辛い食べ物が好き? 腸をより健康にしたい? そんな人にはぜひ、韓国で3000年以上前から食べられてきたという伝統食、キムチが健康にもたらす効果と、自宅で作る方法やおすすめの食べ方について、チェックしてみてほしい。
キムチの健康効果
1. 腸に良い
「キムチには健康に良いプロバイオティクス(体にいい働きをする生きた微生物)が豊富に含まれています」と栄養士のサマンサ・カセッティは説明する。また、同じく栄養士、アリッサ・ラムジーによれば、キムチは腸内細菌のバランスを整え、消化をスムーズにすることによって、腸をさらに健康にしてくれるという。
2. 免疫力アップ
栄養士のジェシカ・コーディングによると、免疫機能は大部分が腸に集中していることから、腸の細菌叢(マイクロバイオーム)が良好な状態にあれば、免疫系の機能が向上するとのこと。つまり、プロバイオティクスを含むキムチは、免疫機能にも有益だということになる。
3. コレステロール値を下げる
具体的にどの成分によるものかは解明されていないものの、日常的にキムチを食べている人は「悪玉コレステロール(LDL)値が低い傾向がある」ことが、過去の複数の研究結果で示されている。
4. 心臓の健康状態を改善
ショウガやトウガラシなどを使うキムチには、抗酸化物質が多く含まれている。そして、サマンサによれば、「ダメージを受けた細胞は病気の進行を加速させるが、抗酸化物質はそうした細胞の活動を安定化させるのに役立つ」とのこと。抗酸化物質を多く取れば、心臓病などの慢性疾患から身を守ることにつながる。
5. 炎症を抑える
プロバイオティクスには、腸内の炎症を抑える効果もあるとみられている。ある動物実験では、キムチに含まれる特定のプロバイオティクスが、腸内で確認された炎症のマーカーを減らしたとの結果が示されている。
6. 脳の健康をサポート
健康な腸が間接的にもたらすもうひとつの効果は、 脳の働きを向上させることだという。ジェシカは、「消化器系を健康に保つことは、脳にとっても重要なこと。それは、腸にある腸神経系が、脳とつながっているため」と説明している。
7. ダイエットにも効果的?
人が食べ過ぎてしまいがちなのは、「味気のない、あるいは退屈な食べ物」だというサマンサによれば、「風味豊かで低カロリー」なキムチは、健康的な量で満足感を得やすい食品だそう。もちろん、キムチを食べるだけで魔法のように体重が減るわけではないものの、健康的なライフスタイルに役立つツールになるという。
8. 眼の健康に良い
キムチは体内でビタミンAに変換される抗酸化物質のβカロテンを豊富に含んでいる。栄養士のミア・シンは、視力と目の健康に重要なこれらの栄養素は、加齢とともにさらにその重要性を増すものだと述べている。
9. イースト菌感染症を予防
「キムチに含まれるプロバイオティクスは、イースト菌感染症(カンジダ膣炎)の予防に役立つと考えられます」とミアは説明する。
複数の研究結果によれば、キムチに含まれる善玉菌にはこの感染症の原因菌に対する抗菌力を持つものがあり、それによって発症リスクが低減されるとみられるという。
10. 血糖値を改善
「糖尿病予備軍」と診断された人を対象に行った小規模な研究の結果、8週間以上キムチを食べた被験者の耐糖能(糖耐性)が、改善していたことが確認されたという。
キムチのマイナス面は?
辛い物を食べると体に熱がこもる人や、香辛料に敏感な人は、少量を食べるようにしておくのがいいそう。また、辛さが胃酸の逆流の原因になる場合もあるとのこと。
その他、発酵食品であるため、食べるとお腹が張ったり、ガスがたまったりする人もいるという。塩分が多いことにも、注意しておく必要がありそう。
キムチの作り方は?
キムチのレシピはさまざま。一般的には、材料は白菜と塩、水、にんにく、ショウガ、砂糖、魚醤、唐辛子粉、大根、ネギ。
「白菜を切ってボウルに入れ、その他の材料と合わせて瓶などに移し、密封して数日間、室温で発酵させる。その後、冷蔵庫で保存する」というのがおおかまな手順。
健康的な食べ方は?
加熱しても、そのままでもおいしいキムチは、食材としての用途も幅広い。ジェシカのおすすめは、サラダや野菜料理に乗せたり、炒め物に加えたりすること。
アリッサは、スープに入れたり、卵料理に使ったりすることを提案している。ハンバーガーにはさんでも、パンチが効いておいしいそう。
Photos: Getty Images From Women’s Health