ランニングに正しいペースってあるの? 軽いジョギングレベル、友人と話す余裕がないほどの速さ、無理はなく長時間走れるペースなど......。専門家の意見を参考に、今の自分に合ったランニングのペースを選んでみよう!

軽いランニング

走るといっても、いつも必死に走ればいいというわけじゃない。むしろ、たまには自分にとって“遅い”ペースで走ってみよう(何を“遅い”とするかは人それぞれ!)。ランニングを始めたばかりの人やケガから回復したばかりの人は軽いランニングから入るべき。余裕で会話ができるくらいのペースでも心肺機能と筋肉が鍛えられ、ランナーの有酸素能力のベースになる。ピラミッドで言えば一番下の厚い層。それ以外のスキルは一番上に乗っているとがった部分で、あとからでも養える。

ある程度の距離に慣れたら、トレーニングの一環としてインターバルランニングやテンポランを始めても大丈夫。ざっくりではあるけれど、セッションの構成としては低強度の軽いランニング8割+ハードなランニング2割でOK。ペースを落としたランニングもトレーニング全体を見れば有益。軽いランニングでは、ペースが遅すぎるということもない。

インターバルランニング

軽いランニングは実際ラクに感じるべき。それと同じで、ハードなランニングは実際にきつくないと意味がない。でも、自分の頑張り度合いを測るのは難しい。ランニングを始めたばかりの頃は自分の能力がまだ把握できていないので特にそう。

長さにもよるけれど、インターバルランニングでは話す余裕がまったくない状態を目指してほしい。いつもより高い強度で短い猛ダッシュを繰り返すことになるので当然ながら息が切れるし、インターバルの間で体を回復させるための休憩(レスト)も必要。インターバルで走りながらおしゃべりができる場合は、たぶんペースが遅すぎる。少なくとも、あなたにはもっとペースを上げるだけの力があるはず。

テンポラン(閾値走)

ハードなランニングには全力疾走だけでなくテンポランも含まれる。テンポランでは1時間ほど維持できるペース、つまり“無理はしていないけれど、それなりにきつい”ペースが求められる。

でも、所定のペースに固執しすぎるのは逆効果。トレーニングはさまざまな要素の影響を受けるもの。睡眠の質、現在の忙しさ、ストレス、健康状態、外気温、ルートの勾配は、その数例に過ぎない。

現代には心拍数、ケイデンス、血糖値などを測るガジェットがあるけれど、北アイルランドのクィーンズ大学ベルファストは、従来の「トークテスト」より簡単に自分の頑張り度合いを測定する方法を見い出した。

今度テンポランをするときは、10段階中7~8の強度で会話をしながら30秒走ってみよう。それでまだ余裕があるなら、あまり会話ができなくなるまでペースを上げる。たったそれだけ!

※この記事は、イギリス版『Runners World』から翻訳されました。

Text: Rick Pearson and Kate Carter Translation: Ai Igamoto

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Rick Pearson

Rick Pearson is the senior editor at Runner’s World UK. He’s been with the brand since 2017 and loves testing PB-friendly shoes for on and off road. Rick is a sub-three marathoner and occasionally likes to remind people of this on the Runner’s World podcast, which he co-hosts. He once raced a steam train over 14 miles (he won, narrowly) and a horse over a marathon (he lost, comfortably).

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伊賀本 藍
翻訳者

ウィメンズヘルス立ち上げ直後から翻訳者として活動。スキューバダイビングインストラクターの資格を持ち、「旅は人生」をモットーに今日も世界を飛び回る。最近は折りたたみ式ヨガマットが手放せない。現在アラビア語を勉強中。