エキスパート直伝のトリックで、もっとぐっすり眠り、片頭痛を上手にコントロールしよう。
睡眠と片頭痛の関係は複雑*1、そして相互に作用するもの。片頭痛で眠れない夜がある？ それとも、その逆？ 確実に知るのは難しい。イギリスの偏頭痛専門サイト『Migrane Action』のチーフエグゼクティブ、サイモン・エヴァンズによると、片頭痛の半分近くは午前4時～午後9時の間に起きている*2。でも、その理由は誰も知らない。
私たちに分かっているのは、片頭痛の影響は人によって異なるので、できるだけたくさんのアドバイスとトリックが必要ということだけ。そこでUK版『ウィメンズヘルス』のロイジン・オデルヴィンがフェイスブックのライブ機能を使い、エヴァンズ、そして英国トリニティ・カレッジ（ダブリン大学）の脳の健康エキスパ―トで心理学者のサブリナ・ブレナンと膝を交え、睡眠の改善方法と片頭痛のコントロール方法を議論した。
専門家がシェアしてくれた、とっておきのアドバイスとは？
テクノロジー問題に対処する
携帯電話やタブレットといった電子機器が発するブルーライトは、脳を寝かさない。ブレナンによると、ブルーライトは体が分泌する睡眠促進ホルモンの邪魔をするので、脳の灰白質（かいはくしつ）が起きていなければいけないと勘違いしてしまう。応急措置は、電子機器の電源を切ること。就寝時間の少なくとも1時間前から、ブルーライトを発するものをすべて避ける。睡眠不足は、よく知られた片頭痛の原因*3。深夜の電子機器の使用は、現代社会の最も一般的かつ犠牲の大きい過ちの一つ。みなさん、ネットフリックスはスイッチオフ。これはシンプルな科学。理解するのに高度な知識は要らない。
昔ながらの目覚まし時計を使う
まず、その携帯電話は置いて（上記参照）。そして何より重要なのは、それを寝室以外の部屋に置いて寝ること。さもなければ、真夜中に目が覚めたときに時間を確認したくなり、そこから徐々にテクノロジーの巣窟へと足を進めてしまう。ツイッターやメールといった何百万もの通知が、インターネットを通して手元の小さな携帯電話に届けられる。すると突然、午前6時。あなたは全然寝ていない。睡眠不足と疲労は、どちらも片頭痛の引き金になる*2。デジタルではなく、ライトが点灯しない古典的な目覚まし時計を使えば、その昔、あなたの両親が目覚めたように起きられる。
先に歯を磨く
睡眠に問題を抱えているなら特に、就寝前の30分をリラックスタイムにするのが効果的。眠気を促進し、そして純粋に気持ち良い入浴時間にしてもOK。お母さんみたいなことを言うつもりはないけれど、歯を磨くのも忘れずに。でも、2分間の歯磨きを寝る直前までとっておくのはお薦めできない。むしろ、歯磨きでリラックスタイムを始め、すぐに寝つけなければ意識が遠のくまで本を読むこと。電子書籍はNG！
就寝・起床時間を決める
ここでもまたお母さんみたいなことを言うつもりはないけれど、就寝時間を決め、それに徹することが大切。繰り返し同じ時間に寝ることで体はいつ眠くなり、いつ起きるべきかを学習する。悪いけど週末もね。午後10時半に寝て、午前6時半に起きる。日曜日を含めて毎日。いや、本気で。これは信じて、本当に効果的だから。
光を浴びる
夜間は寝室をできるだけ暗くしたい。しっかりした分厚いカーテンは、実質、遮光ブラインドとしても機能する。朝は、目が覚めたらできるだけ早く明かりをつけて脳を手助けしてあげよう。液晶画面を完全に暗くできる、日の出シュミレーター付きの目覚まし時計に投資できれば、さらにベター。徐々に液晶画面が明るくなり、高く鳴り響くアラームよりも優しく眠りから覚ましてくれる。そして、どんなに仕事が忙しくても、毎日30分は外で日差しを浴びること。曇っていてもね。
カフェインに注意する
カフェインを摂り過ぎると、夜眠れなくなるというのは周知の事実。でも、午後のエスプレッソが睡眠にもたらす影響を知る人は非常に少ない。就寝時間の少なくとも6時間前には、カフェイン入りの飲料をすべて断つこと。でも、コーヒーを飲む習慣自体を完全に止めようとはしないで。コーヒーを即座に断ち切ると、片頭痛が出る人もいる*3。朝に1～3杯のコーヒーを飲むのは問題ないけど、夕方にはストップ。エスプレッソマティーニも例外ではない。アルコールは寝つきをよくするかもしれないけれど、睡眠の質は著しく低下する。
＊1……Current Pain and Headache Reports 2014 Jan;18（1）:390掲載／バイガル＆ハーグリーヴス著『Why does sleep stop migraine?』
＊2……Institute of Sleep Medicine（オーストラリア睡眠医学研究所）『Morning Headaches』
＊3……The Migraine Trust（イギリス偏頭痛トラスト）『Common triggers』
Text: Women's Health×Novartis Translation: Ai Igamoto Photo:Getty Images
