不安は深い眠りを妨げる敵のひとつ。しかも、頻繁に現れる。
事実、米不安神経症・うつ病協会によると、人口の68パーセントは、仕事やお金、子どもや人間関係に関する不安で、少なくとも週に数回は真夜中に目を覚ます。心配すると余計に眠れなくなるし、眠れないと余計に心配になる。
ここでは、不安な気持ちを落ち着かせて体を休ませるための方法を、イギリス版ウィメンズヘルスからご紹介。
心拍数が規則正しく穏やか(1分間に60拍以下)でない限り、体が眠りにつくことはできない。つまり、望んでもいないのに頭の中を容赦なく駆け巡る思考を落ち着かせる必要があるということ。
以下で紹介するアドバイスは、心の平静をもたらすことが科学的に証明されたものばかり。寝る前に実践すれば朝までぐっすり眠れるし、“不安による不眠” に関する情報を探し回ることもなくなるはず。
筋肉を落ち着かせる
足から頭のてっぺんに向かって、体の各部位を数秒ずつ収縮させる。これで筋肉がピンと張った状態とリラックスした状態が感覚として分かるようになるし、筋肉に寝る時間であることを知らせることもできる。
書き留める
仕事のストレスを減らそうとヤキモキするより、寝る前に(ベッド以外の場所で)最大のストレス要因をアクションプランと一緒に3つ書き出してみよう。ストレスの原因を認めるだけで非生産的な物思いにふけることがなくなり、思考のスイッチをオフできる。
セックスをする
オーガズムに達すると、オキシトシン(ストレスホルモンと戦う)、セロトニン、ノルエピネフリン(徐波睡眠とレム睡眠と呼ばれる深い眠りのステージに体が入るのを助ける)というホルモンが分泌されるので、眠りに落ちやすくなる。
ブランケットを重ねる
ブランケットの重みによって脳が鎮静作用のある神経伝達物質を放出すると、誰かに抱きしめられているのと同じような効果が得られる。
音楽で癒される
ミニラボ・インターナショナルの調査によると、催眠効果が最も高い曲は、1分間で50~60ビートという一定のリズムを刻み(聴き手の心拍数が徐々に低下し、曲のリズムと同調してくる)、曲の長さは5分以上で、脳にこびりついて離れないようなキャッチフレーズを含まない。この条件が完全に満たされると、不安症状が65パーセント緩和するそう。
調査の結果、睡眠に最も効果的な曲として選ばれたのが、Marconi Unionの『Weightless』。歌詞のない8分間のメロディーは、スパや宇宙空間を連想させる。
吐き出す
嫌なことがあった日は、怒ったままベッドに入り、眠れないことにイライラしないで。ネガティブで不安な感情は夜を通して強くなるので、争いごとの要点を誰かに話し、憤りを静めておくこと。
一晩考えてから決める
寝ている間に古い記憶が整理され、新しいアイディアとリンクするので、筋の通った判断ができるようになるし、過去の過ちを繰り返すこともなくなる。
専門家に会う
心理学者や睡眠療法士に会うことで、状況が著しく改善することも。これまでの研究結果は、深い眠りを持続するには、薬よりも行動認知療法の方が効果的であることを示している。
でも、眠りたいのに目が冴えて、上司の発言や借金のことでパニック状態に陥ったら、この言葉を唱えてみよう。「真夜中にできることは何もない。明日の朝、しっかりした計画を立てればいい」
※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
Text:Malia Jacobson and Ally Head Translation:Ai Igamoto Photo:Getty Images