どちらも野菜の摂取量が増えるのだけは確か!
プラントベースとヴィーガンの違いを誰かに聞くたびに、必ず同じ答えが返ってくる。「どっちも同じなのでは?」。ソーシャルメディアによる情報や、加工食品のパッケージに記載されている内容とは反対に、両者のライフスタイルは大きく異なる。プラントベースとヴィーガンって、そもそも何が違うの? この違いを明確にするために、管理栄養士に話を聞いてみた。
「ヴィーガンのライフスタイルとは、卵や乳製品、肉、蜂蜜を含め、動物食品を全て排除します」と話すのは、ウェルネスサイト「the Lifestyle Dietitian」の創設者であり管理栄養士のジャーキン・ジョーンズ。「代わりに、食事のほとんどが、野菜やフルーツ、豆類、ナッツ類、シード類で構成されます」。本質的に、動物から作られた製品は全てNG。
また、ウールやシルクを含め、動物から作られる衣類や商品を身に付けることもできない。
一方で、「プラントベース食には定義などありません」と話すのは、栄養カウンセリング「Nourish Family Nutrition」の創業者である管理栄養士のダイアナ・スギウチ。「プラントベースでもお肉以外は食べる人もいますし、少量のお肉を食べる人、野菜の量をもっと増やす人もいます」。つまり、プラントベースとは、植物性の食材を食生活の中心に置き換えること。
「両者のライフスタイルは似ていますが、プラントベースでは、必ずしも動物性食品を排除する必要はないという点が、大きな違いとなります」と、ジョーンズは説明する。「主に野菜やフルーツを食べますが、鶏肉や魚介類をたまに取り入れることもあるでしょう」
「より多くの植物性食品を食べることで、誰もが健康上のメリットを得られます」と、ジョーンズ。「特定の疾患の治療や予防が必要な人に限ったことではありません。野菜やフルーツの摂取量を増やすことは、全ての人に推奨されていることです」。両者の食事の効果を最大限に得るためには、毎食あたりのお皿の半分以上を植物性の食材で満たすこと。
ヴィーガンでもプラントベースでも、体重を落として健康を全体的に改善することは可能である。個人の目標によっては、いずれかの食事法で驚くほどの健康効果を得られることもある。ただし、必然的に健康になれるというわけではなく、それを決めるのはあくまでも自分次第。植物性の食生活は、健康の改善と強くひもづいている。
「ライフスタイルや食の嗜好を含め、全ての人に効果的なダイエットは一つも存在しません」と、スギウチ。ヴィーガンやプラントベースに切り替える場合は、専門家に相談することが推奨されている。「あなたにとって最善の食事法を見つけるには、自分の食の好みを考慮し、継続可能な変化を取り入れていくことが大切です」
今すぐどちらかの食事法に切り替えたいという気持ちはわかるけれど、いきなり大きな決断はしないように。「食生活を劇的に改善する場合は、じっくりと計画を立てていく必要があります」と、ジョーンズ。
「まずは、植物性食品の摂取量を増やすことから始めてみましょう」と、スギウチ。「普段お肉を中心に食べている人は、お肉を食べない日を週に一度作ることが、動物性タンパク質の少ない食事を取り入れるための最善な方法です」
また、一つの決まったライフスタイルに固守する必要はない。「ヴィーガンやベジタリアン、ペスカタリアンなど、人は食習慣にレッテルを貼りたがるものです」と、スギウチ。「さまざまな食事法を実践してきたのであれば特にですが、私はどちらかというと、食生活においては柔軟でいることがよいと思っています」
※この記事は、アメリカ版『Prevention』から翻訳されました。
Text: Jake Smith Translation: Yukie Kawabata
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