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運動する女性は強い。基本的にポジティブだから苦難をものともしないし、自分の可能性を決して疑わない。そんなパワフルな女性の行動には、スポーツにおいても人生においても、自分が望む目標に近づくためのコツが詰まっている。

今回は「できるかな……」を「できる!」に塗り替えてくれる、女性が主役の4本のスポーツ映画をご紹介。

家族に隠れて私、サッカーに夢中。『ベッカムに恋して』(2003)



ガッツポーズをするベッカム、うつむき気味のベッカム、ボールを操るベッカム……『ベッカムに恋して』の主人公は、そんなさまざまなベッカムのポスターで埋め尽くされた部屋に住むインド系イギリス人のジェス(パーミンダ・ナグーラ)。

でも彼女は単なるイケメン好きではなく、「ベッカムのようにボールを蹴れる人はいない」と彼のスキルにほれ込み、いつしかボールを蹴るのに夢中になっていた一人。ところがある日楽しそうに友だちとサッカーをしている姿を母親に見られると、「男性が、自分より筋肉がついた女性にほれるわけがない」「完璧なチャパティ(インド料理の一種であるまん丸いパン)も作れないで、1日中ボールを蹴っ飛ばしている子にお婿さんなんてきやしない」と激しく反対される始末。なぜなら彼女は、インド系シク教の伝統を重んじる家庭に生まれ育ったから。そのため、ジュールズ(キーラ・ナイトレー)にめでたく発掘され女子サッカー部に入部するものの、家族には内緒で練習に通うことに……。

体を動かしたくなるポイントはここ!

本作でキラリと光るのは、サッカーをする上で、ジェスがくよくよするシーンが全くないというところ。親に内緒にしているせいで後ろめたさはあるものの、大好きなサッカーをするときは楽しさ全開。スポーツやフィットネスをはじめたばかりの頃は「これでいいのか」と不安になったり、続けていけば壁にぶつかり悔しさを味わったりもするけれど、そんなときは「好き」の気持ちを思い出せば自然と「楽しさ」がついてくるのかも。うまい下手なんか忘れて、ただただ体を動かす楽しさに浸ってみよう!

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戦う相手はいつだって自分! 『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』(2018)



男女平等のために戦う全米女子テニスチャンピオン、ビリー・ジーン・キング(エマ・ストーン)と、「女性の居場所は寝室と台所だ」と言い放つ、かつての天才テニスプレーヤー(自称”男性史上主義のブタ”)、ボビー・リッグス(スティーヴ・カレル)との対決「バトル・オブ・ザ・シクシーズ」に至るまでの実話。1973年にヒューストンのアストロドームで実際に行われたこの試合は、3万人以上のスタジアム内の観客と、9000万人ものテレビ越しの視聴者が一斉に見届けた、歴史に残る熱戦。

勇気をもらえるポイントはここ!

幼い頃、テニスのスコートを穿いていないだけで「写真に写っちゃダメ」と言われたことをきっかけに、性差別を若くして感じたビリー。テニス界で一番の選手になって、男女平等を訴えようと心に決めたのはそのとき。その夢を胸にいつしか周りからも腕を認められるプロとなったビリーは「俺に勝てる女性には賞金1000$」というボビーを相手に立ち上がる! そんな勇敢さも見習いたいところ。でも本当のかっこよさはここから。このボビー、平気で性差別的な発言を吐くのがもはや売り。それでもビリーは「女性の方が男性よりできるなんて私、言った? 少し敬意を払ってほしいだけよ」とさらりと発言。優越感に浸ることを目標にしない姿勢がかっこいい。「私の方が~よりもできる」「私よりも~の方ができる」スポーツで自分のベストを発揮したいならこんな言葉はとっとと捨てよう。きっと戦う相手はいつだって自分! スポーツでも何かしらのスキルでも、より磨きをかけたいときはこの気持ちを思い出したい。

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やると決めたら、何が何でも絶対に勝つ。『ミリオンダラー・ベイビー』(2004)



大好きな父親は若い頃に他界し、家族との仲もそこまで良くなく、31歳でウエートレスの仕事をし、皿を出しては洗う毎日を送るマギー・フィッツジェラルド(ヒラリー・スワンク)。そんな彼女がやっとの思いで、多くの敏腕ボクサーを世に送り込んだフランキー・ダン(クリント・イーストウッド)の力を借り、プロボクサーになるストーリー。彼の下でみるみる強くなり、全ては順風満帆、人生が見事好転したかと思いきや、彼女には予想もしない展開が待ち受けていた……。

停滞気味な自分に喝を入れてくれるポイントはここ!

トレーニングを渋々引き受けてくれたフランキーに「絶対に後悔させない!」と笑顔で告げたきり、どんなに手ごわい相手も次々と倒していくマギー。その根気強さが光るのは、ある試合で鼻を折られてしまったマギーが「ギブアップだ」とフランキーに言われているにも関わらず「血さえ止めてくれれば勝てるわ」と諦めない姿を見せたとき。「もう無理」と放り投げるのは簡単だけれど、痛みに耐え抜いてこそ見える世界があるのかもしれない。

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「選ばれなかった方」の大逆襲。『リトル・ジャイアンツ』(1994)



ベッキー(ショーナ・ウォルドロン)は町一番の敏腕フットボール選手で少々男勝りな女の子。でも地元の元フットボール選手でありベッキーの叔父でもあるケヴィン(エド・オニール)が率いるちびっこフットボールチームに入団しようとすると、「女の子だから」という理由でチームの入団はかなわなかった。「そんなの納得がいかない!」とベッキーはパパ(リック・モラニス)にコーチ役を頼み、自らフットボールチームを結成。でも残ったメンバーは走れない、ボールをキャッチできない、ただのぽっちゃり……と勝利の兆しが見えない。さあ、どうなる!?

「勝つ」よりも「楽しむ」が大切なのかも……なポイントはここ!

プライドが高いケヴィンをコーチとするチームは、勝つことにとにかく必死で競争心メラメラ。厚紙でベッキーのマネキンを作り、「思いっきり、ぶつかって倒すんだ!」と子供たちに指導する姿はさすがに怖い。一方でベッキーが自ら立ち上げたチームは、ろくにユニホームもなければ、ヘルメットにサンドイッチを隠しちゃう子もいて、どちらかといえば「結束力を高めて、とことん楽しもう!」がモットー。真剣に取り組むのもいいけれど、余裕を持てる人たちとのスポーツが一番楽しいのかも。

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Photo: Getty Images