お酒を一滴も飲んでいないのに、飲み過ぎたときのようにフラフラする感じを経験したことがある? それは、「回転性のめまい」を起こしていたのかもしれない。
このめまいは、ふらついたり不安定な感じがしたりするのが特徴で、数秒で止まる場合もあれば、何時間も続く場合もある。そして、これは成人の約40%が少なくとも一度は経験しているとされる、かなり一般的な症状だそう。
回転性のめまいは「病気」のように取りあげられることが多いものの、ハーバード大学マサチューセッツ眼科耳鼻科病院のニール・バタチャリヤ教授(耳鼻咽喉学)によれば、実際には病気ではなく「症状」だという。
その最も多い原因のひとつとされているのが、「良性発作性頭位めまい症(BPPV)」と呼ばれる内耳障害。
顔の向きを左右に変えたり、上を見たり、特定の方法で頭を動かすとめまいが起きるという症状で、片頭痛や不安感、気分障害、心臓疾患、乗り物酔い、そして服用している薬などが原因になる場合もある。
ぐるぐる回るような感覚が頻繁にあるという人は、診察を受けた方がいいとされている。さらに、歩行や聴覚、会話にも同時に問題がある場合は、脳卒中やその他の深刻な病気の可能性もあるため、すぐに病院に行く必要があるそう。
まずは、回転性のめまいを予防・改善するための3つの方法をチェック。
〈3つの予防法〉
1. バランス感覚を強化する
バレエダンサーは、回転してもめまいを起こさない。ジョンズ・ホプキンス大学耳鼻咽喉学科(頭頸部外科)のアミール・ケラドマンド准教授(神経学)によると、それは、平衡感覚を司る内耳のシステムが、体の動きを感知して適応しているため。
平衡感覚を強くするためには、目や頭、体を協調させることを促すダンスや卓球などで、脳を鍛えるのがいいそう。
2. ビタミンDを摂取する
個別に行われた6つの臨床試験の結果を基にしたメタ分析から、ビタミンDのサプリメントをとることが、BPPVに関連するめまいの再発を防ぐことができるとの見方が示されている。
ただ、BPPV以外が原因のめまいにも効果があるかどうかについては、わかっていない。サプリメントについては、医師に相談する必要があるという。
3. 健康的な生活を心がける
心臓、そしてメンタルヘルスの状態をよりよくコントロールするのに役立つのは、運動とバランスの取れた食事、適切な水分補給、睡眠、ストレス管理など。これらに気を付けることで、回転性のめまいとそれに関連した症状が起きるリスクを小さくすることができる。
片頭痛の予防方法も効果的とみられるほか、医師が症状のパターン(あるいは解決方法)を見つけるのに役立つと考えられることから、「めまい日記」をつけておくこともお勧めだという。
では次は、めまいが起きてしまった際の改善方法を見ていこう。
〈3つの症状改善方法〉
1. じっとしている
回転性のめまいが起きている間は、じっと座っているか、横になっていること。症状が収まりやすくなるほか、倒れる危険を避けることもできる。
手や足をしっかり床や家具などに押し付けるようにして、視線を動かさず、じっと1点を見つめることで、体が実際に静止していることを、脳に伝えることができる。
2. 薬を飲む
薬で根本的な原因を取り除くことはできないが、症状をある程度緩和することはできる。回転性のめまいが頻繁に起こるわけではないなら、市販の乗り物酔いの薬でも効果があるそう。
ただし、こうした薬を過度に服用すると副作用の心配もあり、注意が必要。
3. 専門医に相談する
BPPVは、内耳にある「耳石」という炭酸カルシウムの塊が剥がれ落ちることでめまいが起きる病気。「エプリー法(エプレイ法)」などによる治療ができる内耳(前庭系)の専門家に診てもらう必要がある。
※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。
From Prevention
Stephanie Anderson Witmer has been a professional journalist for more than 20 years, with a focus on writing and editing stories about food, agriculture, health, parenting, home, and garden for magazines, newspapers, and websites.