物で作られたスナック(バナナやイングリッシュマフィンとジャムなど)を食べるのがおすすめ。単純炭水化物は消化されやすいので、食事から1時間ほど空ければ、消化不良を引き起こすことなくランニングができる。

軽い食事かスナックをやや多めに食べるとき(200〜300kcalほど。例:ミディアムサイズの桃をトッピングしたプレーンのグリークヨーグルト約170グラムなど)に、消化のために体に与える時間は1〜2時間ほどで十分。脂質やタンパク質がより多めの食事(カップのヨーグルトや、ピーナッツバターを塗ったトースト1枚など)をするときは、これ以上の間隔を空けること。

60分未満を軽く走る程度のランニングであれば、エネルギーを多く補給する必要はないので、何も食べずに走るアスリートもいるという。一方で、持久力が必要な運動選手は、走っている最中にも飲食ができる体に鍛えているとか。ハーフマラソンの距離でさえ、ランナーたちは、レースの最中にエネルギーを補給しなければならない。食べながら走る訓練を実践してみると、自分が走る直前に食べられる限度量がわかるようになる。

ボリュームが多い食事をした後は、食事から3〜4時間ほど空けてランニングをしたほうが、トレーニングの効果を最大に引き出すことができる。インターバルトレーニングなど高強度のワークアウトも一緒に行う人は特に当てはまる。軽めのスナックであれば、消化のために1〜2時間ほど時間を空けてからランニングを始めよう。

※この記事は、『RUNNER’S WORLD』から翻訳されました。

Text: SUSAN PAUL and RUNNER'S WORLD EDITORS Translation : Yukie Kawabata

これはpollの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。