プロギングとは?
「プロギングは、スウェーデンのアスリートが始めたフィットネスです。良い環境で運動をするためには、自然がなければ成り立たない。そこで、トレーニングをしながら環境美化活動ができないだろうか、と考えたのがすべての始まりでした。
プロギング発祥地の北欧へ行ったときに、ランニングをしながらゴミを拾って、信号待ちの時は筋トレをして、というフィットネス習慣があることを知り、衝撃を受けました」と常田さん。
もし、地元でプロギングをはやらせたいなら今がチャンス! 早速ゴミ袋を持って、ランニングしてみて。近所の人は、あなたがとても素晴らしい人に見えるはず。
プロギングの3つのメリット
1.フィットネス効果で、ボディメイクができる
「プロギングは、普通にランニングするよりも、1.2倍のカロリーを消費できます。ゴミを拾うために一度スピードを落とす、また走りだす、といったストップ&ゴー効果がカロリー消費の理由です。また、かがむ動作によって太ももや大殿筋が刺激されます。それにより、シェイプアップやヒップアップにつながります」と常田さん。走って拾うだけで、カロリーを多く燃焼できるのはうれしい。
2.褒められるから、ストレスフリーマインドに
「社会人になり、人から褒められる機会が減ったと感じませんか? 仕事や家事が当たり前になるからでしょう。でも本来は生きているだけで素晴らしいこと。プロギングをやっていると、人から褒められ、感謝の言葉をいただきます。そして達成感を感じ、"頑張ったこと"に対して自分を称賛するでしょう。
400年地球に残り続けるとされるゴミを拾う行動は、環境問題解決へとつながります。1つでも拾えばヒーローですよ。ゴミを拾ったら、自分自身を褒めてくださいね」
"ありがとう"という言葉は、疲れもイライラも吹き飛ばす魔法の言葉。
なんだかブルーな日でもプロギングをしたら、一瞬でマインドがハッピーになりそう!
感謝の言葉が飛び交うプロギングは、すてきなスポーツ。
3.新しいコミュニティーが生まれ、自分の世界が広がる
「一緒にランニングをしながらゴミを拾い、お互いを褒め合う環境にいると、気分が良くなりますよね。そのような気持ちを共有することで、交流がうまれ新しいコミュニティーが自然と形成されます。
観光とプロギングを掛け合わせたイベントも開催しています。裏路地でゴミを拾ったとき、地元にこんなお店があったんだと新しい出会いもあります」と常田さん。
プラスの感情をシェアすると、人との距離がグッと縮まる。仕事のパートナーになるかもしれないし、友達として仲良くなるかもしれない。今日はどんな新しい出会いがあるのだろうと、ワクワクしない?
プロギングの正しいやり方とポイント
正しいプロギングのやり方とポイントを、常田さんがレクチャー。
個人でプロギングをする時の参考にしてみて。
【トレーニング方法】
1.ゴミを拾う時は、ランジのポーズ。
2.拾う時は腰を曲げるのではなく、腰を落とすイメージで。
3.なるべく止まらずに、ゴミを拾う。
4.途中で疲れたら、ウォーキングに切り替える。
5.拾ったゴミは必ず分別すること。
【ポイント】
1."距離×スピード×拾う量"を調整して、トレーニングをしよう。
必ずしも一定じゃなくてOK! 例えばコンディションの良い日のメニューは、"走る距離を長く・短時間で完走する・ゴミは少なめにする"など。
2.フィットネスウエアでやること。
自分の気分をあげることが大切。お気に入りのかわいいウエアを着たら、テンションも上がってゴミを拾う量が増えそう。
3.なるべく軍手を使うように。
トングを使用するとしゃがむ距離が短くなり、フィットネス要素が減ってしまう。もし腰やひざに痛みを感じたら、トングを使おう。
マイルールを作りながら、無理なくプロギングを楽しんで!
【体験レポート】ゴミ拾いが楽しいと思えた!
早速エディターRUNAもプロギングイベントに参加! はじめははゴミを拾いながら走るのは楽しいの? と思ったけれど、実際やってみると、楽しかった。メンバー同士でこんなゴミを拾った、など楽しく会話しながら走っていたので、自然と笑顔でランニングできた。ゴミを拾うと、ありがとうと言われるのもうれしかった。イライラしたことも、いつの間にか忘れていたし、ゴミ拾いを楽しいと思ったのは初めて。
またランジポーズでゴミを拾うことと、止まらないことを意識して走ったら、翌日全身筋肉痛に。思った以上に運動効果も実感。
全身の引き締め効果を感じたので、イベント後も隙間時間を使ってプロギングをしている。参加者層は、高校生から40代まで男女問わず幅広い世代。年齢不問でジェンダーレスな、誰でも楽しめるスポーツなので、ぜひ体験してみて。。
【ゴミ拾いマッピングサービス】があるって知ってた?
街でよくみかけるポイ捨て。拾いたい気持ちはあるけど、なかなか勇気がでない......。
そんな時に大活躍する、便利なサービスがあるって知ってた?
それはMyGOMI.という、ゴミデータマッピングサービスだ。ポイ捨てゼロの世界をつくることを目標に、株式会社Gabが提供しているサービス。
「日本のポイ捨て事情は、そこまで深刻なものではありませんが、他の地域と比べると、東京のポイ捨て率がとても高いことが分かりました。管理コスト削減のためにゴミ箱を設置していなかったり、ポイ捨てのゴミを見ると無意識にここに捨てていいんだと思います。このような悪い連鎖が起きているのが現状です」と代表取締役の山内萌斗さん。
MyGOMI.ってどんなサービス?
「MyGOMI.には、"迷子のゴミを見つけよう"と"自分のゴミ"という2つの意味を持ち合わせています。ゴミを見つけたら、ボタンを押して、位置情報を送るだけです。ポチるだけなので、拾えない状況でも気軽に参加できますよ。通知なども一切きません。
そもそもゴミ問題のことは、はじめから人の思考にはありません。なのでMyGOMI.を通して、"拾わなくても、気づくところから"を皆さんに伝えたいです。そしてゴミの量が多い地域には、ゴミ箱の設置につなげていきたいです」と山内さん。
MyGOMI.の使い方とは?
山内さんにMyGOMI.の使い方を伺った。
1.LINEで"MyGOMI."を友達追加。
2.ゴミを見つけたら、3つのボタン(ゴミ1つ~or2~9or10以上)のどれかを押す。
3.ポイ捨てを見つけた場所の位置情報を送る。
4.マップを見て、どの地域にゴミが多いのか確認ができる。リアルタイムで見られるので、今いる場所と近ければ拾いに行ってみよう。
ゴミ拾いを楽しんでもらうための「仕掛け」が!
「ゲーム感覚も大切にしています。自分の拾ったゴミの量をもとに、ランキングとして表示されます。今日もこの人は頑張ってるな、だから自分もいつもより多くゴミを見つけようと目標も立てられます。
他の人の活動をリアルタイムで見られるので、一緒にゴミ拾いをしている感覚になりますし、楽しめます」と山内さん。今ではアプリを使用しているメンバーで集まり、MyGOMI.を使いながらプロギングを積極的にしているという。
ワンタップというシンプルな操作で街がきれいになり、新しい出会いもあって、楽しめること間違いなし! ぜひ使ってみて。
常田さんと山内さんは口をそろえて、ランニングを通してのゴミ拾いがとても楽しいという。「ゴミ拾いは地味でつまらない、と思っている人は多いと思います。でも、仲間とランニングをしながらゴミを拾うと、とても楽しい! 気軽な気持ちでまずは、イベントに参加してみてください」と2人からのメッセージ。
プロギングを通して、街がきれいになり、身体と心がヘルシーになり、新しい仲間ができる。それが年齢性別関係なしに、楽しめる最大の理由だ。何よりも私が感動したのは、みんなと走って街をきれいにしたあとのご飯が、とびっきりおいしかったことと、全身筋肉痛になって運動効果もあったこと!
プロギングジャパンのイベントは、ホームページをチェック!http://plogging.jp/
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主にSNS周りを担当。オーガニック・ヘルシーフード・K-POPなどのリサーチ力が持ち味。オーガニックワイン、ヴィーガンフードなどのキーワードから、土壌を始めとする環境問題などにも興味を持ち、記事へとつなげている。 2022年までウィメンズヘルス編集部に在籍。