腸を苦しめている
「走行中に腸がもみくちゃになるから、というのが最もシンプルな理由でしょう」とビーンは話す。「ランニングは衝撃の高いスポーツです。1時間程度なら大丈夫ですが、60~90分も走っていると腸管が揺れすぎて、吐き気がするかもしれません」
血流が滞っている
「ランニング中は、通常なら腸に送られるはずの血液が活動中の筋肉に送られます。つまり、消化器に送られる酸素が一時的に不足するため、腸の活動に支障が出るというわけです」とビーンは説明している。簡単に言えば、腸が通常の動きやリズムを維持できなくなるから、痛みや不快感、吐き気が生じるということ。
不安を感じている
「ずっとトレーニングしてきた大会やレースでは、アドレナリンが上昇し、不安を感じるかもしれません」とビーンは続ける。腸と脳のつながりは非常に強いため、ちょっと不安を感じるだけで吐き気がすることもある。
腸を刺激する物を食べた
ビーンによると、「一部の食品は腸を刺激する」そう。「もちろん、これは人によって異なりますが、全粒穀物、豆類、アブラナ科の野菜(カリフラワーやブロッコリー)といった食物繊維が豊富な食品には要注意です」。こういった食品が腸内で余分なガスを産生すると、胃の不快感に襲われる。
「グルコースやフルクトースなどの糖が高濃度で含まれるエナジージェルが、腸のけいれんや過剰なガスの産生を引き起こし、痛みにつながることもあります」
水分不足
「手遅れになるまで水を飲まないランナーが多いですね。走り始めて1時間くらい経たないと飲まないのです」とビーンは続ける。でも、「それまでに体は水分不足になっています。1時間も空っぽだったところに突然水を入れれば、胃がけいれんしかねません」
胃が敏感
ビーンいわく、単純に胃腸のトラブルを起こしやすい人もいる。これには個人差があり、腸が長時間飛び跳ねたって平気な人もいれば、そうでない人もいる。悲しいけれど、これが現実。
でも、どうすれば胃腸トラブルの症状を抑えられるの? 100%確実な解決策はないけれど、長距離走の最中または直後に気持ちが悪くなりやすいなら、以下のトリックを試してみよう。