2023年3月12日(日)、名古屋ウィメンズマラソンのゴール地点であるバンテリンドーム ナゴヤには、満面の笑顔でゴールする大友花恋さんの姿があった。人生初のフルマラソン。事前練習では10キロが最長距離だった為、不安を抱えながらの42.195キロだった。ゴール後の率直な感想を聞いてみた。

一歩一歩進むことで、42.195キロも走りきれた

大友花恋さん 名古屋ウィメンズでフルマラソン完走

「自分が走り出す前は42.195キロを果てしなく感じましたが、一歩一歩進んでいけば自分でも走れる距離なんだなと、すごく不思議な気持ちです。この距離を走って、ドームからスタートしてドームに戻ってこられたことがすごくうれしいです」

そもそも、フルマラソンに挑戦しようと思ったきっかけは、昨年の名古屋ウィメンズマラソンだった。10キロの部に出場して完走したものの、自分が走り終わった後も走り続けるランナーたちを見て、自分がちゃんとゴールできた気がしなかったという。

「もちろん10キロのレースも楽しかったのですが、皆さんと一緒に最後まで走って初めて、この大会に参加したと胸を張って言える気がしたんです。今年は、去年の忘れ物を取りにきたみたいな感じですね」

走りながら感じた、不思議な一体感と楽しさ

大友花恋さん 名古屋ウィメンズでフルマラソン完走

今回のレースに出るまでは、フルマラソンは1人で数字と向き合う競技だと思っていたという大友さん、ところが実際に走ってみると、思いがけない気づきがあった。

「前半はあと何キロかな? 今何キロかな? と数字ばかり見てしまったけれど、後半にいくにしたがって、沿道の応援や他のランナーの皆さんと走る楽しみを共有できる喜びへ、気持ちが変わっていきました」

「もちろん疲労はたまりましたが、疲れている感じにも慣れて、自分の中で走るリズムもできたので、後半の方がリラックスして走れた気がします。疲労はたまっているのに、他の人の脚を借りているみたいに勝手にグルグル脚が回っている感じ。疲れを意識していたら、ちょっと歩きたいとか、止まりたい思っていたかもしれません」

一度やめたら一生やめちゃう! だから毎日走る

大友花恋さん 名古屋ウィメンズでフルマラソン完走

 

大友さんが走り始めのは、コロナ禍がきっかけ。走ろうと決めてからは、毎日5キロのランニングを続けてきたという。不規則な仕事も多い女優業をこなしながらも、毎日ランニングを継続できたのはなぜなのだろうか。

「私、実はすごく飽き性で、一回やめたら一生やめちゃうと思うんです。だからこそ休みを作ったら毎日お休みにしちゃうと思って、ずっと続けられたのだと思います。今日のマラソンも、一回歩いたらその後走り出すのに脚がフワフワして進めなくなると思って、走り続けることができました」

そんな彼女の走るモチベーションの維持方法は、小さなご褒美を考えること。

「走り終わったら何食べよう? 今度かわいいウエアを買ってみようとか、 いつも楽しいことを考えながら走ります。今日はうなぎを食べたい! うなぎを食べたい! と思いながら走ったので、今夜はひつまぶしがご褒美ごはんです(笑)」

そして、走り始めてから心と体にも大きな変化があった。

「身体面でわかりやすい変化は、夜ぐっすり眠れるようになったこと。仕事の時間が不規則なこともあり、全然眠れなかったり、眠くて仕方ない日があったりしたのですが、今は寝たいタイミングで眠れるようになりました。マラソン前日も緊張で眠れないかと思いましたが、体のルーティンができあがっているからか、スッと眠れました」

「メンタル面ではコツコツ積み重ねるという忍耐力がつきましたし、ラン中は自分と向き合う時間になるので、自分が何をやりたいのかな、何ができるのかな、と、冷静に俯瞰して見られるようになりました。お芝居の時は、役のことを考えたり、セリフをぶつぶつ言いながら走っていることもありますね(笑)」

シューズのフィッティングの大切さも再確認

大友花恋さん 名古屋ウィメンズでフルマラソン完走

今回の大友さんの初マラソンの相棒となったのは、ニューバランスの「Fresh Foam X 860 v13」。クッショニングと反発性を高めた 2層構造ミッドソールの女性用スタビリティモデルだ。ニューバランスのストアでシューズを選んだ際には、新しい学びもあったという。

「お店ではフィッティングの仕方も教えてもらいました。いつも靴のサイズなどは曖昧に選んでいたのですが、インソールを取り出して足に当ててみて、余裕があるくらいがいいですよ、とか、爪先じゃなくてかかとに合わせて履くんですよ、とか、これまでのシューズに申し訳なくなるくらい目からうろこのコツがいっぱいありました」

「シューズのおかげもあって、マラソン中は足首が痛くなったりなどの不調もなく完走できました。このシューズ、立っているだけで前に進むようなふかふかの最高のはき心地なんです。これからも良い相棒として一緒にランを続けていきたいと思います」

ランを通じて、人や土地との出会いを楽しんでいきたい

大友花恋さん 名古屋ウィメンズでフルマラソン完走

フルマラソン完走という大きな目標に向かってコツコツ走り続けてきて、その目標を達成した今、彼女の次なる目標も気になるところ。

「大会を目標にしてきましたが、これで気持ちを切らさずに走り続けていきたいと思います。タイムを縮めるというよりも、国内も海外もいろいろなところで走ってみたいですね。その土地の人に会って、土地のものに触れて、走りながらいろんな人やものとの出会いを楽しんでいきたいです。今回も走りながら名古屋城や名古屋市庁舎などを見ることができたし、エイドでは名古屋名物のういろうや味噌キャラメルなども満喫できたんですよ」

「私もランニングを始めるまでは、毎日走るなんて自分には絶対できないと思っていました。外は寒かったり暑かったり、朝は眠かったりしますから。でも走るってすごくシンプルで、リズムに乗って前に進んでいくだけなんです。距離はなんであれ、皆さんにとって心地いいランができたと思えればそれはもう立派なランニングだと思います。私みたいにカジュアルに楽しみながらでもフルマラソンに挑戦できるんですから」

気負わず軽やかに、これからも走り続ける大友花恋さん。次はどんな土地でどんな出会いが待っているのだろう。

問い合わせ先/ニューバランスジャパンお客様相談室 0120-85-7120
https://shop.newbalance.jp/shop/pages/nwm_expo.aspx

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Kiriko Kageyama
エル・グルメ編集長/ウイメンズヘルス編集長

『エル・オンライン(現エル・デジタル)』のファッションエディターを経て、フリーランスに。女性ランナーによる企画集団「ランガール」を設立。その後女性誌立ち上げやWebメディアの立ち上げを経て2017年にウィメンズヘルス』日本版ローンチ時から編集長に。2023年夏よりエル・グルメ編集長も兼務。趣味は料理を作って友人たちに振る舞うこと。