ドラマ『ウェンズデー』のウェンズデー・アダムスの影響なのか、ストライキによって社会がアナーキーな空気になっているからなのか、あるいは美容トレンドが成熟して本当の意味でアイコニックになったからなのかはわからないが、グランジメイクが復活を遂げている。

パンクとゴスを掛け合わせたグランジスタイルは、レッドカーペットやランウェイをはじめ、TikTokでも「#grunge(グランジ)」が70億ビューを記録するなど、至る所で見られるようになった。ぼかしたアイラインやダークなリップ、スモーキーアイなどのディテールが特徴だ。

90年代のグランジメイクに挑戦したい人のために、ここでは専門家にグランジメイクのコツを教えてもらった。


グランジスタイルのメイクとは?

もし、90年代に幼すぎてグランジを知らない(もしくはそれを覚えていないほどその時代を楽しんでいた)場合、ここでグランジメイクについておさらいしておこう。

90年代にピークを迎えたグランジメイクは、ぼかしたアイライン、マットな肌、濃いマスカラ、ダークなリップに代表されるメイク。ミルクメイクアップ(Milk Makeup)のアーティストリー・ディレクターであるサラ・レン氏は、「現代の製品のおかげで、このトレンドは以前にも増して再現しやすくなっています」と説明する。

これまでに復活を遂げてきたメイクトレンドと同様に、グランジメイクも少しアップデートされている。その例には、ジジ・ハディッドのグレーリップや、ヴェルサーチェのショーで見られたダークグレーの太いウィングアイシャドウ、ディオールのバックステージで登場したスモーキーなアイラインなどが挙げられる。

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ナーズ(NARS)のグローバル・アーティストリー・ディレクターであるジェーン・リチャードソン氏は、「今シーズンは、グランジスタイルのアイルックやアイライナーが人気です。全体を通してのルックではなく、アイラインやダークリップなど、ポイントとなる要素を強調するという点で(2回目のトレンドは)より反逆的に見え、それを現代的なマットな肌色と組み合わせているのが特徴です」と語る。

ソフトグランジメイクとは?

レン氏は、「90年代は、全体的にグランジメイクを施すのがトレンドでした。しかし、よりシックで親しみやすいルックにするために、今シーズンはこのトレンドから1、2点を選び、ソフトなグランジを再現するのがおすすめです」と話している。つまり、マットな肌に、アイメイクかリップのどちらかをグランジスタイルにするのが良さそう。

グランジメイクの取り入れ方は?

レン氏は「私はマットな肌を作るところから始めます」「(ミルクメイクアップの)ポア・エクリプス・マティファイング・プライマーは、乾燥やムラが目立たたなくなり、どの肌タイプにも使えるので、ソフトマットなクラウドスキンを作るにはイチ押しのアイテムです。この製品は、油分をコントロールしてくれるため、一日中メイクが崩れにくく、肌をなめらかに見せてくれます」と述べている。

「アイメイクには、(ミルクメイクアップの)インフィニティ・ロングウェア・アイライナーのアウタースペース(深いブラック)と、クッシュ・マスカラを合わせるのが好きです。このアイライナーはクリーミーなテクスチャーで、スマッジャー付きなので、ぼかした目元を作るのに最適です。クッシュ・マスカラを3、4回重ねると、パンダ目になりにくく、ボリュームのあるまつ毛に仕上がります」

「グランジリップを再現するには、口紅をスティックからそのまま唇に塗って指でにじませ、 “キスオフ”風のグランジ感を出すのがおすすめです」

グランジリップには、マットなブラック、血の色を思わせるレッド、黒みを帯びたレッドなどのカラーバリエーションから選ぶのがおすすめ。そして、アイメイクとは違って時短で、失敗してもすぐに直せるのも魅力。「にじませた濃いベリーリップは、手間をかけずに素早くソフトグランジを取り入れることができる方法です」とレン氏は言う。

グランジアイの作り方

「質感に微妙な変化を加えることで、よりグランジ感が増すため、レイヤーがポイントになります」と話すリチャードソン氏。ここでは、彼女がグランジアイの作り方の手順を解説。

  1. まず、ハイピグメント・ロングウェア・アイライナーペンシルのヴィア・ヴェネト(ブラック)で形を作り、その後ブラックのパウダーシャドウを重ねる。

  2. その上からジェルアイライナーを使ってさらに色を濃くし、まつ毛の根元にリキッドライナー(クライマックス リキッドアイライナーがおすすめ)を入れて色の深みを残す。

  3. リチャードソン氏は、アーデムのバックステージで(ウェットな質感を演出するために)アイメイクの上からエジプシャン・マジックのクリームを塗っているが、「実生活でその方法はおすすめできません」と警告。それでも、「質感のレイヤリングはとてもクールなテクニック」だと話す。

    また、「小さくて硬めのブラシ(ナーズのスマッジブラシ#25がおすすめ)で目尻をバッフィングしていくと、色がにじみ始めるのがわかります。目尻の部分だけ軽くこの作業を行い、あとは自分の肌の温度に任せてしまえばOKです」とアドバイスしている。

Translation: Masayo Fukaya From Women's Health UK

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Perdita Nouril
Beauty Editor

Perdita Nouril is the Beauty Editor for Women’s Health UK. She has worked in the beauty industry for 15 years since graduating from the University of Nottingham. Adept at exploring the colossal world of beauty, she loves to scratch beneath the surface to debunk the myths, decode the science and challenge traditional notions of beauty. You can always find her preaching sermons on the power of a red lip, extolling the virtues of a decent serum and championing the very best female beauty founders.  
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