私たちの生活に欠かせない存在となっているソーシャルメディア。生活様式がリモート化したことにより、SNSの利用時間が増えた人も多いはず。メリットがたくさんある一方で、ストレスを抱えたりトラブルに巻き込まれたりと、メンタルヘルスに悪影響を及ぼすケースも。そこで、 “デジタルネイティブ世代”の19歳~22歳とWHCo後藤彩文が「SNSと上手に付き合うには?」を徹底討論。日々のSNS体験をよりよくする方法、参考にしてみて。

討論会に参会したメンバーは……

Beauty, Smile, Palm tree, Leather, Fashion, Long hair, Jacket, Sitting, Photography, Black hair,

SNSの利用時間、3~4時間は当たり前。9時間という強者も⁉

close up of woman's hand taking photo of freshly made burger with french fries by smartphone while having meal with friends in restaurant
d3sign//Getty Images

今回参加したメンバーのSNS平均利用時間は3時間、なかには9時間(!)という人も。使用するのはInstagramがメインで、1日1投稿はしないと気が済まない、友人やインフルエンサーの投稿は十数分に1度はチェックするのが習慣のデジタルネイティブ世代。「カフェに行ったら、友人と会ったら、買い物に行ったら……どこかで何かをしたら写真を撮ってSNSにアップしないと、出かけた感がない」(Hikari)という意見に、その場にいた全員が同意した。

SNSトラブルは意外と身近にある。メンバーの経験談

woman using phone while leaning on friend's leg
Klaus Vedfelt//Getty Images

SNSを巡って嫌な思いをしたり、トラブルに巻き込まれたメンバーも多いよう。
「Instagramに投稿した画像1枚を見て、人柄を決めつけられ、毎日遊んでいる印象を持たれることがよくある」(Ayako)

「投稿した顔写真をスクリーンショットされて、違うサイトに転載・悪用されたことがある。モラルを疑う行動だけど、私もアカウントを公にしていたから反省した」(Hikari)

「政治的発言とか世間的にマイノリティな発言をすると、批判コメントがつくことが多い」(Kotono)

多くの人に意見を伝えられる、物理的距離があっても繋がれる、トレンド情報をいち早くキャッチできるなど、SNSを使うメリットは多い。でもその一方で、モラルない言動やメンタルヘルスに悪影響を与えている現実があることも知っておきたい。

メンタルヘルスへの影響は? 気分の落ち込みがあるなら要注意

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Adolescent Content/Ella Fields//Getty Images

「SNSによって精神的な影響を受けていると思う?」
ウィメンズヘルスのInstagramアカウントでアンケートをとった結果、「そう思う」が58%、「そう思わない」が42%という結果に。筆者自身、「#BlackLivesMatter」の黒い画像がタイムラインに並ぶ様子に違和感を覚え、また、匿名のユーザーによる誹謗中傷で有名人が自殺する事件にひどく落ち込む経験をした。このようにSNSを利用していると、“見たいもの”と“見たくないもの“を自ら取捨選択する前に、あらゆる情報が目に入ってくることがしばしばある。

特に、同年代や近しい友人のいわゆる“キラキラ”した投稿を見れば見るほど、自己嫌悪に陥る傾向にあるように思う。セレブリティの暮らしならまだ「縁遠いから仕方がない」と諦められるものが、同じコミュニティ内にいる仲間のキャリアやボディイメージ、人間関係etc.は、自分と容易に比較できてしまうのだ。流れてくる情報に少しでもネガティブな影響を受けていると思うのなら、「SNSで見るものがすべてとは限らない」と理解し、「得る情報を積極的に選んでいく」ことを心がける必要がありそう。

SNSをヘルシーに楽しむ方法は?

relaxed young woman lying on the floor at home usingsmartphone and laptop
Westend61//Getty Images

●自分をインスパイアして、学ばせてくれるアカウントをたくさんフォローする

アプリを開いてすぐに見るものが、自分にとってネガティブな思考を生み出すものならフォローしている人を変えた方がよさそう。

「人種差別の歴史や地球環境問題、フェミニズムとか、知識を提供してくれているアカウントも最近は多い。自分の興味ある分野を学べるなら、SNSから得られる体験は人生を豊かにしてくれるはず」(Kotono)

「知人のアカウントを見たくない、でもアンフォローしたって思われるのが嫌。もっとクローズドの空間で情報発信・収集したい。その場合サブアカウントを持つのがおすすめ。自分が選んだ少ない人数でコミュニケーションが取れる場にすれば、余計なストレスは回避できる!」(Hanako)

●“演出した自分”を載せている人が多いことを理解する

「特にInstagramは、セルフブランディングのためや他人に自慢したいことを投稿する人がほとんど。タイムラインに載っている情報がその人の日常生活のすべてではないし、リアルな姿とは限らない。それを理解していれば、見る側も見られる側も傷つかずにいられると思う」(Ayako)

●SNSのメリットやデメリット、倫理観を次世代に教育する(一緒に考える機会を設ける)

「モラルのないコメントがたくさん見受けられるSNS。私たちより若い世代がそれらに悩み苦しまないように、起こり得るトラブルや倫理観、多様性について一緒に考えたり、教えたりする機会が必要」(Kaho, Kotono)

SNSをストレスフリーに利用するためには、モラルやマナーを重んじることはもちろん、気分が上がる情報でタイムラインを埋める、サブアカウントを持って閲覧者を制限する、といった工夫も大切。いつのまにかメンタルヘルスを脅かされていることのないように、SNSとの付き合い方を考える機会を作ってみては?

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後藤 彩文
WH Coライター、学生

幼い頃からダンスを習い、クラシックバレエ2年、コンテンポラリーダンス7年間、中学生時代には全国大会での団体優勝経験もある。現在、社会人アメリカンフットボールチームのチアリーダーとして活動中。怪我の経験や自分自身の体の変化から、フィットネス、フード、ヘルスなどに幅広く興味を持つようになる。最近は「どんな服でも着こなせる体作り」を目指し、日々トレーニング中。 インスタグラム:@saayagot0