もともとは、炭水化物の摂取量を極端におさえる「ケトジェニックダイエット」の実践者の間で小麦粉の代替食材として流行り始め、今では日本でもダイエットに関心がある人を中心に浸透してきた「サイリウム(サイリウムハスク)」。最近では「サイリウムわらび餅」も話題だが、そもそもサイリウムって何なの? その効果やメリットとデメリット、おすすめの使い方もご紹介。
<目次>
サイリウムハスクとは? 効果について
サイリウムハスクは、オオバコ属のプランタゴ・オバタ(英名:サイリウム)という植物の種子の殻(ハスク)を粉末状にしたもの。『The Low Carb Dietitian's Guide』の筆者で公認管理栄養士のフランチェスカ・スプリッツラーによると、サイリウムは東南アジアや西アジアに生息するのが一般的。
このサイリウムの殻には水溶性食物繊維がたっぷり含まれており、パウダー状にすると、大さじ1/2杯で4gもの食物繊維が摂取できる。そのため、サイリウムハスクは、水溶性食物繊維の力で便通を促進する下剤に有効成分として配合されることもある。またスプリッツラーによると、サイリウムハスクは、血糖値と血中コレステロール値を下げるのにも役立つ。
サイリウムハスクが低糖質ダイエットに役立つ理由
サイリウムハスクは、低糖質対応のパンやピザなど、オーブンを使う料理に必須の食材。
その理由は、サイリウムハスクには消化される糖質がほとんど含まれていないため(=含まれているのは、ほとんどが消化されない食物繊維だということ)。パンやピザ生地、マフィンなどにサイリウムハスクを使うと、パンと似た質感になり、生地が扱いやすくなるというのも人気の理由。もちろん、グルテンフリーの代替品が従来の食品と同じだけ美味しいとは限らないけれど、低糖質ダイエット中もパンやピザを食べたい人には、使わない手はない。
サイリウムハスクのデメリットは? 安全な使い方
スプリッツラーによれば、サイリウムハスクは概して安全だけれど、少しずつ食生活に加え、体を慣らしていくのが得策。また、サイリウムハスクに限らず、食物繊維が豊富な食品を摂取するときは、便秘や腸閉塞を防ぐために水をたっぷり飲むこと。
ケトン体ダイエット中の人はもちろん、低糖質ダイエットによる便秘に悩んでいる人も「サイリウムハスク」をチェックしてみては?
サイリウムを使ったレシピ
サイリウムわらび餅の作り方
【材料】
・サイリウム…5g
・ラカントSなどの糖質オフの甘味料…15~20g程度
・水…150cc
【作り方】
すべての材料を鍋に入れて火にかけ、2、3分混ぜながら溶けたら、深さがある容器に流し込んで冷蔵庫で冷やし固める。食べるときに、きなこ(分量外)や糖質オフのシロップをかければわらび餅のような味に!
低糖質でグルテンフリー! サイリウムを使った腸活ブレッド
モデルでボディメイクトレーナーの佐々木ルミさんが提案してくれたのは、アーモンドパウダーとサイリウムを使った低糖質パンの作り方。
サイリウムの代用品
もし、サイリウムが手に入らなかったら? そのときは、以下の2つが代用品になる。
1.おからパウダー
- 豆乳や豆腐を作る際に残った大豆の絞りかすであるおからを、乾燥させたもの。おからの栄養価は、ほかの大豆製品と比べても、優れている。食物繊維を補え、腸内環境改善や満腹感などのダイエットサポート効果があるそう。常温で数カ月保存ができ、そのままでも水に戻しても手軽に使えるのも魅力。
2.寒天
- テングサやオゴノリなどの海藻類を煮溶かしてろ過して凍結乾燥させたもの。寒天はほとんどが食物繊維で構成されている。その量は、100g中80.9g! あらゆる食品のなかでもっとも多く食物繊維を含んでいるそう。また、食物繊維には「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」のふたつがあり、寒天はどちらも含まれている。
3.チアシード
- 「チア」という南アメリカ原産の、学名「サルビア・ヒスパニカ」と呼ばれるシソ科ミント系サルビア属の植物の種。そのチアの花が咲いた後に作られる種がチアシード。南アメリカでは昔から貴重な栄養源として食されていた。種は直径1mmほどで、水を含むとふくらんでゼリー状の膜ができるのが特徴。チアシードは、9つの必須アミノ酸全てがバランス良く含まれている完全タンパク質食材のひとつで、植物性食品では非常に珍しい存在。そして、食物繊維やオメガ3や良質な脂質を含む抗酸化食品でもある。
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1968年創業のNow Foods(ナウフーズ)のサイリウム。
国内製造だから安心して取り入れられそう。
香料、着色料、保存料不使用タイプも。
残留農薬検査、食品安全検査済み。微粉末だから溶けやすい!
サイリウム料理に一緒に使われることが多い、おからパウダー
『エル・オンライン(現エル・デジタル)』のファッションエディターを経て、フリーランスに。女性ランナーによる企画集団「ランガール」を設立。その後女性誌立ち上げやWebメディアの立ち上げを経て2017年にウィメンズヘルス』日本版ローンチ時から編集長に。2023年夏よりエル・グルメ編集長も兼務。趣味は料理を作って友人たちに振る舞うこと。