朝は忙しく、日中は仕事、やっと自分の時間が取れる夜にランニングを日課とする女性も多いはず。私もそんな中の一人だ。でも暗い夜道を走るのって不安だし、走りたいのになんだか足が進まないこともしばしば……。

アディダスが世界9カ国で行った調査によると、女性ランナーの大多数がランニング時の安全に不安を感じていると回答。安全と言われる日本でも、暗い場所に不安を感じる女性は多く、6割以上の女性ランナーが身を守るために何らかの予防策を取ったうえで走っているという結果になった。一方で、「安全」は誰にとっても身近かつ大事な問題でありながら、女性が安全に走るための責任は女性自身にあると考えられがち。男女の間で意識の差があることも分かった。

この結果を通して、ランニングする女性ランナーが抱える「安全」に関する不安や悩みをテーマに、走る女性をサポートするアディダスランが、東京都内でのランニングセッションを開催した。怖くて走りづらいと感じる夜道のコースを、コーチを含む男女3人チームで走った。

夜ランで感じた3つの危険性

アディダス ランニング
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① 人気の少ない道に停車するハイエースとパーカー男

走っていてまず気が付いたのは、石段に腰掛ける2人の男性。しかも黒いパーカーにフードまで被っていて、そのいで立ちの怖さから走るスピードも少し早まった。けれど私を本気で怖がらせたのはその数秒後に視界に入ってきた大きなハイエースの存在だった。中から黒いパーカーの男が顔を覗かせたとき、一人で走っているわけではないのに強い恐怖を感じた。“もし”この人たちに車へ引き込まれたら……。“もし”一人だったら……。女性一人ではどうすることもできないだろう。幸いこれはイベント主催者側の仕込みではあったものの、その恐怖によって考えさせられる部分は多くあった。

② 道に飛び出すゴミネットや凹凸

だんだんとペースを掴んできて楽しくなると、私はいつも走ることに集中してしまい、自分の世界にこもりがちになる。このランナーズハイと言われるものがいい時もあるが悪い方に転ぶ時も夜だとあるようで、集中力がMAXになった時にゴミ収集所のネットに足を引っ掛けて転びそうになった。それに続けて、昼なら気付きそうな路面の大きな凸凹も夜はなかなか見辛く、うっかり足を取られて派手に転ぶところだった。今回はコーチとして一緒に走ってくれた伊藤さんが、事前に教えてくれたこともありその悲劇は免れたけれど、ランナーズハイで溢れ出した幸せセロトニンが一瞬で痛みに変わっていたかもと思うと、今後は足元にも気を抜いちゃいけないと感じた。

③ 服装から起こる思わぬ事故

これは私が全く想像しなかった夜ランの時に着るウエアの話。私は黒い服さえ着なければ夜はなにを着ても大丈夫なものだと思っていた。ナイトランではお気に入りのグレーの羽織を身につけ参加したけれど、信号のない道路で車が止まることなく目の前を通り過ぎた時、なんとなくチョイスした服のミスに気が付いた。コーチの伊藤さんによると、グレーは道路と同じ色になるので避けた方がいい色だそう。グレーは白に近いから目立つのではないかなどと考えていた自分のいい反省点になった。

ナイトランをした他のランナー達の反応は?

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ナイトランの後、他の参加ランナーと話し合いをする機会があり、いくつか自分にはない視点もあったのでここで紹介する。

今回参加していたランナーは男女含めて夜ラン好きの方が多くいた。

楽しく走れる反面で、交通面での危険性も感じたという。人が多い道などでは、人を避けるために少し車道に出ることもあるが、その際に後ろから車が来ていないか気になってしまうという意見もあった。今回のナイトランではそのような場合、自分の走るペースを一度下げ、なるべく歩道を走るよう心掛けることで車道へ出る危険を減らした。

また、一人で走ることが多かった夜ラン好きのランナー達にとって、誰かと一緒に走ることで感じる一体感や安心感、サポート感はとても大きかったという。ケガをしたり倒れた際などの心配事が少なくなるのも、誰かと走ることのメリットだ。

夜ランを安全にする対策

 リフレクターを装着したりスマホのライトをつけて走ろう

    よく夜ランでは明るい服を着ようというけれど、これだって一つの対策! 暗い道や道路の近くは、自分の存在がわかるように持ち物や服を工夫して。

    ② 体のラインが出る服装はなるべく避けよう

    不審者の気を引いてしまうのも、小さなことがきっかけだったりする時もある。自分の身を守るためにも、夜は過度な露出やボディーラインのはっきり出るウエアはなるべく避けるか、なにか上から羽織ろう。

     イヤフォンやヘッドホンは片耳か骨伝導タイプにしよう

      両耳が塞がってしまうと、身の危険が近づいていてもそれに気づけない可能性が高くなる。周りにアンテナを張り巡らせながら走ることで、事前に回避できることは多い。でも、音楽はランニングをするうえで欠かせない存在だから、賢く使おう。暗い夜道は耳で危険を察知することができるから、片耳で曲を聴くか、骨伝導のイヤフォンを試してみては? 骨伝導イヤフォンなら外部の音を遮断せずに曲を楽しむことができる。

      携帯は常備し、すぐ取れるところに入れよう

      夜道を一人で走る際に考える心配事は数知れない。だからこそ、すぐ連絡のとれる携帯は持っておく必要がある。不審者を見つけたり、なんだか体調がすぐれないときも、その状況を知っている誰かがいるというのはとても安心できること。不安な方はランニングアプリにあるトラッキング機能で自分の位置情報を人とシェアしながら走ってみてもいいかも。

      夜風に当たるのも気持ちがいいし、ノーメイクでいられるのも夜ランのいいところ。

      好きな時に好きな場所を楽しく走るためにも、できる工夫や対策はどんどん取り入れていきたい。

      ランニング時に気をつけるべきポイント
      今回のイベントで一緒に走ってくれた、ランニングコーチの伊藤さんに教えてもらった、ランニングのコツをご紹介。
      重心の置き方
      おへその4〜5cm下を「丹田」(たんでん)といい、体の重心位置といわれる。ここを意識する事で姿勢が良くなり、マラソン後半にお尻が落ちてストライドが狭くなる事を防ぐ効果がある。
      手の握り
      小指側を優しく握る事で、前腕内側の筋肉が締まる。
      こうすると自然にワキが閉まり肩周りをリラックスできる。
      腕振りが縦ぶりになり、肩甲骨を意識した腕振りができ、連動して骨盤が回転することでストライド(歩幅)が伸び綺麗なフォームで走ることができる。
      着地
      基本は土踏まずあたりを意識して体の真下(骨盤の真下)に着地できるといい。
      ただ、シューズによって若干着地を変える必要がある。
      かかと着地はブレーキがかかってしまうのと、膝を痛めやすくなる可能性があるので気をつけたい(極端にゆっくり走る場合はこの限りではない)。


      この記事を読んでナイトランに興味を持った方は、4月にある「ADIDAS RUNNERS TOKYO」による「With Women We Run」に是非参加してみて。ランニング中の安全をはじめとした女性ランナーが感じる様々な障壁や悩みにフォーカスしたランニングセッションを実施予定。詳細や参加方法は、adidas Runningアプリ(https://onl.bz/4RNn5sN)内「近日開催予定のイベント」をチェックしよう。


      Headshot of Nanita
      Nanita
      コミュニティリーダー

      ウィメンズヘルスのコミュニティーリーダー。元ボクシングインストラクターの経験を持ち、ダンス・トレーニング・ランニングと様々なワークアウトに取り組み発信している。底抜けの元気さとポジティブエネルギーが強み。日々心と体をHAPPYにするため、まだ見ぬ境地へフルスピードで突進中。