ウォルシュが最も重点を置いたのはエマの筋力づくり。でも、彼のトレーニングを通して得られるのは筋力だけじゃない。「それと同時に可動域と関節の安定性も高まります」。実際にエマは、トレーニングによって高まった敏しょう性のおかげでテニスコーチとの厳しいレッスンを乗り切り、このスポーツに必要なフットワークとスキルを身に付けたそう。
テニスレッスンを補う一方で体の調子を整えるため、エマは最後の1カ月間、『Rise Nation』のクラスにも週1~2回参加し、有酸素マシンのヴァーサクライマー(VersaClimber)でカロリーをガンガン燃やした。ウォルシュによると、もともと筋肉質なので有酸素運動があまり必要ないエマは、筋トレと有酸素運動を2:1の割合で行ったそう。
アクティブリカバリーを省かない
トレーニングで忙しくても、リカバリーの時間は必要。ヨガ好きのエマがリラックスした環境でストレッチできるよう、ウォルシュは土日のどちらかを休息日に設定した。トレーニングの終盤は、エマにとっても楽々のメニュー。「ある程度仕上がっていたので、そこまで焦る必要はなかったんです。エマの体が数週間前に出来上がっていたおかげで、最後は少し余裕がありましたね」
カロリーの摂取量をアップ
ご存じの通り、栄養はボディメイクにおいて大きな役割を果たす。エマがエネルギー不足にならないよう、ウォルシュはエマのカロリー摂取量を1日2,500kcalから3,000kcalに増やした。「エマの代謝率が上がることは分かっていましたし、彼女自身いつも空腹を訴えていました。あれだけのトレーニングをすれば、体に必要なカロリー量が増えて当然です」
エマには特別なミールプランに沿う必要も、カロリーを計算する必要もなかったけれど、食事のたびに豊富な野菜と何らかのタンパク質源、そしてヘルシーな脂質源を摂取するという基本的な栄養ルールに従う必要はあった。
でも、1日の大半をアクティブに過ごしていることを考慮して、エマは1日2杯のプロテインシェイクも通常のメニューに加えた。「カロリーが摂りたければ、食べるより飲んだ方が早いですから」と話すウォルシュによると、ホエイプロテイン、ウドズオイル(フラックスシードオイルやゴマ油といった脂質のミックス)、アシュワガンダ(主にアーユルヴェーダ医学で用いられるハーブ)、ひとつかみのホウレン草、アーモンドミルクまたは水を加えたシェイクは、飲みごたえがある上に栄養たっぷり。でも、何よりも大事なのはおいしいという事実。「プロテインシェイクは本当に味が良くないと、3カ月も飲み続けていられませんよ」
最終的にウォルシュとエマは、「体が育ち、順応し、ワークアウトのストレスから回復するための環境」を作り上げた。「体を成長させるのはワークアウトそのものではなく、リカバリー、睡眠、栄養、そして水分補給です」
まさに完璧なチームプレー。ちなみに『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』のエマは、ものすごくカッコいい。
※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。