野菜ばかり食べているなら要注意!「ビタミンB12 欠乏症」9つのチェック項目
野菜だけでは補えない栄養素を補給して
ベジタリアンやヴィーガンに多いといわれる「ビタミンB12欠乏症」。植物性食品ベースの食事はビタミンやさまざまな栄養素が豊富に摂れる一方で、ビタミンB12だけは、肉や卵、甲殻類、乳製品など、主に動物性食品に含まれていることから不足しがち。最近ヴィーガンになったなら、今後この問題に直面する人もいるかもしれない。その見分け方をイギリス版ウィメンズヘルスからご紹介。
でも、どうしてそんなにビタミンB12が必要なの? ビタミンB12は、免疫力を維持し、脳機能の健康に欠かせないだけでなく、DNAや赤血球の産生においても重要な役割を担っている。ビタミンB12なしでは、代謝もうまく働かなくなるとか。
解決策は? 高品質なサプリメントを取り入れること。
ビタミンB12が不足すると現れる9のサイン
【1】 8時間の睡眠をとったにもかかわらず、どうしても午後に眠くなる
「疲労は、ビタミンB12欠乏症の初期兆候の一つです」と話すのは、米国栄養士会で広報担当者を務めるリサ・シンパーマン医師。
体は、全身に酸素を運搬する働きを担う赤血球を産生するためにビタミンを必要とするから。細胞内の酸素が不十分になると、寝ても寝ても疲れがとれなくなる。
疲労の原因は無数にあるため、眠気がするだけで必ずしもビタミンB12が不足しているとは言い切れない。大抵は、疲労に加え、他の症状も併せて訴える患者が多いよう。
【2】 ショッピングバッグがやけに重く感じる
筋肉が赤血球から十分に酸素を得られなくなると、力が入らなくなる。
「私の仕事がハードだから、ただの疲れなのか、食生活が偏っているだけなのかってあれこれ考えていたの」と、シャンタル・モーゼス(31)。
「でも、半年前にようやくわかったの。私の体力のなさや無気力感は、ビタミンB12の不足が原因だったみたい」
【3】 変わった感覚を経験する
「頭から足先に電流が走っているような感覚だった」と話すのは、最終的にビタミンB12欠乏症だと診断されたメラニー・カーマジン(44)。
他にも、感覚が無くなったり、しびれてピリピリする感覚を報告する人もいるよう。このような変わった痛みは、細胞内の酸素が低下することによって引き起こされる神経損傷によるものだという。
【4】 冷蔵庫に鍵を入れてしまう
あるいは、姪の名前を思い出せなくなる。初期の認知症だと不安になるかもしれないけど、ビタミンB12不足が原因の場合もあるとか。
「小切手の書き方まで思い出せなくなった」と話すのは、血中のビタミンB12濃度が低いと診断されたポリーヌ・スミス(56)。「この欠乏症が、アルツハイマー病に間違えられる高齢患者も多く見てきました」と、シンパーマン医師。
「しかし、血液検査をすればわかることですので、ビタミンB12のサプリメントを服用し始めると、症状は治ります」
【5】 グラついたり、めまいがする
不調も一般的な症状の一つ。
「階段を上がるだけでめまいがしていた」と、モーゼス。トルコで行われた研究では、血中のビタミンB12濃度が低く、めまいで救急治療を要求する患者と、100人の健康な被験者を比較した結果、めまいを訴える患者は、健康な被験者たちより血中のビタミンB12濃度が40%も低いことが明らかになったそう。
【6】 顔色が悪い
ピンク色だった頬が黄色味を帯びてきたら、ビタミンB12欠乏症が原因かもしれない。ビタミンB12が不足すると、赤血球が脆く破壊されやすくなり、ビリルビン(胆汁色素)が放出されるため、肌が黄色味がかってくるよう。
【7】 舌が赤く平らになる
深刻なビタミンB12欠乏症を患う患者の約半数は、舌の表面のざらざらした小さな突起「舌乳頭」を失っている(特に舌先の部分)。舌の裏が燃えるような痛みやヒリヒリした痛みを訴える患者もいるよう。
大半の舌乳頭が味蕾を含んでいるため、舌乳頭がなくなればなくなるほど、好きな食べ物でさえ味がしなくなる。
「ビタミンB12欠乏症の女性は、体重が落ちてしまう傾向にあります。食べ物が美味しく感じないからです」と話すのは、ペンシルバニア州のブリンマーにある「PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)栄養センター」の栄養士、アンジェラ・グラッシ。
【8】 事あるごとに、泣いたり心配になる
今まで以上に気分が落ち込んだり、心配性になっているなら要注意。「ビタミンB12の不足は、気分に被害をもたらし、うつ病や不安症につながる可能性があります」と、グラッシ。
ビタミンB12欠乏症がうつ病のリスクを増加させる理由は、医師にも正確にはわからないという。しかしビタミンB12は、気分の調節を助けるセロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質の合成に不可欠であるため、うつ病のリスク増加と関連していることが示唆されている。
【9】 視力に問題が起こる
極端な場合、ビタミンB12欠乏症は、視神経を損傷したり、網膜の血管を塞ぐ恐れがあり、視野がぼやけたり、光に敏感になるほか、複視や失明を引き起こす可能性もあるという。
「私が最初に気づいた網膜損傷の症状は、右目に影のようなものが見え始め、視覚に影響を受けていた。ビタミンB12の血中濃度が上がるまでは、さらに影が見えていた」と、スミス。
無理なダイエットをしている人や、忙しくて満足な食事をとれていない人は注意して。
※この記事は当初、『Prevention』に掲載されました。
※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
Text: KAREN CICERO Translation : Yukie Kawabata