うれしいニュースが舞い込んできた。楽しく暇をつぶすのにピッタリなセルフプレジャーは、心身の健康にすごくよい。心が満たされ、体の痛みが和らぐというのは、数あるメリットのほんの一部。

そして、セルフプレジャーアプリ『Emjoy』セックスセラピストのミア・サバトいわく、マスタベーションは脳にとってもよいみたい。イギリス版ウィメンズヘルスから詳しく見ていこう。

1.幸福ホルモンが分泌される

オーガズムに達すると、脳から多数の有益なホルモンが分泌される。例えば、幸福ホルモンとして知られるドーパミン、天然の鎮痛剤として知られるエンドルフィン、愛情ホルモンとして知られるオキシトシン。どのホルモンも脳と体に多くの点でプラスに働き、総体的なウェルビーイングを高めてくれる。

2.自尊心が高くなる

オキシトシンは、私たちの自尊心を支えてくれる愛情ホルモン。このホルモンが頻繁に分泌されると自分に自信がついてきて、自分の体・思考・感情を前向きに捉えられるようになる。事実、性教育・セックスセラピーの学術誌『The Journal of Sex Education and Therapy』掲載の2015年の論文によると、マスタベーションをする女性は、しない女性より自尊心が高いそう。

3.気分がよくなる

セルフプレジャーをセルフケアとして見たことはある? ない人は考え方を変えてみて! マスタベーションで自分に愛を与えると、バブルバスに入ったときと同じように、脳と体が喜んでくれるから。

でも、オーガズムは、いい意味でボディースクラブやフェイシャルよりも複雑。オーガズムに達するとドーパミンとエンドルフィンがドッと分泌されるため、体の緊張がフッとほどけて気持ちが安らぎ、何とも言えない幸せな気分になれる。ストレスや不安を感じたときは、ぜひマスタベーションを。

4.ストレスと不安が減る

woman sleeping on bed
Emmanuel Faure//Getty Images

マスタベーションをすると、体のストレス反応を抑える化学物質が分泌されて気持ちが落ち着く。

この化学物質もオキシトシン。オキシトシンには、自尊心を高めるだけでなく、ストレスや不安によって分泌されるコルチゾールを減らす作用もある。また、脳内でドーパミンが大量に分泌されると、ストレス要因や悩み事が頭の隅に追いやれて、ものすごく幸せな気分になれる。

5.痛みが和らぐ

オーガズムが誘発するホルモンは驚くほどパワフル。例えば、オーガズム中に子宮が収縮してエンドルフィンが分泌されると、生理痛が軽くなる。また、国際頭痛学会の専門誌『Cephalalgia』によると、オーガズムには片頭痛と頭痛を和らげる力もあるそう。

6.集中力が増す

ドーパミンは幸福感と学習を促すホルモンで、“モチベーション分子”と呼ばれることも。やる気を出して集中する能力に深く関係するので、ドーパミンが不足すると集中力が続かなくなり、仕事がはかどらなくなってしまう。

頭をスッキリさせて集中力を高めたいときは、オーガズムでドーパミンを分泌させて。

7.よく眠れるようになる

セックスのあとは、なんだか急に眠くなるよね? 睡眠学専門誌『The Journal of Sleep Research』掲載の論文によれば、セックスでオーガズムに達するとオキシトシンが分泌されて、よく眠れるようになる。これはマスタベーションにも言えること。

睡眠には、バソプレシンというホルモンが関係している可能性も。血中のバソプレシンは性的に興奮すると増加して、睡眠中はさらに増える。でも、このホルモンが眠気をもたらすというエビデンスは、いまのところ存在しない。ただ、寝つきを悪くするストレスホルモンの働きをオキシトシンが弱めてくれるのは間違いないので、なかなか眠れないときはセルフプレジャーに興じてみよう。

8.性欲が増す

性欲の減退に悩む女性は多いけれど、その問題を解決する効果的な策の1つがマスタベーション。なぜ? マスタベーションをすると、そのたびに自分の思考・体・好みが分かってくるから。自分の好き嫌いを理解するのは、性欲を高める上で重要なこと。

9.自分の体が好きになれる

curly haired overweight young woman with satisfaction on face accepts curvy body shape standing near mirror
Maria Korneeva//Getty Images

鏡に映る自分の姿が好きになれない? 自分の体に感謝できるようになるのは、ものすごく大切なこと。自分で自分を気持ちよくさせられることに気付けば、与えられた自分の体を少しずつ受け入れて愛せるになってくる。そうすれば、いまよりもっと自分にやさしくなれるはず。

今度マスタベーションをするときは、あなたの手に反応し、とんでもない快感を与えてくれる体のすごさに意識を向けよう。

10.思考と体のつながりが見えてくる

セルフプレジャーは、知れば知るほど頭に浮かぶことが増え、もっとしたくなってくる。そして、この欲望が強ければ強いほど私たちは、その欲望を満たすために努力する。逆に、気持ちよくなれない時期が続くと、マスタベーションが頭に浮かぶことすらなくなる。

まずは、あなたを“その気”にしてくれる小さなネタを日常の中に探してみよう。そのネタで実際にマスタベーションをしてみると、思考と体はつながっていて、ちょっとしたことで驚くほど興奮できることが分かるはず。

ネタが見つからないときは、いろいろな種類の官能小説を読んでみよう。ただし無理をせず、あなたの心にとって自然なペースで。

11.オーガズムに達しやすくなる

セルフプレジャーを通して自分にとって“気持ちよいこと”が分かってくれば、オーガズムに達しやすくなる。また、マスタベーションを頻繁にしていると体が性的に興奮しやすくなるので、寸止めや浅めのプレイ、マルチオーガズムも楽しめるようになる。その過程で、確実にイケる方法が見つかることも。

12.脳の健康にいい

これまでの研究により、オーガズムは脳の複数の領域(感覚領、脳幹、前頭皮質)に送られる血液の量を増やすことが分かっている。血行がよくなれば、脳に送られるオキシトシンの量も増加する。この意味でオーガズムは、脳に元気と刺激をくれるワークアウトと言えるかも。

13.ブレインフォグを緩和する

体内の炎症に伴う慢性疾患がある人は特に、ブレインフォグに悩まされがち。ブレインフォグとは、思考力や集中力が低下して、忘れっぽくなったり、頭が混乱したりする状態を指す言葉。この状態を改善するには、体を動かしてストレスを減らし、自分が楽しいと思えることをするのが大事。

マスタベーションは内因性カンナビノイド(体の調節に不可欠な神経伝達物質)の分泌を促すことが分かっているので、ブレインフォグの緩和にも役立つ可能性がある。

14.マインドフルになれる

セルフプレジャーは単なる性行為じゃない。オーガズムの最中は表層意識がオフになるので、余計なことを考えずに快感を味わえる。

気持ちよい瞬間に浸るなんて、最高にマインドフル。ただ気持ちよくなるためだけに自分の時間を作るのは、それ自体がセルフケアにもなるからオススメ。

15.認知機能が守られる

マスタベーションの恩恵を受けられるのは、10代の若者だけじゃない。老化学専門誌『Age and Ageing』掲載の2016年の研究でも、マスタベーションを含む性行為を楽しんでいる高齢者は、避けている高齢者より認知機能が高かった。特に女性の場合には、記憶を呼び起こす能力が高くなる。

つまり、マスタベーションは、長期にわたって脳の健康を守る上でも効果的。

セルフプレジャーが脳にマイナスの影響を与えることは?

マスタベーションが執着にならない限りは、好きなだけ頻繁にして大丈夫。でも、するべきことを差し置いてまでマスタベーションをしないと気が済まなくなったり、衝動が抑えられず、不適切な場所でマスタベーションをしてしまったりするのは問題。

また、性器周辺の皮膚が炎症を起こしたり傷ついたりするまでマスタベーションをしている場合も、メンタルヘルスの専門家やセックスセラピストに相談したほうがいい。

※この記事は当初、『Netdoctor』に掲載されました。

※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Mia Sabat Translation: Ai Igamoto