まつ毛ダニ(Demodex folliculorumとDemodex brevisの2種類で、ニキビダニや顔ダニとも呼ばれる)は、人から人にうつり、まつ毛の毛包(まつ毛ダニの産卵場所)付近に住みつく。クラウス医師によると、彼らのエサは、顔の毛穴や目の周りの腺から分泌される粘液と皮脂。
かなりオイリー肌の人や、普段からメイクをしたまま寝ている人には、まつ毛ダニが多い。
クラウス医師の話では、目が炎症を起こしていると、炎症を起こした目からは過剰な粘液が分泌されるため、まつ毛ダニがドッと増えることもある。
まつ毛ダニは目に見える?
肉眼では見えないだけで、あなたのまつ毛に、まつ毛ダニの群れが既に住み着いている可能性は高いとクラウス医学。
一部の病気がまつ毛ダニを惹きつけることもあるけれど、その場合はまつ毛ダニよりも、その病気のことを心配するべき。例えば、涙目や目の赤み・痒(かゆ)み・乾燥を引き起こすま眼瞼炎(がんけんえん)やアレルギーがあると、目から過剰な粘液が分泌されるので、まつ毛ダニもほぼ確実に増えるはず。
また、ホルモン関係の理由から、まつ毛ダニは男性よりも女性に多いことが考えられる。そして、加齢に伴い皮脂の分泌量が増えるため、まつ毛ダニは若者よりも高齢者に住みつきやすい。
まつ毛ダニを退治するには?
まつ毛ダニを完全に取り除くことは不可能。そもそも、まつ毛ダニが住みつくのは全くもって正常なことなので、心配は一切無用。むしろ問題は、まつ毛ダニを惹きつけているもの(目の炎症と過剰な粘液)にある。クラウス医師も、「まつ毛ダニを心配する必要はありませんが、目の不快感を放置するべきではありません」と指摘する。
クラウス医師いわく眼瞼炎の場合には、温かい湿った布を数分間目に当てるといい。その温度と湿り気のおかげで、カリカリになった目ヤニが拭き取りやすくなるし、まぶたの腫れや炎症を引き起こす細菌が好む粘液の分泌を減らすのにも役立つ。腺からの分泌物が少なければ少ないほど、それをエサとするまつ毛ダニの数も少なくなる。
なかなか引かない目の炎症に悩んでいるなら病院へ。まつ毛ダニ自体は本当に問題じゃないけれど、涙目や目ヤニは深刻な問題を示していることもある。
※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。