どうしてこんなにオナラが出るの? 12の理由をチェック
対処法も併せてチェック。
オナラが出すぎて人前に出られない? その気持ちはよく分かる。とてもよくあることなのに、オナラの話が社会的タブーであるがゆえ、自分だけの問題だと思い込んでしまいがち。オナラが増える原因と、それが問題となり得る原因を知るために、まずオナラが出る理由を理解しよう。今回はイギリス版ウィメンズヘルスより、オナラが出る理由と対処法についてご紹介。
オナラが増えるのは悪いこと?
オナラは正常な身体機能。イギリス国民医療サービスNHSいわくオナラとは、「消化によって生じたガスを直腸から放出すること」
体内にガスが蓄積するのは食事中という(食べ物、水、唾液と一緒に空気を飲み込むから)と消化中(腸内細菌が消化の副産物として水素、メタン、二酸化炭素を放出するから)。このガスは、オナラかゲップによって体内から排除されなければならないもの。
オナラが増えるのは悪いこと?
人は通常1日に14~18回オナラをするそう。でも多くの場合、ガスは無臭かつ少しずつ放出されるものなので、自分では気付かないことも。
ただし、体内のガスに臭い成分(硫黄など)が含まれているときは話が別。あなたはもちろん、周囲の人も気付かずにはいられない。
それにしても、オナラの頻度が平均以上に高くなるのはなぜ? この何となく聞きづらい質問に、公認管理栄養士のローラ・ティルトが答えてくれた。
どのくらいが出すぎなの?
「オナラに関する研究結果はやはり少ないです。しかし健康な人々を対象とした研究により、食物繊維が豊富な食生活を送っていると1日約700mlのガスが出ることは分かっています。そのほとんどは、大腸か結腸で作られた二酸化炭素か水素です」とティルト。ちなみに700mlのガスというのは、オナラ14~25回分。
「何を持ってオナラの回数が“多すぎる”と言うかは決まっていません。よって『私はオナラが出すぎですか?』と聞かれても、答えられないのが正直なところです」
結局は、あなたにとって何が正常で何が異常か。前述の通りガスは通常無臭なので、臭いのせいでオナラが1日14~25回(または14~18回)以上出ていることに気付くとすれば、出すぎと言えるのかもしれない。
食生活は関係ない?
例えば、豆類、玉ねぎ、カリフラワー、ブロッコリー。体が消化できない“ガスのもとになる”食べ物(糖や繊維を含む食べ物)。
人工甘味料(ソルビトールなど)を使っているか、人工甘味料を含む物(ノンシュガーのチューインガムやソフトドリンク)。
高タンパクの食事をしている、またはプロテインシェイクを大量に飲んでいる。腸内細菌はタンパク質を発酵させるので、ガスが臭くなるという。
腸に何らかの問題がある
例えば、
セリアック病
乳糖不耐症
過敏性腸症候群
消化不良
便秘
胃腸炎
吸収不良
一部の薬の副作用
病院へ行くべきケース
オナラの頻度や臭いが気になる場合には、迷わず医師に相談を。
ティルトによると、おなかの張り、腹痛、尿・便の変化(下痢、便秘、血便)、原因不明の体重減少、感染症のサイン(筋肉痛、関節痛、吐き気)などの症状が見られるときも、病院で検査を受けた方がいい。
「オナラの原因になりかねない基礎疾患の有無を調べてくれるはずですよ」
オナラの回数を減らすには?
オナラが出るのは正常かつ健全なこと。それでも気になる場合には、ティルトのプランに従って、オナラの回数や悪臭を減らしていこう。
食事中は座って、よくかむ。
また体を動かすとガスが腸を通り抜けやすくなるので、毎日少しでも運動を。
一部の食物繊維(ブランのような未精製シリアル)の量を減らせば、ガスの産生が抑えられる。でも、食物繊維が豊富な食品を完全にカットしないで。腸内細菌が腹ペコになり、長期的な問題を引き起こすことがある。
食物繊維の量を増やしたいなら、ゆっくり増やして腸を徐々に慣らすこと。
過敏性腸症候群の人はガスに敏感で、不快感を覚えやすい。その場合には食事日記をつけたり、栄養士に相談したりすることで、トリガーフード(豆類、玉ねぎ、ニンニクなど)を特定しよう。
米ニューヨーク大学ランゴーン医療センターの整骨医・胃腸科医であり、臨床医学准教授のリサ・ガンジュ医学博士がオナラが止まらない12のパターンを教えてくれた。あなたはどれに当てはまるか次のページからチェックしてみよう。
【オナラcheck1】炭酸飲料を日常的に飲んでいる
炭酸飲料やチューイングガムの摂取、ストローの使用は、結腸に空気が溜まりやすくなり、オナラを出やすくする。お腹に溜まった空気をオナラで排出したくなければ、ゲップを出す以外ない。ガンジュ医学博士が言うには、我慢せずにゲップを出すことで、オナラの量を最小限に抑えることは可能だとか。
【オナラcheck2】甘いものを食べ過ぎている
人間の体は、ソルビトールやキシリトールを始めとする代用甘味料(シュガーレスのガムに使われていることが多い)を消化できないため、腸にとどまり、発酵される。天然糖(特にフルクトース)も同様に、オナラの原因になりやすい。なぜなら、大半の人が、それらを分解するために必要な酵素が不足しているからだそう。代用甘味料を控えることは、オナラを減らす対策のひとつと言えそう。
【オナラcheck3】サラダばかり食べている
ケール、キャベツ、ブロッコリーといったアブラナ科の野菜(容器に入れて保管しておくと、硫黄の臭いを放つ野菜は全て)は、とってもヘルシーである一方、消化されにくい糖質が含まれているため、腸内にとどまり、ガスを発生しやすい。ガスの発生を抑止したければ、食前に酵素サプリを飲んでおくのが有効だとか。
【オナラcheck4】ストレスが溜まっている
腸と感情は、神経網や神経伝達物質により直接つながっているため、科学者たちは、消化管を”第二の脳”と呼ぶことがある。つまり、ストレスが溜まると、腸の健康を損ねることにもなるそう。瞑想など呼吸などのリラックス法を日常的に取り入れて、心身を癒すことが大切。
【オナラcheck5】乳製品が、自分の体に合わない
乳糖不耐性(牛乳を消化する酵素「乳酸」をつくることができない)は、成人になってから症状が出現することもあるので、牛乳やアイスクリームを食べて今まで問題がなかった人でさえ、可能性はある。そこでガンジュ医学博士は、数日間、乳製品の摂取を控えるように提案している。乳製品を食べていないほうが、体の調子が良く、オナラも減ったなら、乳製品の摂取を考え直してみるべきかもしれない。
【オナラcheck6】最近出産した
「鼻からスイカを出すようだ」と例えられる出産によって、肛門付近の筋肉や神経のダメージは大きく、オナラをコントロールできなくなることもしばしば。スウェーデンで行われた研究によると、出産後(特に難産だった場合)、25%の女性が、オナラを我慢するのでさえ困難だったと答えている。最近出産を終えたばかりという人は、オナラがおさまるのを待つしかない。
【オナラcheck7】腸内細菌が正常に機能していない
「食べたものは、腸内細菌によって発酵されます」と話すのは、レベッカ・グロス医師。「それは、通常結腸で起こるのですが、一部の結腸細菌が小腸に停滞してしまうことがあります。これが『小腸内細菌異常増殖症』です。消化される前に、小腸に棲息する細菌が食べ物を発酵してしまうので、ガスが発生します。小腸や結腸でガスが発生することになれば、オナラの量が増えるのは当然です」と、グロス医師。
もしくは、腸内細菌のバランスが崩れている可能性もあるとのこと。最近、何かしらの病気を患っていた人は、特にその可能性が高いそう。「ウイルス性胃腸炎や感染症が治ると、腸内フローラを構成する腸内細菌のバランスが変わるので、普段よりオナラの回数が増えてしまうことはあります」と、グロス医師。
腸内細菌のバランスを整えるには、特定の抗生物質を服用したり、発酵性のある炭水化物の摂取量を控えることが有効だとか。これは「低フォドマップ(FODMAP)食(発酵性・オリゴ糖・二糖類・単糖類・ポリオール)」として知られている。フォドマップと呼ばれる糖類は、核果(かくか)類(アボカド・サクランボ・プラムなど)や豆類(レンズ豆・大豆など)、小麦、玉ねぎ、ニンニクなどがある。このような食材は、お腹の張りや、ガスが溜まる原因を作り出すため、控えることにより、消化管の健康を良好に維持することができるそう。
【オナラcheck8】早食いをしている
早食いをしたり、会話やほかのことをしながら食事をしたり、ガムを噛むような行為は、大量の空気を飲み込む原因に。「ガスは、空気から構成されます。飲み込む空気の量が多ければ、発生するガスの量も増えます」と、グロス医師。風船に例えるとわかりやすいように、空気を飲み込む量と、お腹の膨張感は比例する。一度体内に入り込んでしまった空気は、外へ出す必要があるため、ゲップとして出ることも多い。
【オナラcheck9】グルテン過敏症・セリアック病を持っている
体が特定の食品を分解するのが困難である場合に、ガスが発生される。「セリアック病や自己免疫疾患は、体がグルテンをうまく対処することができないので、小腸の内膜が損傷を受け、深刻な栄養の吸収不良が生じます」と、グロス医師。グルテン過敏症やセリアック病の兆候に気づいたら、すぐに医師の診察を受けること。
また、更年期障害や、ホルモンバランスが崩れている時期にも、ガスが溜まりやすい。「エストロゲンとプロゲステロンのどちらが優勢となり、影響を与えているのか定かではありませんが、ホルモン変化の影響を受ける女性の多くが、便通に問題を抱えているようです」と、グロス医師。ガスを発生させる要因は何であれ、規則正しい排便習慣を維持するには、運動や、プロバイオティクスが服用が効果的。便秘が続けば、便はガスを発生させ、体にさまざまな被害をもたらすので、軽視してはならない。
【オナラcheck10】便秘が続いている
便秘が続くと、腹痛やイライラ感に悩まされるだけでなく、オナラが止まらなくなる事態になりかねない。「便通が悪くなると、オナラの量が増えるだけでなく、臭いが悪化してきたと感じる人は多いのです」と、グロス医師。便(腸内細菌で構成される)が排泄されずに体内に溜まり続けると、それらは発酵され、ガスとなって外へ排出されるからだそう。便秘の自覚がある人は、たくさんの水を飲み、定期的に運動をして、良質な食物繊維を摂取するように心がけて。
【オナラcheck11】過敏性腸症候群である
「正常なオナラの量ですら、体が敏感に反応する人もいます」と、グロス医師。ガスを発生させる量が平均より多くないにもかかわらず、お腹の張りや、それに伴う痛み、膨張感に悩まされる人もいる。これらの症状は、過敏性腸症候群の可能性もあるとグロス医師は言う。心当たりがある人は、医師の診察を受け、症状を緩和する方法について相談すべきとのこと。
【オナラcheck12】食物繊維を食べ過ぎている
オナラの原因は、食物繊維にもあるって知ってた? 腸の健康や満腹感を得るのに欠かせない食物繊維だけれど、野菜や豆類ばかりを食べていれば、オナラの量は増えているはず。気をつけて!
※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
Text: Emma Pritchard Translation: Ai Igamoto
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