強い骨の維持を支えたり、気分を改善し、炎症と戦うなど、ビタミンDには数多くの効能がある。

『The Little Book of Game-Changers』を著書に持つ管理栄養士のジェシカ・コーディングが言うには、心血管疾患など、特定の病気のリスクを下げるうえでもこのビタミンが必要不可欠。ほとんどの成人は、ビタミンDを1日に600IU摂取することが推奨されているが、アメリカ人の多くは十分に摂取できていないという。

国立衛生研究所(NIH)によると、ビタミンDは皮膚が紫外線を浴びることで体内で生成されることから、日当たりの悪い地域に住む人や年中日焼け対策を徹底している人は、ビタミンDが不足している可能性がある。タラの肝油、マス、サーモン、マッシュルームなど、ビタミンDを含む食品もあることはあるけれど、そのほとんどはアメリカ人の典型的な食事に含まれない。

だからこそ、サプリメントの出番! ビタミンを服用するかは個人の選択で、医師に相談することを躊躇うべきではない。ビタミンDのサプリを服用すると決めたなら、専門家いわく、飲む時間帯や適切な飲み方、吸収率に影響を与える要因を知っておく必要があるとか。では、3人の栄養士から具体的なアドバイスをもらおう。

ビタミンDの服用を検討したほうがいい場合とは?

「ビタミンDを含む食品は多くありません。直接日光を浴びる機会がほとんどない人は、サプリメントを検討するといいでしょう」と話すのは、『The Small Change Diet』の著者で管理栄養士のケリー・ガンズ。また、ビタミンDを含む数少ない食品のほとんどが動物性であることから、ヴィーガンやベジタリアンの食生活を送っている人も、サプリメントでビタミンDを補うようにするといいみたい。

栄養と食事のアカデミーで広報担当者を務める管理栄養士のソーニャ・アンジェローネが言うには、サプリの服用を検討中なら、病院で血液検査を受け、ビタミンDの濃度が実際に低いか調べてみることを勧めている。「ビタミンDの血中濃度を確認し、どのくらいの量を摂る必要があるかを把握することも重要だからです」

ビタミンDは空腹時に飲んでもいい?

ビタミンDは脂溶性ビタミンなので、コーディングいわく、「脂肪を含む食事と一緒に摂ることで、吸収率を高めることができる」そう。

「ビタミンDが血液中を移動するために重要なんですよ。血液は水溶性ですから」とアンジェローン。

例えば、脂質を含むピーナッツバターと一緒に摂るのもいいけれど、メインの食事と一緒に服用したほうがはるかに簡単で効果的。「おやつや軽食より、メインの食事のほうが十分に脂質を含んでいるはずなので、ビタミンDの吸収も確実によくなります」とアンジェローン。「研究では、脂質を含む食事と一緒にビタミンDを摂ることで、血中のビタミンD濃度が増加することが一貫して示されています」

ビタミンDを摂るのに最適な時間帯とは?

万人に適したマジックタイムのような時間帯は存在しない。ビタミンDを1日の後半で摂取すると睡眠を妨げるというデータもあるが、これまでの研究はかなり特定的で、未だに結論には至っていないそう。ビタミンDの不足が睡眠障害のリスクを上げるという研究結果もあるそうなので、現状ではさらに研究を重ねる必要がある。

「ビタミンDの摂取がメラトニンの分泌に影響を及ぼす可能性を示すエビデンスも実際には限られています」とアンジェローン。「私は寝る前に飲んでもそんなに問題はないと思いますが、個人的には寝る前の服用をお勧めしません。サプリメントはコップ一杯のお水で服用することが重要だからです」

一般的に、専門家はビタミンDを朝摂取するように推奨する傾向がある。理想は、朝食、または1日の最初の食事と一緒に摂ること。「他のビタミンも含め、朝に摂取するのが多くの人にとって都合がいいでしょう」とコーディング。「毎朝のルーティンに加えるといいですね」。職場で朝食を食べる傾向にある人は、オフィスにビタミンDを常備しておき、自宅で朝食を食べる人はキッチンに置いておくようにコーディングは勧めている。

「すぐに手の届く所に置いておくことが、毎日忘れずに飲み続けるために有効です」とコーディング。

結論

ビタミンDを服用するか迷っている人は、躊躇せず医師に相談してみよう。服用すると決めたら、できるだけ午前中に摂るように心がけて。
 
※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: KORIN MILLER Translation : Yukie Kawabata

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Korin Miller
Korin Miller is a freelance writer specializing in general wellness, sexual health and relationships, and lifestyle trends, with work appearing in Men’s Health, Women’s Health, Self, Glamour, and more. She has a master’s degree from American University, lives by the beach, and hopes to own a teacup pig and taco truck one day.
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川畑 幸絵
翻訳者

短大卒業後バンクーバー、メルボルンで2年留学した後、外資系客室乗務員として勤務。2018年に退職後、翻訳者としてフリーランスに転身。アメリカで統合栄養学を学んだ経験もあり。