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コミュ力が試される現場といえば、初対面のシーン。パーティーのような複数の人が集まるシーンで、どう振る舞うべきなのか、また挨拶をしたいと思った人と、どうつながっていけばいいのか、悩んでいる人も多いよう。積極的に振る舞えず、最後まで壁の花で終わってしまったという経験を持っている人も少なくないのでは……!?

そこで、「伝わるコミュニケーション」をテーマに、多くの民間企業や官公庁の研修・講演の講師として活躍する戸田久実さんに、初対面でのコミュ力のポイントをレクチャーしてもらう。

「丁寧で感じがいい挨拶」が好印象を与える

「パーティーでは、壁の花になっていても印象には残りません。感じよく挨拶をすることです。着席スタイルのパーティーであれば、同じテーブルになった方に、まずはご挨拶を交わします。テーブルが狭い場合はまとめてのご挨拶でいいと思いますが、テーブルが広い場合は、お隣から徐々に挨拶や会話を広げていくといいでしょう。

立食の場合は、目が合って会釈を交わして反応があった方に、まずご挨拶してみるといいですね。バイキングスタイルの場合、料理を取り分けている場所では緊張もゆるむので、そうしたところで近くにいる方に話しかけるというのもいいでしょう」

話しかけるときには、「ご挨拶させていただいてもよろしいでしょうか。初めまして〇〇と申します。よろしくお願いいたします」と言い、名刺交換する。このとき、「先方からいただいた名刺から話題を続けるのがコツ」だと戸田さんはアドバイスする。

「例えば、名刺に企画部と書かれていたら、『企画のお仕事をされているのですね。どんな企画を手掛けられているのですか?』と話題を広げていきます。名刺はそういった意味では非常に便利なツールです。

さらに、一方的にこちらの話をするのではなく、相手の話を引き出すようにするといいでしょう。会話を弾ませるのが苦手な人は、『そうですか、〇〇を計画中なんですね、すごいですね』と相手が言った言葉やフレーズを繰り返すだけでも、会話は弾みます」

また、パーティーだからと誰でも声をかけるのは逆効果だと戸田さんは言う。あまりたくさんの人に声をかけると覚え切れず、結局その後が発展しないことも。一人一人の時間が短くなりすぎて、相手もこちらの印象が浅くなってしまうからだ。なるべくじっくり話したほうが効果的だそう。

切り上げるタイミングは、食事やドリンクなどを理由に

話をし始めたのはいいけれど、そろそろ切り上げたいというタイミングがなかなかつかめない、という悩みもある。そういった場合はどうしたらいいのだろうか。

「私は、『飲み物を取りに行きますので、ではまた』とドリンクコーナーに向かう口実で切り上げることが多いですね。パーティーの場合は、複数の方と会話したい方も多いので、会話を切り上げるのは、失礼にはならないので大丈夫です。名刺などを持っている際には、名刺を名刺入れにしまうタイミングで、『今後ともよろしくお願いいたします』と切り上げるといいでしょう。

パーティーが終わった後には主催者にお礼のメールを送り、知り合った方とSNSなどでつながるのもいいと思います。人とのつながりは初対面から始まるのですから、最初の印象は大切にしておきましょう」

ちょっとしたコツで、初対面の人ともつながり、未来が広がっていく。挨拶上手になればパーティーで“感じのいい人”と言われるのも近い未来かも。



photo : Getty ImagesText : Manabi Ito

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戸田久実さん
アドット・コミュニケーション代表取締役

一般社団法人日本アンガーマネジメント協会理事。立教大学文学部卒業後、株式会社服部セイコー(現セイコーホールディングス株式会社)で営業として勤務。その後音楽業界企業の社長秘書を経て、現在は研修講師として民間企業、官公庁の研修・講演の講師の仕事を歴任。「伝わるコミュニケーション」をテーマに「アンガーマネジメント」「アサーティブコミュニケーション」「クレーム対応」「プレゼンテーション」「インストラクター養成」など多岐にわたる研修や講演を実施。『働く女の品格 30歳から伸びる50のルール』(毎日新聞社)、『アンガーマネジメント怒らない伝え方』(かんき出版)など著書も多数。近著に『イラスト&図解 コミュニケーション大百科』(かんき出版)がある。