海外で話題のCBD入り潤滑ゼリー。実際どうなの？
膣がハイになることはないけれど、超ハッピーにはなるかもしれない。
「コレ！」というモノは、見つけた瞬間に分かるもの。そして安心のため息が出る。だって、ずっと手元に置いておくだけの価値があるモノを見つけるのは大変だから。これはパートナーの話じゃない。方法や相手を問わず、セックスを楽しくしてくれる潤滑ゼリーの話。犬のおやつからバスボムに至るまで、ありとあらゆるアイテムにCBD（カンナビジオール）が使われるようになったいま、それが膣に入るのは単に時間の問題だった。でも、CBD入り潤滑ゼリーの効能は？ 本当に試してみるべき？
まずは、一般論から始めよう。ホルモン変動、授乳、閉経による膣の乾燥や、さまざまな理由で生じる性交痛に悩まされていなくても、潤滑ゼリーで膣をぬらせば、セックスが一段と楽しくなる。
「基本的にセックスは、快感を得るために摩擦を起こす行為です。潤滑ゼリーは、その摩擦を滑らかにしてくれます」と話すのは、産婦人科医のブランディ・ウィルソン＝マニガ医学博士。
「自然に十分ぬれる人でも潤滑ゼリーを使えば、いつもと違う感じになって気持ち良さが増しますよ」という。
では、CBD（主に大麻草／カンナビスの花や葉に含まれる成分で摂取してもハイにはならない）がセックスを楽にして、オーガズムの質を高めるというのは、一体どういうことなの？
「CBDは血管を拡張させるので、摂取すると感じやすくなるかもしれません」とウィルソン＝マニガ医師。確かに血管が広がれば、デリケートゾーンに送られる血液の量が増す。それに加えてCBDには、抗不安作用と抗炎症作用があるとも言われる。
「前庭炎や膣痙（ちつけい）を抱えている女性には、CBD入りの潤滑ゼリーが向いているかもしれません。CBDは痛みを感じにくくしてくれますから」
お気づきの通り、前述の文章には“かも”が多用されている。なぜ？
カンナビス専門サイト『Curaleaf』の調剤マネージャーで薬学博士のステイシア・ウッドコックによると、CBDを膣または潤滑ゼリーに使用した場合の科学的な研究結果は存在しない。
それどころか、CBDに関する確固たるデータは用途を問わず非常に少なく、使用者の反応も個人差が大きい。
ウッドコック博士は、本来大きな注目を浴びるべき女性の性交痛問題が、ほとんど注目を浴びていないことに懸念を示す。CBDで女性の痛みが軽減するのはいいけれど、それが実際にCBDの効果なのか、プラセボ効果なのかは判断しづらい。
「（CBDの効能に関する）確固たる研究結果が本当に見たいです。使用者の言うことが本当で、科学的な研究が進めば、CBDで女性をもっと助けられると思います」
ウッドコック博士の話では、摂取するべきCBDの用量も大きな謎。膣や口の粘膜から、どのように、どのくらいのCBDが吸収されるかも分かっていない。だから最初は、CBDを口から摂取するときと同じように少しずつ。
CBDは安全と言われるけれど、「強い眠気と疲労感に数時間襲われることはありますからね」とウィルソン＝マニガ医師。
潤滑ゼリーの成分でアレルギー反応を起こさないよう、まずは腕でパッチテストを。潤滑ゼリーには、チクチク／ビリビリする感覚や皮膚の炎症を引き起こす成分（カプサイシンやペパーミントなど）が含まれていることもある。
また、ウィルソン＝マニガ医師が言うように、CBDは一部の薬の血中濃度を変える可能性があるため、使う前に必ず医師に相談を。
第三者機関による検査を受けた上で、成分を明示しているメーカーの商品を探すことも極めて重要。
「重金属や殺虫剤が含まれているような商品をデリケートゾーンに使うわけにはいきません。“CBD潤滑ゼリー”と書かれているからといって、本当にCBDが入っているとも限りませんから」とウッドコック博士。
※この記事は、アメリカ版『Prevention』から翻訳されました。
Text: Stephanie Dolgoff Translation: Ai Igamoto
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