ケトジェニックダイエットを実践中の人はよく聞いて。炭水化物をきちんと摂取していれば、寿命が長くなることが判明したそう。
ケトジェニックダイエットを行っている人には悲報だが、医学雑誌『The Lancet Public Health』に掲載された研究によると、極端な低糖質ダイエットは寿命を縮めることが明らかになったそう。今回はケトジェニックダイエットと寿命の関係性をご紹介。
この実験は15,000人以上のアメリカ人を対象に、食生活に関するアンケートを実施した。研究者はアンケート結果から、彼らの平均摂取カロリーを算出し、炭水化物と脂質、タンパク質の主要栄養素の内訳を特定したという。ただし、日々の摂取カロリーのばらつきが極端な人や、1日に600kcal未満、あるいは4,200kcal以上のカロリーを摂取している人は、この研究の対象者から除外した。
25年間にわたり被験者を追跡調査した結果、炭水化物を適量に食べている50代の被験者は、炭水化物を極端に制限している被験者よりも平均寿命が4年も長いことが分かったという。また、従来の低糖質食を食べている被験者よりも、2年長いことが判明したそうだ。この理由から、ケトジェニックダイエットを実践中の人は、食事に含まれる炭水化物がわずか5%にすぎないため、十分に注意を払う必要があるとか。
一方で同研究は、炭水化物が多い食事も同様に健康のリスクが高いことを示している。適度に炭水化物を摂取している人は、全カロリーの65%以上を炭水化物から摂取している人よりも、寿命が1年長くなることが推定されたそう。何を食べるかで、大きな違いが生まれる。低糖質ダイエットを実践している人は、炭水化物を動物性タンパク質ではなく、植物性タンパク質に置き換えることをおすすめしている。そうすることで、寿命が縮むリスクを少々減らすことができるようだ。
炭水化物を控えるのであれば、他の食材で補う必要がある。低糖質食を実践している人は、必須脂肪酸やおなかを満たしてくれる食物繊維、ビタミン、ミネラルが豊富に含まれている野菜や果物、全粒穀物に置き換える傾向があると研究著者は説明する。一方で、ケトジェニックダイエットを行う人は、野菜や果物には糖質が含まれているため、これらを完全に排除する傾向がある。代わりに、この食事法に適した加工肉や低糖質な加工食品など、カロリーと脂質を多く含む食品に置き換えているようだ。ケトジェニックダイエットを実践する全ての人がこのような食べ方をしているとは一概には言えないが、時間がたつにつれ、似たような食事パターンに陥りやすくなる。
2017年、米国疾病対策予防センターの食生活に関する報告書によると、ケトジェニックダイエットを行う人のみならず、食事におけるバランスに関しては、アメリカ人全体の問題であることが発覚したという。果物の1日の推奨量を摂取できている成人は全体の12%、野菜を十分に摂取している人は全体の9%にすぎなかった。たとえ炭水化物を減らして劇的に体重が減少したとしても、体重以外の面では体にダメージを与えている恐れがある。また、米国栄養士会によると、赤身肉の食べ過ぎは病気を招く原因となり、果物や野菜を多く食べることでそのリスクを減らせると研究で証明されているそう。一方で高炭水化物の食事は、精製・加工された炭水化物に偏る傾向にあり(白いパンや甘いシリアル、砂糖が加えられた飲み物など)、肥満や糖尿病、心臓病のような深刻な健康問題を引き起こす可能性があると警鐘を鳴らしている。
最新の米国食生活指針では、平均女性の場合、総摂取カロリーの45〜65%を炭水化物、10〜35%をタンパク質、20〜35%を脂質から摂取するよう推奨している。もちろんこの比率は年齢や性別、身体活動量によって異なる。しかしこのバランスを維持し、必要な栄養を摂取することが大切。なぜなら、より長く健康的な生活を送ることができるからだ。
※この記事は、アメリカ版『Prevention』から翻訳されました。
Text: Alisa Hrustic Translation : Yukie Kawabata
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