オーガズムは、ストレスを減らすだけでなく、パートナーとの距離も縮めてくれる。
でも、セックスでイケない女性は少なくない。神経科学・心理学専門誌『Socioaffective Neuroscience & Psychology』に掲載された2016年の調査結果も、セックスで毎回／ほぼ毎回イケると答えた女性は全体の46%にすぎなかったことを示している。つまり、この調査に参加した女性の半数以上が、あなたと同じ悩みを抱えているということ。
そこで今回は、オーガズムに関する謎を解明するべく、セックス＆恋愛の先生で作家のトレイシー・コックスに話を聞いた。
ほとんどの女性はオーガズムと無縁じゃない？
女性のオーガズムは科学的に興味深い事象で、さまざまな角度から研究が続けられている。女性がオーガズムに達する方法や女性のオーガズムを阻む要因は、専門家たちの頭を長きにわたり悩ませてきた。
各種メディアの影響で、オーガズムに達するのは難しいと信じている人もいるけれど、それは誤解。
トレイシーいわくポイントは、どうやってオーガズムに達しようとしているか。「バイブレーターを使えば、ほとんどの女性がほぼ毎回、2～3分でオーガズムに達します」
よって、ほとんどの女性はオーガズムと無縁じゃない。問題は「いつ」「誰と」。「統計を見る限り、マスタベーション中はオーガズムに達する確率が高いです。悲しいことに、パートナーが入ってくると、その確率は下がります」とトレイシー。「ヘテロセクシャル（異性愛）の女性の場合、クリトリスが刺激されないセックスで、ときどきオーガズムに達する人は約5割、毎回オーガズムに達する人は約3割にとどまります。クリトリスにフォーカスしたオーラルセックスのほうが、はるかに効果的です」
男性は女性よりオーガズムに達しやすい？
このうわさは信じるべからず。「バイブレーターを使っても、男性が女性よりオーガズムに達しやすいということはありません。むしろ、バイブレーターを使った場合、ほとんどの女性が男性より早くオーガズムに達します」とトレイシー。
「でも、セックスとなると話が別です。挿入によって敏感な陰茎の頭部と小帯が刺激されるため、セックスでは男性のほうが（圧倒的に）イキやすいです」
「女性の性器でもっとも敏感なクリトリスは膣の外側にあるため、ペニスが膣に入ってもまったく刺激されません。それでも挿入行為はセックスのメインイベントなので、男性が女性よりオーガズムに達しやすいと思われるのは当然と言えるでしょう」
女性のオーガズムの種類
クリトリスの刺激によるもの、挿入によるもの、Gスポットの刺激によるもの、運動によるものなど、女性がイクための方法は、いつの時代もホットな話題。
「女性はクリトリス（目に見えるのは一部にすぎない）の直接的または間接的な刺激でしかオーガズムに達せないと言う研究者も多くいます」とトレイシー。
「でも、女性が異なるタイプの刺激でイケるのは事実です。よく知られているのは、クリトリス、膣の前壁（Gスポット）、膣の後壁、子宮頸部の刺激によるオーガズムですね」
「それぞれの部位でオーガズムが生じるのか、それぞれの部位に対する刺激が間接的にクリトリスの勃起組織を刺激してオーガズムになるのかは分かっていません」
オーガズムに達する方法
なかなかオーガズムに達せなくても、オーガズムを経験したことがなくても、焦る必要はまったくない。「2019年の調査では、アメリカ人女性の約4分の1が最低でも3カ月オーガズムを得られずに苦しんでいたことが分かりました」とトレイシー。
「1つ目のアドバイスとして私が言いたいのは、『そんなこともあるから焦らないで！』ということです。誰にでも、なぜかイケない時期はあります。気にするのをやめないと、オーガズムは戻ってきません」
「まずは婦人科で、投薬の影響や出産による外傷がないか調べてもらうといいですね」とトレイシー。「そこで問題が見つからなければ、バイブレーターを使ってみましょう」
オーガズムに達せないときの対処法
先述の2016年の調査では、オーガズムの頻度を高めるカギがメンタル面と人間関係にあることも分かった。
オーガズムに達せなくて落ち込んでいる人は、性的な自己肯定感を高め、パートナーとの信頼関係を築くことに注力してみるといいかもしれない。でも、1人ではイケるのにセックスではイケないという人は、パートナーと2人3脚の努力が必要。
「バイブレーターで問題なくイケる人がセックスでイケないのはおそらく、パートナーがテクニックを知らないか、あなたに合わないテクニックを使っているからでしょう」とトレイシー。「バイブレーターを使ってもイケない人は、あなたが子供の頃に親から受けた性教育や性的なトラウマについて、セックスセラピストと話し合ってみてください」
練習あるのみ
ワークアウトと同様、オーガズムに達するカギは練習にある。どこから手を付ければいいのか分からないなら、マスタベーションで自分にとって気持ちよいことを知り、パートナーに伝えよう。
「パートナーが習得しやすい方法（指を使うなど）でオーガズムに達する練習をしてください。オーラルセックス中に何が気持ちよいかを随時伝えてあげるのもいいですね」とトレイシー。「セックス中にバイブレーターを使ってみるのもいいでしょう。男性の中にはバイブレーターに脅威を感じる人もいますが、若い男性は大抵みんな大丈夫です」
エディターおすすめのセルフプレジャーアイテム
1. SILA ライラック／LELO ¥29,700
これから紹介する2つのアイテムは、セルフプレジャー界で今一番ブームとなっている「吸引型タイプ」。挿入を目的とせず、クリトリスに「直接触れずに」快感を高めてくれるおすすめのラブグッズ。SILA(シーラ) ライラックは、やさしく穏やかな波のようにマッサージする吸引トーイ。ほかの吸引型のアイテムと比べて、吸引口が大きいから、初心者でも気持ちいい部分にセットできる！
2. LELO SONA(ソナ) ピンク／LELO ¥14,300
SONAは、柔らかな唇で強く吸い付かれたような感覚を味わえる吸引バイブ。吸引部分でクリトリスを根元までしっかり包みこみ、電動歯ブラシにも用いられている「音波振動」の振動で一気に吸引する。
3. ONDA／LORA DICARLO ¥27,280
こちらは、挿入型。でも、単に挿入だけでなくストロークとバイブレーションを兼ね備えた満足度の高いアイテム。波のようなストロークを自在にコントロールできるのが魅力。優しくなぞられるような感覚から少し激しいストロークまで、お好みや気分に合わせてチョイスして。ストロークのフィット感向上の観点からも、たっぷりとローションを使って楽しんで。
4. iroha＋ KUSHINEZUMI【なでしこ色】／iroha ¥9,900
iroha+のシリーズは、しっとりとした肌ざわりと一見トーイとは思えないかわいい見た目、そして静かかつ強力なバイブレーションが特徴。こちらのKUSHINEZUMIのおすすめの楽しみ方は、背中のギザギザ部分をフル活用すること。あてがうだけでなく、少し動かすと凹凸と柔らかな素材感がリラックスにつながる。
5．ハート・バイブ コーラルローズ／RianneS ¥5,500
手の平にすっぽりと乗る、ハート型トーイ。この小ささで振動の種類は10パターン。シルクのようななめらかで心地いい肌触りも気持ちいい。部屋に置かれていてもトーイと気がつかれない程の小ささと可愛らしさで、初めてのトーイにおすすめだけれど、旅行にもっていくのにもGOOD！
6．Dame Alu アロエローション／Dame ¥3,520
ラブグッズを使うときはローションとの併用がおすすめ。とくに挿入型はローションを使うことで、満足度が高まるはず！ こちらは、デリケートゾーンを保湿しながら潤滑するウォーターベースローション。オーガニックのアロエベラをベースにしたローションは、グリセリン、パラベン、ホルモン、糖分など腟に余分な成分は一切添加していない。シリコン製のトーイやコンドームとも一緒に使える。
Text: Medically reviewed by Dr Roger Henderson and words by Rhalou Allerhand Translation: Ai Igamoto
