キムチやザワークラウトなどの食品が腸にいいと確信している人も多いのでは。でも、腸を元気にする食品にも「摂りすぎ」というものがある。そこで今回は、オーストラリア版ウィメンズヘルスが、栄養専門サイト「Body Good Food」の設立者に直撃取材。「28 by Sam Wood」の栄養部門長も務める栄養士のステファニー・ワーンが腸にいいからといって摂りすぎるべきではない理由と、一日に摂るべき量を語る。
キムチ
腸にいい理由:「キムチやザワークラウトといった食品は発酵した野菜。消化管内の善玉菌を増やしたり、助けてくれるので、免疫機能や消化機能をサポートするといわれている。神経伝達物質とホルモンの生成にも関わるので、メンタルヘルスにもいいとされている。腸内細菌の生態系の良しあしで、さまざまな病気のリスクが決まることもある」
摂るべき量:「自分の腸の健康状態を考えてみよう。加工食品を食べる機会が多い人は、発酵食品を食生活に少しずつ取り入れてみて。腸内細菌は発酵食品に含まれる糖をエサにし、その過程でガスが発生する。でも、加工食品や砂糖が大量に入ってくれば、含まれている糖もエサにするので、どんどんガスが発生してしまう。だから、おなかが張ったり痛くなったりする」
「腸の調子が悪いなら、まずは1日1回、小さじ1杯分のキムチか他の発酵野菜を食べてみて、そこから徐々に増やしていこう。自然食品を中心とした食物繊維が豊富な食生活が定着すれば、1日2回、小さじ1~2杯分のキムチが食べられるようになる」
ボーンブロス
腸にいい理由:「ボーンブロスは発酵食品ではないの。どちらかといえば腸を癒やす食品ね。食物不耐症(*)、抗生物質、ストレスなどに苦しむ腸の内膜を癒やすには、ボーンブロスがピッタリ。コラーゲンやゼラチンが豊富だし、ミネラルも入っているので、腸の内膜を取り囲む細胞を修復するのにも役立つ」
摂るべき量:「私は通常、1日1カップを勧めているわ。でも、カレーや炒め物にボーンブロスを使いたいなら、それはそれで問題ない」
*取材した対象者の意見です。食物不耐症のケアにはボーンブロスを勧める意見もありますが、即時型の食物アレルギーには向かないという説もあります。ボーンブロスの材料にアレルギーのある方は避けてください。また、飲む際には自己責任においてお飲みください。
ケフィア
腸にいい理由:「ケフィアは、飲むヨーグルトタイプの発酵乳製品。ヨーグルトにも善玉菌は入っているけれど、発酵過程が長い分、ケフィアにはヨーグルトよりも酵母菌と善玉菌が多い」
摂るべき量:「キムチと同様、ケフィアも少量から始めて徐々に増やしていくこと。ミューズリーやグラノーラ、おかゆなどに大さじ1~2杯を加えることから始め、最終的には1日半カップまで増やせるとよい」
コンブチャ(紅茶キノコ)
腸にいい理由:「紅茶から作られているので、この発酵飲料には抗酸化物質とポリフェノールも豊富に摂れるというメリットがある」
摂るべき量:「そのときの腸の健康状態による。乱れた食生活を送っているなら、まずは1日30ミリリットル(ショットグラス程度)から始めてみよう。飲んだ後の不快感がなくなるまで徐々に増やしていけば、1日最大2分の1~1カップ飲めるようになる。ちなみに、食事の20~30分前にコンブチャを飲むと、胃酸の分泌が促進され、食べ物が消化されやすくなる」
リサーチや製造過程のチェックも重要!
「発酵食品については、自分なりにリサーチすることも大切。発酵過程と、商品になるまで生き残る細菌に影響を与える要素はたくさんあるから、専門家におすすめのメーカーを聞いてみるといい。ラベルを見て、人工の添加物や香料が使われていないことをチェックするのも大事。例えばコンブチャには、発酵過程で作られた少量の天然糖が入っているけれど、同じコンブチャでも添加糖を使っているメーカーは多いので、注意が必要」
「ここで紹介した食品は、どれも腸の健康をサポートするもの。食生活に加えれば、もちろんいい影響があるとは思うけれど、プロバイオティクスのサプリメントほど濃縮されていないし、パワフルでもない。本気で腸をケアしたい人は、間違いなくプロバイオティクスを摂るべき」
※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
Text: Alex DaviesTranslation: Ai Igamoto Photo:Getty Images
2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。